12月に入り、今年も残り少なくなりましたが、頼まれた仕事がなかなか進まず、今月お預かりできない仕事は、来年1月に繰越になってきています。最近、車とバイクの旧車というか中古車でタマ数が無いとか希少価値なのか価格がかなり上がっており、機械としての状態のみでの価値を考えると、価格のほとんどがプレミア分になってきていると思います。中古車を買っても高い割に状態が悪く、購入後の整備や修理が必要になる車両が多いように思います。
コンディションレベルチェックパックでお預かりです。中古車購入ですが、燃費が悪すぎることもあり、現状把握のため点検です。外装を外して点検からです。グラブバーの後ろにバッグが付いていますが、この状態だと純正リフレクターが見えないので、後部リフレクター(赤)が無いものとみなされ、整備不良と判断される場合がありますので、バッグを移動するか、ナンバー下にリフレクターを追加した方が良いです。色々なカスタムパーツがあり、法律上問題がなければ、車検には通りますが、一般公道を走る場合は、自分の存在や、進行する方向、ブレーキの状態について、周りが認識しにくいカスタムは要注意です。
バッテリー周りの配線の収まりが悪いので、修正です。左ハンドルスイッチをスーパースポーツ系の部品に交換してありましたが、ヘッドライトが点灯していませんでした。ディマスイッチ(ハイロー切替)を見るとやはりハイビームのオンオフスイッチになっており、ロービームの配線がありませんでした。もともとヘッドライト自体の電源もつながっていませんでしたが、高年式で、ロービームが点灯したままの車両の部品は、基本的にそのまま使えないことが多いです。
バッテリーは、MFタイプで、電圧、容量とも平気そうでした。
エンジン始動前と始動後(ヘッドライト消灯時)の電圧です。充電系は平気そうです。
ウォーターポンプの下の穴からエンジンオイルが滲んでいます。サーモスタート部の切り替えですが、オンのままなので、最初からラジエターが作動しています。
クーラントの交換時期は不明です。クーラントにエンジンオイルの混入は無いようです。
左側のミドル部クランクケースカバーの裏側からエンジンオイルが滲んでいます。始動前のエンジンオイル量です。規定量よりは少し少なめです。
エアクリーナーは、ヤマハ純正ですが、劣化しているので要交換です。キャブレターのダイヤフラムは回転や作動不良は無いので、平気そうです。
スパークプラグは、NGK製JR8Cですが、キャブレター不調で、焼け方が揃っていません。点火火花は規定以上飛ぶので、平気そうです。
前後タイヤは、溝はありますが、製造日が5年以上前なので、固くなっており要交換です。
以前、リアサスが交換されていた形跡があり、年式不明の純正リアサスです。右側が表裏反対です。
クラッチとフロントブレーキは、マスターとホースを交換したばかりなので、フルードは新品です。
リアブレーキフルードは、交換時期不明です。ガソリンタンクは、錆びています。
フロントフォークは、固めなので、スプリングが交換されているようです。オイルは漏れていませんが、シール部のクリップが錆びています。
ダストシールは、ヒビ割れているので、要交換です。
パッドの残量はありますが、フロント、リアとも要清掃です。
エンジンガードですが、純正オプションらしいですが、取付ボルトが違います。また、ガード自体が頑丈なのと取付部分の選択もあり、立ちごけレベルでは、問題無さそうですが、走行時に転倒するとフレーム側をひねりますので、お勧めはしておりません。
最終チェックと試乗です。一応各部作動していますが、バランスが悪いので乗りづらいです。各部バランスを取るように部品を交換していくか、合わない部分を純正部品に戻すかした方が乗りやすいと思います。キャブレターについては、状態が良くないので、別にキャブレターを購入した方が良いと思います。
2021.12.10 作業担当 ヤダ(矢田)