最近、気になった作業です。
長期間エンジンを始動していないので、オイルが落ちきっており、そのままエンジンを始動すると、各部に傷が入る恐れがあるので、一旦入っているオイルを捨て、オイルフィルターも交換し、新品オイルを入れます。出来れば、ヘッドカバーを取りたかったのですが、オイル漏れが無かったので、上部のボルトを外し、カムシャフトキャップのところに直接オイルを入れました。また、シリンダー内ですが、ピストンリングにオイルを回す為、チューブで、ピストンの端で、一番高いところにオイルを注入しました。(しばらく放置するとピストンリング全周にオイルが回ります。)その後、オイルパンにオイルが戻っていることを確認し、左のステーター部分カバーを外し、手でクランクを回してきます。この場合、プラグは抜いてあるのですが、まったく回っていなかったエンジンなので、慎重に回していきます。クランクシャフト左側のローター取り付けボルトで回しているのですが、このボルトのセンターにオイル穴があり、クランクシャフトの中にオイルが上がってくると、この穴から出てきます。ここまで上がってきていると、ヘッドまでは、すぐオイルが上がります。次に各部を組み立て、プラグを抜いたまま、スターターで、さらにオイルを吸い上げます。ここで、ようやくエンジン始動です。
別件ですが、バッテリーを交換する際に、イグニッションコイルとプラグコードを抜いてしまう人がいますが、うまく刺さらないことが多いので、そのままだと、この部分で接触不良が起こり、写真のように端子とコードが腐食します。この状態になると失火の原因になります。
腐食を取り除き、プラグコードを少し切って、装着します。バッテリーを交換する際は、プラグキャップから、一体で、外した方がトラブルを防げます。
写真は、オーバーホール中のウォーターポンプですが、写真真ん中辺りの穴から、クーラントかオイルが漏れていることがあります。
この写真は、クーラントのポンプ側です。
この写真は、エンジン側です。ポンプの構造として、エンジン側のオイルシールがあり、少し空間があって、メカニカルシール(クーラント側)がありますので、どちらかの液体が漏れた場合は、この空間を通して、穴から排出されます。構造上、どちらかが漏れても、相手側に混入しないようになっています。たまに、クーラントにオイルが混じり、オイルのほうが軽いので、ラジエターキャップ部に付着し、酷いとリザーブタンクに溜まっています。この場合は、エンジンの構造上、Vバンク間のセパレーター部でクーラントと、オイルが隣り合っている部屋があり、ここのガスケット(ゴム)が劣化すると、クーラントにオイルが混入します。エンジンを始動している状態だとゴムが膨張していることと、クーラントのほうが体積膨張があるので、オイルの混入はありません。クーラントがオイル混入しても、それぞれ温度が高いので、蒸発してしまうことが多いです。逆に冷えた場合は、ゴムが収縮し、隙間が空き、さらに、クーラントの体積収縮があるので、負圧が発生し、オイルを吸い込みます。クーラントにオイルが混入すると、ホース類に影響があるので、酷いとホース全交換になります。
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