本日、午前中は天候が良かったのですが、だんだん曇ってきて、夕方からは、雨が降ったり止んだりです。明日は、振替定休日になります。
以前の勤務先で作業した車両で、しばらく触っていなかったので、コンディションレベルチェックパックAから始めます。外装を外し、エンジンオイル、ギアオイル交換中です。
各部点検していきます。バッテリー脱着時に、プレートの前側がフレームに差し込まれていません。この状態だと後ろ側のみボルト止めなので、振動し、配線に影響が出る場合があります。修正済みです。クーラントは、エンジンオイル混入や漏れ等はなさそうです。
スパークプラグは、NGK製JR8Cで、サビ等は無かったです。エアクリーナーは、K&N製でしたが、クリーナーのオイルがボックス内に垂れていました。塗りすぎると吸気効率が悪くなり、垂れたオイルがボックス内にたまります。
キャブレターのダイヤフラムは回転や作動不良はなさそうです。バッテリーを点検しましたが、端子が両方とも少し緩んでいました。
秋月電子扱いのバッテリーですが、少し補充電しました。新品時と比べると少し劣化があります。
エンジン始動前と始動後(ヘッドライト消灯時)の電圧です。充電系は平気そうです。
トップカバーのグロメットですが、左側が、違うものが付いていたので、交換しました。クラッチフルードは、交換から少したっているようで変色が始まっていました。
フロント&リアブレーキフルードは、変色はあまり見られません。
フロントブレーキは、社外品のブレンボです。パッド残量は大丈夫です。
リアブレーキで、パッドは、デイトナ製のようで残量はありました。パッド抑え板が逆向きでしたので、修正しました。パッド抑え板は、ローターの回転方向にパッドをキャリパーに押し付けておき、ブレーキ作動時にパッドがキャリパーに当たって音が出ないようにしています。また、音が出るということは、パッドがキャリパーに衝突し、パッド裏板が鉄製のため、アルミ製のキャリパーに打痕ができ、パッド裏板の左右の作動に影響が出ます。基本的に純正部品は、装着されている意味や目的がありますので、取り外してしまう場合や、整備の際は、メリットとデメリットを考えた方が良いと思います。
電動ファンのサーモスイッチですが、カワサキ用に交換されているので、冷却水温度が98℃で作動します。また、作動後は、10℃ほど低下しないと停止しませんので、夏場等は電動ファンの作動時間が長くなります。冷却水の適正温度は、大体80~100℃に設定されていることが多いので、純正のスイッチは、110℃弱で作動し、100℃弱で停止することになってます。旧型Vmaxの場合は、サーモスイッチがラジエターの入り口にあり、カワサキ製のスイッチの場合は、ラジエターの出口にあるため、設定水温がほぼ同じでも測定値が違うため、作動温度が違います。低い冷却水温度から電動ファンを回したい場合は、強制ファンスイッチを装着した方がバッテリーへの負担が少ないです。
フロントフォークオイルの交換中です。ダストシールはひび割れが発生していたので、交換です。オイルシールは漏れは無かったので、そのままですが、若干水が入った形跡があったので、クリップ等は、グリスアップしてあります。
最終チェックと試乗です。今回は、車体増し締めと純正キャブレターの調整と同調も行っています。車体等は問題が無かったのですが、装着されているタイヤがアメリカン用で、速度レンジもHレンジで低かったこと(速度レンジは、タイヤ自体の構造に関係します)、タイヤサイズがリムに比べて太く装着時の丸みが大きい、また、タイヤパターンの変形時に接地面が移動すること等もあり、ハンドルの振れが発生していると思われます。また、空気圧も低かったので、余計に影響が出ます。空気圧が低いと、接地面積が大きくなり、タイヤの変形度合いも大きいです。旧型Vmaxは、タイヤサイズがアメリカン用ですが、車重が重いため、タイヤ選択時に注意が必要です。車体や足回りに注意を払っても、最終的に地面と接触しているのは、タイヤなので、タイヤは重要です。サイズが同じでも、装着を想定している車種(車重と出力)に注意してタイヤの種類を選ばないと操縦性に影響が出ます。点検後、無事納車になりました。
2018.09.17 作業担当 ヤダ(矢田)