山梨からご来店ありがとうございます。中央高速の場合は、調布インターで降りると伏見通りで1本道ですので、意外と便利です。現在、外環の大泉出口から、道路が延長されつつあるので、この道路ができると伏見通りに1本道になるので、外環からの道も楽になります。現在も細い道はあるので、関越で高速試乗する場合は、伏見通りから関越大泉インターまで、割と近いです。ただ、関越は、東京方面で降りると現状結構先まで行かないと下道に降りられないので、降りたら、次の陸橋の下でUターンして帰ってきています。
点検を行ってからの整備になります。タイヤは、前後ブリジストン製ですが、理は、エクセドラマックスで、100馬力以下のアメリカン用なので、お勧めはしておりません。ブリジストンの推奨車種でもVmaxは指定外だったと思います。
フルードは、フロント&リアブレーキ、クラッチとも交換した方が良いとは思いますが、クラッチは、レリーズ側で漏れているようなので、とりあえず足しておきました。リアブレーキのリザーブタンクですが、なぜかフタが国内仕様(日本語表記)でした。車両はアメリカ仕様なので、通常は英語表記です。
フロントフォークのエア圧が0でした。クラッチマスターは、ピストン径が合っておらず、また、純正ホースを使用しているので、短いです。左前インシュレーターのバキュームゲージの配管ですが、途中のジョイントの上下で太さが違いいます。上下とも細い方が付いていました。
右側2気筒のキャブレターが浮いていました。また、ジョイントのゴムも方向が違いました。純正部品の場合は、ほとんどが、向きや裏表があるので、メーカー指定に従ってください。
ラジエター下のドレンコックですが、写真の状態は逆です。この状態だとサーモスタットを経由せずラジエターからポンプへの通路が開いています。Vバンク間にエンジンオイルが溜まっていますので、原因を後で特定します。リアブレーキキャリパーは、パッド抑え板が逆です。回転方向に押えた方が、ブレーキ使用時にパッドが動きにくいので、パッドがキャリパーに当たる音が防げます。
クーラントへのエンジンオイル混入は無いようですが、ポンプの穴からクーラント漏れです。エアクリーナーは、K&N製でした。
ダイヤフラムは、1番以外は、回転が見られました。ブリーザーホースは、バルブが装着されているようで、バンドが干渉して抜けていました。キャブレターのキャップが落ちていましたがあって助かりました。
キャブレターのスロットルワイヤーのステーが曲がっており、ワイヤーが擦れていました。スパークプラグは、NGK製JR8Cですが、締め付けが緩くガスケットがつぶれていなかったので、密封されず、燃焼室から未燃焼ガスが漏れていました。
バッテリーは秋月製でした。バッテリーは大丈夫そうですが、端子のボルトが純正以外の長いものが使用されており、ボルトが底付きし、ハーネスのプラス端子とマイナス端子が浮いていました。気をつけないと、突然の停止や、火が出る原因になります。リアフェンダーの取付けの際、メインハーネスを挟んでいますので、指定の位置に戻した方が良いです。
エンジン始動前と始動後(ヘッドライト消灯時)です。充電系は平気そうです。バキュームセンサーのパイプは、純正部品に戻しました。
Vバンク間のエンジンオイルですが、ブリーザーパイプが抜けていた件と、インシュレーターのボルトが違ったり、緩んでいたので、シリンダーヘッドのオイルラインから漏れていました。ボルトを正規の位置(2本だけ色が違い短いです)に戻し、2本だけ液状ガスケットを塗って戻しました。
キャブレターを外したら、連結に歪みがあり、水平が出ていませんでしたので、修正しました。ポンプのオーバーホールのためにクーラントを全量抜きました。ガスケットを剥ぐ際は、慎重に行わないと合わせ面に傷が入り漏れの原因になります。既に傷があったので、組み立て時に液状ガスケットでふさぎました。
ポンプを分解しましたが、過去の分解時に工具で傷がついていました。この辺りは、合わせ面や、水平が狂うと漏れの原因となるので、注意が必要です。漏れの原因はポンプのシャフトを止めているサークリップが塑性変形し、外れていましたので、メカニカルシールのテンションが下がりあたりが悪くなって漏れていました。サークリップは、左が新品で右が変形した部品です。サークリップ等は、弾性変形(元に戻る変形範囲)内で脱着しないと塑性変形(元に戻らない範囲)して外れてしまいます。
ポンプカバーが社外品で、ボルトもアルミ製でしたので、とりあえず純正ボルトで締付し、密着してから後で交換します。ただ、ドレンボルトの奥のボルトは、後で外れないので、途中で交換しました。お持込のイグニッションリレーキットも装着しました。
オーバー製のステムキットを中古でお持込でしたので、ステムベアリングを新品交換し、組み込みました。
点検と修理、車体増し締め、キャブレター調整及び同調を行ってから試乗です。エンジンオイル漏れや、クーラント漏れも平気そうです。
純正ボルトで密着させ、熱を入れてから、ボルトをアルミ製に戻しました。アルミ製なので、メーカー指定の締付トルクの8割以下しか掛けられないので、修理時は面倒です。
無事、納車になり、帰宅されましたので、安心しました。少し遠いですが、今後ともよろしくお願いいたします。
2017.09.30 作業担当 ヤダ(矢田)