水の門

体内をながれるもの。ことば。音楽。飲みもの。スピリット。

歌集『カインの祈り』

澤本佳歩歌集『カインの祈り』
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ヴァイオリン&リコーダー コンサート@韮崎教会

2013年12月08日 14時00分33秒 | ライヴに寄せて
昨日は、韮崎教会で ヴァイオリンとリコーダー(およびヴィオラ・ダ・ガンバ)の奏者をお招きしての クリスマスコンサートがありました。
今回お呼びしたヴァイオリニストの遠藤記代子さんは私が大学生の頃に知り合った方。当時は気安く接していましたが、その後 留学などもされて、今は海外での演奏活動などにも出掛けられて大活躍中です。韮崎教会では、過去に3回のチャペルコンサートを行ってきましたが、そのアンケートのたびに「ヴァイオリンの演奏が聴きたい」というご希望を沢山いただいていました。それで、彼女に連絡を取ってみたわけです。私が山梨に移り住んできたこともあって、記代子さんとは長らく音信不通になっていたのですが、昨今のSNSのネットワークの力は凄まじいですね!メッセージを送ってものの一時間と経たないうちに彼女から返信が来て、お互いの携帯のメールアドレスを交換しました。彼女から、長年デュオを組んでいるリコーダーの星典子さんにお声をかけていただいて、今回のコンサートが実現しました。
記代子さんと実際に言葉を交すのは十数年ぶりです。当日は、緊張からでしょう、まだ明け方にもならないうちに目覚めて、書き物などしていました。彼女のネット上の近影などでは、学生時代に比べグッと垢抜けて見えましたから、久しぶりのご対面はドキドキものでした。開演の2時間ほど前に韮崎駅にお越しになるということでお迎えに上がりましたが、私の姿を見つけた彼女はパッと手を振ってくれました。変わらぬ親しみやすさにホッとしました。
教会に着くと、彼女達はチャペルに入ってすぐ音出しをし、オルガンの方と音合わせに。準備のために早く来ていた委員会のメンバーは、チャペルの扉を隔てて ロビーで「ヴァイオリン、いいね!」「温かい音だね」「アルトリコーダーであんなに音を綺麗に響かせるのって難しいんだよね」など口々に話していました。
本番は、「ひさしくまちにし」で厳かに幕開け。続くヴァン・エイクの讃美歌変奏曲「詩編118編」のリコーダー・ソロでは、透き通ったリコーダーの音色が会堂に伸びやかに響き渡り、会場中がうっとり。「みつかいうたいて」という讃美歌としても知られるトラディショナル「グリーンスリーヴス」は、一曲の中に躍動感と静謐さを兼ね備えた変曲が施されていました。(終演後、教会員さんで「グリーンスリーヴス」が大好きだという方が、興奮気味に褒めちぎっていたのが印象的でした。)
後半は、バッハで固めたプログラムが披露されました。バッハの〔無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ〕から「ロンド形式のガボット」が聴けたのには感無量。艶やかで華のある演奏に聴き惚れました。「主よ人の望みのよろこびを」では、教会のオルガニストのGさんも加わってくださり大団円。
その後、三曲ほどクリスマス讃美歌をみんなで一緒に歌いました。ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバ、オルガンという贅沢な伴奏に乗っかって歌うのは、とても心地良かったです。
讃美歌の後、案の定 アンコールを求める手拍子が始まって、その場を取りなすのにちょっと苦労しました(苦笑)。でも確かに、もっと聴きたいという皆さんのお気持ちは、私も同じでした。

          *       *       *
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ヴァイオリンの遠藤記代子さんが最近、本を出版されました。

『遠藤記代子の かっこいい!ヴァイオリン ベーシックスタディ [基礎編]』という本で、彼女が音楽教室で指導している【ヴァイオリン体操】について、分かりやすいイラストをふんだんに使って解説されています。
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アドヴェント2013(2)…『さやかに星はきらめき』

2013年12月08日 04時14分05秒 | クリスマスに寄せて
アドヴェントも2週目に入りました。今週は、遠藤周作や椎名麟三といった小説家や、阪田寛夫ら詩人、大学教授、牧師など20人によるクリスマス・エッセイ集『さやかに星はきらめき』を取り上げましょう。この本は、クリスマスと言うと想起されるステレオタイプの心温まる物語とはひと味違い、クリスマスにまつわる辛い思い出や、イエス様の誕生に伴って起こった悲しい出来事にも触れ、深く考えるきっかけを与えてくれる本です。今日はその中から、大学教員で詩人の森田進の書いた「子どもとクリスマス」について少しご紹介します。
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森田氏は、未熟児で生まれた双子の次男と三男を一日も経たぬうちに亡くされました。生き残ってしまった親という運命をどう生きて良いか分からず煩悶し、一種の自己破壊をその後数年つづけることになったそうです。そのうち森田氏は、神の子イエスの生誕がベツレヘムの多くの嬰児の虐殺を背景に抱えていたことに思いを凝らすようになったと語っています。その上で彼は、イエスが聖書のあちこちで子どもを死から甦らせるのに熱心であったのは、自身の生誕にまつわる悲劇と無関係ではないと説きます。神の子の誕生を恐れたヘロデ王の命令で多くの幼子が犠牲になったという悲惨な事実を引きずってイエスは成長したであろうと述べ、こう記します。「いわば夥(おびただ)しい血と引き換えに生を与えられたという重苦しい負い目から、イエスは当然自由にはなれなかったはずだ」。
さらに、父ヨセフがイエスの12歳の過越祭以降 聖書に登場しないことに触れ、イエスが母子家庭で育ったのではないかと推測し、それだけでなくイエスの兄弟姉妹が必ずしもイエスを信じていなかったらしいことからも、神の子としての道を歩まざるを得なかったイエスの激しい孤独の痛みを推し量っています。
出生の重さ、家庭的な不幸、神の子としての孤独を充分噛み締めていたイエスだったからこそ、民衆が囚われている悲しみを自分のこととして引き受けられたのだと結論づけて、イエスが常に弱い立場の者の側に立っていたことを語ります。ルカによる福音書7章12節以下で、一人息子の死に嘆く寡婦に「もう泣かなくともよい」と言って、息子を生き返らせるイエスの姿に見られるように。
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真摯なエッセイが連ねられたこの本と共にご紹介するクリスマスアルバムは、ブライアン・カルバートソンの『A Soulful Christmas』。心の深いところから揺り動かすようなサウンドをお楽しみください。
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