旧型Vmaxのキャブレターオーバーホールは、これまでに、結構な数を行なっています。中古車で購入した場合で、過去に分解された形跡がある場合は、組み立ての具合が良くない場合が多いです。

とりあえずバラバラに分解しますが、新品に部品を交換しない場合は、清掃して、元のボディに組みつけます。中古の場合は、部品同士の当りがあるので、基本的に元通りにしています。

ボディの穴に関しては、清掃し、全て貫通させます。

写真真ん中と下左側の穴は、パージジェットに繋がる穴で、ダイヤフラムの内側、外側に溜まったガソリンを吸い込ませ燃焼させています。ここが詰まっていると、ガソリンが吸い込まれず、特に左側2気筒は、サイドスタンドで下向きになるので、ガソリンが溜まりやすく、ガソリンで、ダイヤフラムが劣化する場合があります。貫通していると、チョーク系の穴に出ます。

バラバラにしないと清掃できませんが、エンリッチャーも要点検です。

左が新品、右が組まれていた部品です。交換しました。

ダウンドラフトタイプのキャブレターで、通路が90度曲がるので、ジェットブロックがあります。左からスロージェットの穴、真ん中がメイン系、右がチョーク系です。ゴムキャップもヘタっていたら交換です。スロージェットの穴とメイン系の穴は、ゴムキャップで塞ぎます。つまり、写真中央のメインジェットが元栓で、ここを通過したガソリンがスロージェットに行きますので、メインジェットと、スロージェットは、水道の元栓と蛇口の関係になります。この辺りが普通のキャブと違い、メインジェットの番手を上げると、同時にスロー系も濃くなってしまいます。また、ゴムキャップがダメになっていて、スロー系統に下からガソリンが入ってしまうとセッティングが狂ってしまいます。

フルパワー仕様の逆車に入っているスロージェットです。国内仕様と逆車最終型は、形が違うものが入っています。次ぎの記事を参照して下さい。

パイロットスクリューも点検と掃除が必要です。キャブレター内部の部品は、精度が必要な部品ですので、汚れが付着しても不調になります。

組み立て時は、4気筒の油面をあわせることと、4個のキャブレターボディの水平に注意が必要です。まず、2個ずつで水平を出して組みつけ、次に左右のセットを連結します。

新車については、水平が出ていますが、分解した形跡があると、大体、ずれています。水平が出ていないと、リンク機構もあるので、同調が取れません。キャブレターボディの水平が出ていない状態で、アイドリング付近で同調を行っても、アクセルを開けていくと、同調がずれるので、スムーズに回転の上昇下降が行かなくなり、特に低回転で走りにくいです。