水の門

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歌集『カインの祈り』

澤本佳歩歌集『カインの祈り』
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初秋・十首

2010年09月26日 15時53分08秒 | 投稿歌
来月十日締め切り分の歌稿をまとめました。明日 投函します。
今回は一年ぶりに七首を超える歌を用意。というのも、結社の先生に障害者文化展での受賞を報告したら、お祝いの返信に「十首以上投稿するよう努力してください」とやんわり苦言が添えられていたからです。
七首どまりに慣れてしまった身には、十首のハードルはとてつもなく高く、ご覧のように箸にも棒にも引っかからないシロモノも紛れ込んでしまっています(汗)。
結社誌への選にもれた歌がどうすれば一応の形になるのか知っておきたいので、久しぶりに添削をお願いする用紙と返信用封筒も同封しました。母は結社はもう辞めたと信じているので、これも痛し痒しなんですがね…。


音のみの雷(らい)始まればパソコンを落としてドラムロールに聞き入る

病院で飼われる鈴虫鳴きしきり待合ホールの吹抜け満たす

補聴器を付けた翁が虫箱に寄りて鈴虫しげしげ眺む

唇の切れ目にリップクリームの染みて感じる秋の訪れ

一面を覆い尽くせる蕎麦の花撫で吹く風が車窓より入る

ペンションの二重の窓を越えて来る冷気に厚き布団をかぶる

クラクションが朝から断続して響く 連休最後の児らの遊びか

冷え込むと予報に長袖出してきてアイロン掛けに汗ばむ秋分

作業所の南瓜を貰いて帰り来る重みに幾度も持つ手を換えて

秋分を過ぎた明け方足元の冷えに寝覚めて湯たんぽをする


(2010年10月10日締め切り分、『樹海』2010年12月号掲載予定)
コメント (2)
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