アドヴェントも3週目になりました。今週は、パール・バックの『わが心のクリスマス』をご紹介します。彼女の両親は海外宣教師の任に当たっており、パールは多感な頃までを中国で過ごしたそうです。この本には、実生活から生まれた物語と共に、創作も収録されています。そんな中から今日ピックアップするのは、「新しいクリスマス」という一篇です。
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メアリー・バーナットには5人の子供がいました。会社の景気が芳しくない夫のアダムに「今年のクリスマスは節約してくれよ」と言われ思い悩んでいたある日、買い物の後に置きっぱなしにした財布をめぐって子供達にちょっとした諍いが起こります。長子のルースが財布を見つけた人にチェリータルトをあげると約束すると、弟のジミーがもごもごと白状しました。釣り銭がきちんとあることを確認したルースに、「タルトは僕のだね」とジミーが嬉しそうな声を上げました。しかし兄のブルックや次女のペニーが現金なジミーをたしなめます。けれど約束は約束だと、ルースはジミーにタルトをあげました。決りの悪くなったジミーは、みんなに一口ずつタルトを分けました。
口を出さずに成り行きを見守っていたバーナット夫人は子供達の成長ぶりに目を細め、一件落着したところでその場へ入り、今年は家計が苦しいことを伝えて、新しいクリスマスを考えてみないかと提案しました。子供達は最初、「サンタクロース」「光り輝くクリスマスツリー」「七面鳥やプラムプディング」「新しいオーバー」…口々に欲しいものを挙げました。メアリーは微笑みながらも間をおいて、何をもらえるかではなく自分のできることで何をしてあげられるか考えてみて、と促します。ブルックはトムソンさんのおばあさんの所の雪掻きを、ルースは母の代わりにアイロン掛けを、ジミーは靴など隠しものをするのを止めると約束し、ペニーはジャクソンさん家の赤ちゃんのお守りを、ジャックは犬の餌やりや水あげを申し出ました。
帰宅したアダムはこの新しいクリスマスの約束についてメアリーから聞き、とても喜びました。そして、子供達を尊重して信じると話すメアリーに「それが君からの贈り物だね」と言いました。
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今週は、スウェーデンで活躍するザ・リアル・グループの『Real Christmas』を選びました。風塵の中にきらきら光る結晶のようなストーリーによく合う、澄み切ったコーラスが身上です。
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メアリー・バーナットには5人の子供がいました。会社の景気が芳しくない夫のアダムに「今年のクリスマスは節約してくれよ」と言われ思い悩んでいたある日、買い物の後に置きっぱなしにした財布をめぐって子供達にちょっとした諍いが起こります。長子のルースが財布を見つけた人にチェリータルトをあげると約束すると、弟のジミーがもごもごと白状しました。釣り銭がきちんとあることを確認したルースに、「タルトは僕のだね」とジミーが嬉しそうな声を上げました。しかし兄のブルックや次女のペニーが現金なジミーをたしなめます。けれど約束は約束だと、ルースはジミーにタルトをあげました。決りの悪くなったジミーは、みんなに一口ずつタルトを分けました。
口を出さずに成り行きを見守っていたバーナット夫人は子供達の成長ぶりに目を細め、一件落着したところでその場へ入り、今年は家計が苦しいことを伝えて、新しいクリスマスを考えてみないかと提案しました。子供達は最初、「サンタクロース」「光り輝くクリスマスツリー」「七面鳥やプラムプディング」「新しいオーバー」…口々に欲しいものを挙げました。メアリーは微笑みながらも間をおいて、何をもらえるかではなく自分のできることで何をしてあげられるか考えてみて、と促します。ブルックはトムソンさんのおばあさんの所の雪掻きを、ルースは母の代わりにアイロン掛けを、ジミーは靴など隠しものをするのを止めると約束し、ペニーはジャクソンさん家の赤ちゃんのお守りを、ジャックは犬の餌やりや水あげを申し出ました。
帰宅したアダムはこの新しいクリスマスの約束についてメアリーから聞き、とても喜びました。そして、子供達を尊重して信じると話すメアリーに「それが君からの贈り物だね」と言いました。
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今週は、スウェーデンで活躍するザ・リアル・グループの『Real Christmas』を選びました。風塵の中にきらきら光る結晶のようなストーリーによく合う、澄み切ったコーラスが身上です。