エンジンをフレームに載せたので、その他の部品を装着中です。

ウォーターポンプは、先にオーバーホールしたアセンブリを装着してしまいました。
インペラーシャフトに段付があまり無かったので、ベアリングとメカニカルシールとオイルシールの交換とバランサーシャフトで、駆動されるプラ製のギアを交換しました。
メカニカルシール部の写真(出展:VMG大原)
現在、クラッチ装着です。一番奥に装着されるのが、半クラッチ用の部品です。強制的に、クラッチ板を外に押し出す構造で、つながりをスムーズにしています。


以前お客さんの希望で、この部分を通常のクラッチ板に、交換した事があったのですが、フィーリングとして、半クラッチが難しく、オンかオフという感じで、クラッチの断続に気を使う必要がありました。通常の待ち乗りだとメリットより、デメリットの方が大きいと思います。

使用していたエンジンなので、クラッチ板が当たった後が、ボスとプライマリーにありますが、段付がなければ、作動にそれほど問題は出ないと思います。この部分の段付が激しいと、クラッチを切った際に、クラッチ板がスムーズに移動せず、剥がれにくいので、引きずりの原因になります。
 
クラッチ板の鉄板の方ですが、プレスで抜いている為、端面に丸い面と角が立っている面がありますが、純正の場合、奥側の半クラッチ用(1枚)は、クラッチが離れる方(外側)に向き、それ以外は、繋がる方(内側)に向いています。当然ですが、丸い面の方がに動きがスムーズなので、純正は、前述の向きになっています。

Vmaxのクラッチスプリングは、ダイヤフラム式(板バネ)ですが、特徴としてストロークの途中で、フィーリングが変わります。これは、特性で、半クラッチの辺りは、柔らかく、繋がっているあたりでは、硬くなります。純正のクラッチで、握り始めが硬いのは、特性による部分も大きいです。ただ、コイルスプリングに交換してしまうと、スプリングがシングルレートの場合、圧着力を高めると、全体的に硬くなってしまうことが有ります。

クラッチスプリングを組んだ状態ですが、写真の通り、ボルト(柱)が6本ですが、スプリング側の足が8本のため、均等に支えられません。この状態で、クラッチを握ると柱が無い部分については、外側のワッシャーがスプリングの反力で変形します。個人的には、ワッシャーを2枚重ねて組み、ワッシャーの変形を抑え、なるべく均等にスプリングの反力を受けるようにしています。


クラッチカバーの取り付けの際、ガスケットを入れますが、一応、液状ガスケットを、薄く塗っています。かなり薄く塗らないと、ボルトにトルクを掛けて、ガスケットが潰れた際、はみ出てきます。液状ガスケットの場合、大体が、外側にはみ出した分と同じぐらい内側にもはみ出していますので、エンジン内部で、異物になります。また、ボルトについてですが、機械物(車やバイク等)は、必要な部分に必要な強度のボルトが使用されているため、安易にボルトを交換すると、部同同士の結合剛性が落ちる場合があるので、指定されたボルトの仕様が前提になります。市販のボルトにも種類があるので、同じサイズで、同じ形でも強度に差が有り、注意が必要です。

ローター側は、組んでしまいました。前述の液状ガスケットは、クランクケースの上下合わせ面にも使用していますが、塗るのは、最低限にし、上下ケース合わせ面が、外側に面している部分のみです。上下合わせ面がエンジン内部になる場合は、綺麗に掃除するだけで、ガスケットは塗っていません。ケースやカバー類にガスケットを使用する理由は、オイルの漏れや、滲みの防止なので、必要なポイント以外は、塗っていません。メタル合わせの際も何も塗らずにケースを合わせて、トルクを掛けているので、クリアランスにも影響は無いと思います。
カバー類を装着したら、いつもヘッド側からオイルを入れ、手でクランクをぐるぐる回し、上から落ちたオイルがオイルポンプで吸われて、ある程度回っていることを確認し、ヘッドカバーを装着しています。
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