水の門

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歌集『カインの祈り』

澤本佳歩歌集『カインの祈り』
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アドヴェント2011(3)…『マーガレットとクリスマスのおくりもの』

2011年12月11日 05時22分02秒 | クリスマスに寄せて
アドヴェント(待降節)も三週目。これまでいかにも教会にまつわるという風な絵本が続きましたので、今日はクリスチャンでない方にも親しみをもって読めるお話を選びました。植田真・作の『マーガレットとクリスマスのおくりもの』です。
マーガレットは、クリスマスが近くなると木の実やきれいな葉っぱを見つけてきて近所の人にあげていました。でも、大人たちは構ってくれません。「私が本物のサンタクロースになれば、みんな喜んで貰ってくれるんだわ…」そう思ったマーガレットはサンタになれるよう毎晩祈り続けました。クリスマスイヴの朝、マーガレットをくるみ割り人形のルディが迎えに来ます。「クリスマスプレゼントを配るでごす!」。(セーター?宝石?人形?お菓子?…)しかし袋の中は、自分のいつもあげていたプレゼントと代わり映えしないものばかり。マーガレットはがっかりしますが、ルディに宥められて 鳥にまたがって大空に飛び立ちます。
まず、森で木の実を蒔きました。するとリス達が集まって頬張ります。湖のほとりでは、根っこのついた花を植えました。すかさずミツバチがやって来ます。最後に空から色とりどりの葉っぱを蒔きます。そこへ水辺の野鳥が現れ、冬の間に卵を温める巣作りのため、葉っぱを持って行きました。うっとりと葉っぱが舞い落ちるのを見つめていたマーガレットは、気がつくと尻もちと共に自分の家の前に戻っていました。(自分がいつもあげていたプレゼントを喜んでくれている動物達もいたんだなぁ…。)一晩ぐっすりと休んだマーガレットには、意外なプレゼントが届いていました…。
マーガレットの贈り物は大人には鼻であしらいたくなるようなものだったかもしれません。福音書には、イエスが5000人の群衆に説教した後、お腹を空かせた彼らのために弟子達に「食べる物を与えなさい」と命じるシーンがあります。「パン五つと魚二匹しかありません」と困惑する弟子達に あるだけの物を持って来させ、イエスが祈ってそれらを裂き与えると、すべての人が満腹したと書いてあります。(マタイによる福音書14章13節~21節)
自分の手にあるものは確かに取るに足らないものかもしれません。しかし、それを喜んで受け取ってくれる方もいるということをこの絵本は教えてくれているようです。神様は 私達の持っているものを増し加えるだけでなく、誰にそれを渡したらいいかもそっと示してくれる方です。あなたは今年、誰のサンタさんになってあげますか?

今週ご紹介するクリスマス・アルバムは、アイリッシュハープとギターによるデュオ tico moonの『Christmas Album』。植田真さんの繊細な絵と、いじらしい主人公の気持ちに 寄り添うように沁み入るサウンドです。
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