もうかれこれ7年程前になるだろうか、週末の夕方はソムリエ・田崎真也が出演していたTV東京系の『わいん好き!!』を欠かさず観ていた。この番組が面白かったのは、ゲストの好きな食材だけでなく時には苦手な食材をもまず調理法によって変身させ、かつそれに選りすぐりのワインを合わせることで、意表を突きながらも一層美味しく召し上がってもらうという趣向にあった。
こうしてみると、ワインはそれ単独で楽しむというよりは、料理と一緒に口に含んで醸し出される味わいを堪能する飲み物であるようだ。対して紅茶の喫し方は、その繊細な風味の液体だけを喉に流し込んでゆっくり味わうのが一番なのではないだろうか。
だがこの考えは、最近買った紅茶によって「素人の浅知恵」として一気に突き崩されてしまった。先月横浜で友人の結婚式に出席した帰り、クイーンズスクエアの紅茶専門店【ル・サロン・ド・ニナス】にお土産を買うために立ち寄り、一つ一つの茶葉の香りを嗅がせてもらった。フランス直輸入のフレーヴァー・ティーということもあってか、かなり香りがきついものが多かった中、爽やかな風味が気に入って購入したのが、ルイボスティーにオレンジピールとオレンジの花、ひまわりの花をブレンドした「リオン(獅子座)」。
帰宅して早速一杯淹れた。「うわぁ~、ちょっとキツイなぁ…。」まるで芳香剤のような香りの強さである。しかし、引出物の福砂屋のカステラと食べるとこれがお互いを引き立て合って、抜群に美味しい。カステラが無くなる頃には、お茶そのものの味にもすっかり慣れた。
どうせだから他のオレンジ風味の紅茶とも飲み比べしてみたいと思って、小淵沢の紅茶専門店2件を訪ね、【ラティス】で「みかん」のフレーヴァー・ティーを買い求めた。
家で一口飲んで、なるほどこれはまさしくみかんだ、と納得した。昔懐かしい温州みかんの香りと味がほんのり控えめに感じられる。グイグイ自分を押し出していく“百獣の王”リオンとは打って変わって、とても和風な佇まいの紅茶。これはお茶だけで味わいたいかな。以来くる日もくる日も「みかん」を淹れ、ちょいとリオンにはご無沙汰。こういう味にほっこりしてしまうのは、やっぱり日本人だからなんだろうなぁと、つくづく感じ入っている今日この頃である。
★今回はラティスの「みかん」に合わせて、大貫妙子の『note』を選盤しました。押し付けがましくなくサラリと聴けるサウンドは、「みかん」の味にピッタリです。そう言えばジャケットも、ほんのりみかん色ですね(笑)。
こうしてみると、ワインはそれ単独で楽しむというよりは、料理と一緒に口に含んで醸し出される味わいを堪能する飲み物であるようだ。対して紅茶の喫し方は、その繊細な風味の液体だけを喉に流し込んでゆっくり味わうのが一番なのではないだろうか。
だがこの考えは、最近買った紅茶によって「素人の浅知恵」として一気に突き崩されてしまった。先月横浜で友人の結婚式に出席した帰り、クイーンズスクエアの紅茶専門店【ル・サロン・ド・ニナス】にお土産を買うために立ち寄り、一つ一つの茶葉の香りを嗅がせてもらった。フランス直輸入のフレーヴァー・ティーということもあってか、かなり香りがきついものが多かった中、爽やかな風味が気に入って購入したのが、ルイボスティーにオレンジピールとオレンジの花、ひまわりの花をブレンドした「リオン(獅子座)」。
帰宅して早速一杯淹れた。「うわぁ~、ちょっとキツイなぁ…。」まるで芳香剤のような香りの強さである。しかし、引出物の福砂屋のカステラと食べるとこれがお互いを引き立て合って、抜群に美味しい。カステラが無くなる頃には、お茶そのものの味にもすっかり慣れた。
どうせだから他のオレンジ風味の紅茶とも飲み比べしてみたいと思って、小淵沢の紅茶専門店2件を訪ね、【ラティス】で「みかん」のフレーヴァー・ティーを買い求めた。
家で一口飲んで、なるほどこれはまさしくみかんだ、と納得した。昔懐かしい温州みかんの香りと味がほんのり控えめに感じられる。グイグイ自分を押し出していく“百獣の王”リオンとは打って変わって、とても和風な佇まいの紅茶。これはお茶だけで味わいたいかな。以来くる日もくる日も「みかん」を淹れ、ちょいとリオンにはご無沙汰。こういう味にほっこりしてしまうのは、やっぱり日本人だからなんだろうなぁと、つくづく感じ入っている今日この頃である。
★今回はラティスの「みかん」に合わせて、大貫妙子の『note』を選盤しました。押し付けがましくなくサラリと聴けるサウンドは、「みかん」の味にピッタリです。そう言えばジャケットも、ほんのりみかん色ですね(笑)。