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日本に戻り、晴耕雨読の日々を綴ります

「なぜ日本人は選挙に行かないのか」No.1576

2016-01-26 19:22:33 | 日本事情

図(2014年の衆院選における自民党獲得票数と棄権者数の比較) 出典:数値は総務省集計データ通りだが、図自体の出典は不明

(上の表は、2014年の衆院選における自民党獲得票数と棄権者数の比較) 出典:数値は総務省集計データ通りだが、図自体の出典は不明

こんな有様なのに、と言うか、

こんな有様だから、自民党は組織票だけで圧倒的議席を確保しました。

「熱狂なき圧勝」と誰かが言った通りです。

52.66%の投票率は戦後最低です。

「自分が投票しても政治は良くならない」

「政治に関心がない」

「天気が悪かった」

「仕事で忙しい」

「投票所が遠い」

など、政治は自分じゃない誰かがしてくれるという前提で

投票権を放棄しているのがひしひしと感じられます。


図(国政選挙での棄権理由) 出典:(財)明るい選挙推進協会

(国政選挙での棄権理由) 出典:(財)明るい選挙推進協会H25年調査

 

選挙権は70年前から基本的に20歳以上の全ての国民に与えられています。

当たり前の権利になっていますが、この普通選挙権が公布されるまで、

選挙する権利は高額納税者の男性だけの特権だった時代や、

25歳以上の男性すべて(と言っても人口の2割程度)に与えられた

普通選挙法実施(1925年)の時代がありました。

アベさんはこの選挙権についてはアメリカによって押し付けられたと言っていませんが、

戦後1945年、これもGHQの指導の下で全ての20歳以上の男女国民に

投票権が与えられたという歴史的経緯があります。

1946年衆議院選挙の平均投票率は72.08%だったのですが、

50%台に落ち込んだのが

1996年、小選挙区制が実施された年からです。

 

しかし、こんなに投票率が低い国は日本だけでしょうか。

諸外国はどうなっているんでしょう。

 

「民主主義・選挙支援国際研究所(IDEA)が公表する、

各国の国政選挙の投票率データによれば、

アメリカ 59.32%(2012年)

イギリス 65.77%(2010年)

ドイツ 71.55%(2013年)

フランス 55.40%(2012年)

イタリア 75.19%(2013年)

フランスとアメリカは日本よりちょっとマシな程度ですね。

イタリアが75%もあるのは、罰則こそありませんが義務投票制だからだそうです。

 

義務投票制でも「投票に行かなければ罰金か入獄」という制度を取り入れている国は、

オーストラリア 93.23%(2013年)……罰金

シンガポール 93.18%(2011年)……選挙人名簿からの抹消

ベルギー 89.37%(2014年)……罰金・選挙権制限

キプロス 78.70%(2011年)……罰金・入獄

フィジー 84.60%(2014年)……罰金・入獄

やっぱり、ダントツ投票率は上がりますね。

キプロスやフィジーなんか入獄ですよ。

それでも行かない人も少しはいるんですねえ。

 

ところで、義務投票制ではないのに投票率が高い国々があります。

北欧の国々です。

スウェーデン 83.33%(2014年)

デンマーク 87.74%(2011年)

ノルウェー 78.23%(2013年)

フィンランド 67.37%(2011年)

北欧諸国は教育でも福祉でも充実していると聞きますが、

このように国民が積極的に政治に参加しているからなのでしょうね。

 

また、とんでもない高投票率を記録していたのが、

ラオスの99.69%(2011年)

ベトナムの99.51%

ルワンダの98.80%(2013年)

いずれも義務投票制ではありません。すごいですね。

これらの国の人たちに「どうして?」と聞いてみたいです。

やはり、国をよくしたいからでしょうけどね。

 

最後に、このポスターを。

(まさにその通り!)と私は思います。 

  青木宇一郎さんの写真
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6 コメント

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在外選挙制度 (名もなき)
2016-01-27 06:37:40
貴殿は在外選挙制度を利用されているのでしょうか。
返信する
中国の選挙は? (やまもとたろう)
2016-01-27 23:30:18
中国の投票率は何%ですか?
返信する
名もなきさんへ (ブルーはーと)
2016-01-28 15:32:16
名もなきさん
2010年から2014年まで私は6月末~8月末(夏休み)・12月末~2月末(冬休み)の帰省期間が国政選挙と重なることがあり、2014年7月初めから2015年8月末まではずっと日本に居ましたので、選挙に行けなかったのは、2012年12月の自民圧勝の衆院選だけだったと記憶しています。
今回7月の参院選はものすごくビミョウです。
投票日が7月10日前だと私は帰って来られないかも知れません。何しろブラック大学、長期間勤務を強いるところなのです。
そこで在外選挙を申し込もうと思って調べてみたのですが、もし、中国での投票申し込みをした場合、直前に「やっぱり日本でします」は通用しないようです。投票日が7月後半になった場合、私はいつ日本に帰って来られるかが気になるところです。
しかし、申し込むならここ1週間以内にした方がいいだろうと考え、焦っているところです。
シアトルの友人も現住所が向こうにあるので、「4月からずっと日本に滞在しようと思っていたけど、一旦投票のためにアメリカに帰らなければならなくなった」と言っていました。海外でも選挙ができるとは言え、行ったり来たりしている者にはいろいろ不便さがあります。
2012年12月の選挙では、私は江西省南昌市にいて一学期の授業期間でした。もし、選挙をするなら飛行機で上海まで飛び、手続きして投票するには土日を除く2日間は見るか、夜行の汽車で帰らなければならず、お金&時間&疲労と一票を天秤にかけました。まさに、「投票所が遠」かったのです。
ところで、名もなきさん、せっかく名前が連体形なのでおせっかいかとは思いますが「名もなき謙譲人」とか「名もなき恥ずかしがり屋」とか「名もなき市井の人」とか、名詞を後ろにお付けになってはいかがですか。すわりが良いと思い、ご提案します。ご検討をよろしく。

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中国の選挙 (ブルーはーと)
2016-01-28 15:44:22
やまもとたろうさん、
中国で、私の周りの人たちが選挙の話題で盛り上がることは今まで全くありませんでした。選挙権がある学生も、「いつ選挙があるか気がつかないし、気がついても誰が誰だかさっぱり分からない。候補者の公約など詳しい政治姿勢をアピールする資料はくれない。確かに政治政党はいくつかあるが、どうせ中国共産党が選ばれるに決まっている」と、何人かが言っていました。
そして、秘密保護法がバッチリ機能していて、正確な投票率が発表されるなどと、誰も信じていません。このままいけば日本の近未来もこのの姿ですね。
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そうかもしれませんね (やまもとたろう)
2016-01-28 23:43:07
>そして、秘密保護法がバッチリ機能していて、正確な投票率が発表されるなどと、誰も信じていません。このままいけば日本の近未来もこのの姿ですね。

そうかもしれませんね。もし日本が共産党政権になったらそうなるでしょう。中国も他国の様に国民が自由に政治家を選べる日が来るといいですね。そうなれば好きな様におかしな政府批判で盛り上がる事も出来るし、日本のように。
返信する
共産党支持者として (天空)
2016-01-29 14:04:21
共産党支持者としては、自分の選挙区で共産党の候補者がいなくなることです。野党統一候補という名のもとに、共産党候補がいなくなると、投票する人がいなくなって、白票を投じるしかないのですね。共産党の候補者が、野党統一候補になってほしいなあと思っています。
返信する

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