4月後半から連休前半まで、作業が立て込んでおり、ブログを書いている時間がありませんでした。順番に書いていきます。
岐阜からご来店頂きました。コンディションレベルチェックパックAとスタータークラッチ交換でお預かりです。点検から始めます。
外装を外して目視点検からです。後期型純正のフロントフォークの場合、プラスチックキャップを外すとエアバルブがありますが、ここに水が溜まりやすく、錆びていた場合は、しばらくフォークオイルを交換していないケースがあります。また、今回は、エアバルブの当たり不良でエア抜けしていましたので、バルブを一旦外し組み直しです。エアバルブは、タイヤのバルブと同じ構造です。また、ワイズギア製のウインカーですがゴムのステーが折れており、水が侵入しています。
フロントフォークのオイル漏れは無いですが、クリップが若干錆びています。次回、フォークオイル交換時に、ダストシールとクリップは交換した方が良いです。
リアホイールのブレーキ側にカラーが入っていますが、向きが逆でした。この場合、カラーセンターの出っ張りでホイール側のベアリングのインナー部を押すので、逆だとベアリング全体を押してしまうこととオイルシールが当たりづらいので、水が入ります。
向きがある部品は、間違えると破損の原因になります。社外品のバックステップですが、この状態だとブレーキペダルを踏むとナットが上側に当たり、ストロークできませんので、リンク部を外側にした方が良いです。(改修済)
以前、マフラーを通販で加工されたとのことでしたが、キャブレターはそのままということでしたので、ジェット類の変更と調整&同調を行うことにしました。
パイロットスクリュー部に圧入栓が入ったままなので、圧入栓を抜き、調整後、ゴムキャップを入れました。キャブレターを外して、ジェット類交換中です。ドレンボルトのOリングは劣化していましたので、交換しました。
エアクリーナーは、純正ですが、汚れ劣化があるので、要交換です。ダイヤフラムは、回転も見られず、全開するので、平気そうです。
スパークプラグは、NGK製JR8Cですが、プラグキャップが純正でないため、錆が見られます。装着時は、できれば、ネジ部にグリス(焼付防止)を塗った方が良いです。ステムベアリングは、引っ掛かりがあるので、要交換です。
クーラントはエンジンオイルの混入は見られませんが、ラジエターキャップ下から漏れ跡があるので、Oリングを交換しました。
バッテリーは液式だったと思いうます。電圧及び容量は平気そうです。エンジン始動前と始動後(ヘッドライト消灯時)の電圧です。充電系は平気そうです。
ブレーキキャリパーは、要清掃です。パッドの残量はありました。
ブレーキ&クラッチフルードは、劣化していますので、要交換です。バッテリーの上のプレートの前側がフレームに刺さっていなかったので、修正しました。
スタータークラッチ交換のため、エンジンオイルを抜きました。オイルフィルターはご希望により交換です。ドレンボルトがヨシムラ製の油温センサーでしたが、配線の被膜が破れていたので、修正しました。紫外線で固まる接着剤というかパテみたいなものがあるので、今は便利です。
スタータークラッチ交換中です。
ヨシムラ製デジタルテンプメーターですが、バッテリー部で同時に電圧を測りましたが、ヨシムラ製メーターの方が若干電圧が高い表示です。
最初、予定していた作業が終わりましたので、試乗です。増し締め等を行っているので、ハンドル振れは改善していますが、ステムベアリングが引っ掛かるので、緩めにしてあり、ハンドル振れが完治していません。
オーナーに連絡し、ステムベアリング交換になりました。

ステムベアリング交換後に試乗です。道路外の安全な場所でテストしますが、手放し運転中にハンドル端を叩き、わざとハンドル振れを起こします。正常であれば、収束しますが、どこかがダメだと振れが続いたり、増幅します。今回は、想定内でしたが、振れが少し残りました。原因は、タイヤの摩耗です。
フロントはわかりにくいですが、左側の方が空気圧が高いです。
リアはわかりやすく、左側の空気圧が高い方がタイヤが尖って接地面積が少ないです。
一応、チェックで、タイヤの空気圧を規定値以上に入れ、あえて接地面をとがらせて再度試乗しました。接地面の形状が変わるので、この場合は、振れが収束しました。納車前に空気圧は規定値に戻しましたが、タイヤ交換を行えば、ハンドル振れは治まると思います。

作業を終了し、無事納車になりました。オーナーから無事岐阜のご自宅に到着されたとのことでした。遠距離自走の場合は、納車後、即高速走行&遠距離なので、いつも不具合がおきないか心配です。
2018.05.02 作業担当 ヤダ(矢田)