最近、ゲイルスピードリアホイールのセンター出し作業のお問い合わせが増えてきています。今回は、車両の修理と合わせて、お預かりです。

とりあえず、現状が不明なので、点検からスタートです。外装を外して始めますが、古い車輌の場合、ほとんどがVブースト部のカバーの内側のゴムが剥がれて落ちてくるので、接着しています。

フォークのエア圧は、0でしたので、足しましたが、前後ゲイルスピードのホイールのため、車高が下がっているので、バランスを取るためとりあえず、0.7ほど入れました。トップキャップが錆びているので、フォークオイルは最近交換されていないようです。ステムベアリングは引っ掛かりがあるので、要交換です。

ダストシールはヒビがあり、水分が入ったようでクリップは錆びています。今の所、オイル漏れはないようです。

ブレーキパッドの残量はありますが、動きが悪いので、キャリパーは要清掃です。また、リアキャリパーのパッド抑え板は方向が逆です。

チョークですが、2番のレバーのボルトが脱落し作動していません。パイロットスクリューの点検のため、圧入栓を抜きました。幸い4気筒とも機能は生きていましたが、戻し回転数が、既定よりかなり濃い状態でした。


搭載されているバッテリーは、秋月製でした。秋月製と考えると容量が少ないので、バッテリーは要交換です。エンジン始動前と始動後(ヘッドライト消灯時)で、充電系は、平気そうですが、セルモーターが劣化し、冷間時だと回りますが、温間時だと圧縮が上がっているので、新品バッテリーをつないでもセルモーターがほとんど回りません。セルモーター要交換です。ブラシも摩耗しているとは思いますが、ボディ側の磁石が弱っていると、電気が流れて回転部が電磁石となっても、ボディ側との反発力が弱いので、回転トルクが出ません。

クーラントへのエンジンオイル混入なさそうですが、使用期間です。また、ウォーターポンプの下側の穴からエンジンオイルが漏れているので、要修理です。自作配線が装着されておりD連動ファンにスイッチが付いていますが、おそらく純正作動の方の配線がおかしいです。強制的には、回りますが、スイッチが純正作動位置では電源が入りません。一応、サーモスイッチを点検しましたが、本体のサーモスイッチは機能しています。水回りのパイプは、分解するのであれば、交換した方が良いです。

パイロットスクリューが生きていたので、キャブレターの調整と同調を行いました。ゴムキャップは切れていましたので、3個とも交換しました。エアクリーナーは、純正ですが、要交換です。また、キャブレタージョイントはヒビ有です。

ダイヤフラムですが、1個、分解していました。3個は回転していました。走行できないので、とりあえず、応急的に組み立てて位置を戻しましたが、4個とも要交換です。スパークプラグは、NGK製JR8Cですが、錆び、劣化があるので、要交換です。また、プラグキャップとコードがNGK製に交換されていましたが、劣化もあり、防水性も無く、抵抗値も違うので、準星に交換した方が良いです。また、サビや接触不良もあるようで、各部の電気系の接触が悪いです。

フロンとブレーキマスターとクラッチマスターはXJR用に交換されていましたが、フロント&リアブレーキ、クラッチとも、フルードは要交換です。

試乗してみました。フロントフォークのエア圧を上げているので、とりあえず、前下がりは緩和されていますが、ステムベアリングがだめなので、乗りにくいです。また、点火系は、プラグ、コード、キャップを交換した方が良いと思います。今回は、スイングアームを外しての加工になりますが、マフラーが錆びており、外すと崩壊しそうなので、スイングアーム脱着の際は、ガソリンタンクを外した方が良さそうです。
ゲイルスピードのセンター出しの作業に入る前に、他の修理もあるので、一度ご連絡致します。
2017.10.7 作業担当 ヤダ(矢田)