日々ふさおまき

走って跳んで歩いてます。

王義之

2013-02-24 23:31:16 | ふさおまき(メス)日記

永和九年 歳在癸丑 会場中に渦巻くこの文字!

蘭亭序です。ワタクシの理解を遙かに超えた、(隷書LOVE)

行書成立期、中原から南への移動した東晋貴族が書いたもの。

今回、これを機会に王義士を美学的に解釈するため、イヤホンガイドとともに、鑑賞に挑むことにしました。

が、途中から、頭は、蘭亭序を大事にしてきた皇帝に興味が移り、

唐の太宗(西安でお墓みたな)、北宋の徽宗(ウズラ図みたいな)、清の乾隆帝(故宮でさんきどうみたな)と、

すっかり、書を鑑賞する態度ではなくなってました。眠の万歴帝だって出てくるのよ。楽しい~。

でも、やっぱり、わかんないままです。


梅な散歩で 本郷湯島上野御徒町

2013-02-24 22:31:13 | ふさおまき(オス)日記

春を求めるのは人の気持ちというものでしょう。

午前中は仕事に出ていた彼女と、昼過ぎに本郷三丁目の駅で待ち合わせ、

ぶらりと半日の町歩きです。

 

駅を出てすぐ、春日通りを湯島方面に歩き出します。

12時40分に集合でしたので、まずは腹ごしらえ。

「神勢」かむせさん。渋い男子2人がカウンター奥で寡黙に働く、

「豚骨魚介醤油」「鶏塩・醤油」で自家製麺のお店です。

食べログ情報です、ちなみに:

インスタントラーメンと社食のラーメンばかりだったので、

久しぶりと言えるかどうかわからない、外食ラーメンです。

特製豚骨魚介醤油は、トロリと煮込まれたチャーシューが3枚、

小さめの丼とはいえ、麺が見えないほどの量です。

これは並盛り850円、大盛りでもお値段は同じですが、

小さなお腹のふさおまき夫婦には適量でした。

魚介の香りと、豚骨のまろやかさがうまく溶け合って、

細めのしなやかな自家製麺にふるいついてきます。

うま味に甘み、塩味に海の味、複雑な絡まり具合がラーメンというものでしょう。

楽しく美味しく頂きました。

 

とはいえ、動物性のパワーはややお腹を重くするので、

おいしいコーヒーを飲みに行くことにしましょう。

ぶらり・・

その前に、江戸あられがありました。

 

竹仙さん。笑顔と気遣いのあふれる、たぶんご夫婦だと思われるお二人が店を守っていました。

花形のあられを2種類いただき、木の扉がしなって、はめ込んだガラスがきしむ、

年季の入った建物をあとにします。

 

住所は湯島に入ります。

TIESさん。

オールドビーンズをご主人が一杯一杯ネルドリップしてくれるお店です。

この前来たときは一人だったので、今度は彼女と来ようと決めていました。

主張しない店内、は人が佇む空間です。

ダウンライトに暖かく包まれて、静かに席に向かい合います。

私は入り口を見る席に座ったので、彼女は背に街の光を受けています。

こういうとき、つくづく可愛いなあ、と思うのです。

静かに座るしかない場所だからかもしれませんが、

輪郭が輝いて、しっとり開く椿。ということにして、

オーダーしたのは20グラムのオリジナルブレンドと、私はオールドビーンズ「匠」。

それに、前回はほとんど売り切れていたケーキが今日は沢山並んでいたので、

レアチーズをいただきました。

 

これはね、見ただけでは分からない。

でも、細く丈の高いカップにしているのは、香りに対する配慮でしょう。

煙突のよう、といえば少し読んでいる方の鼻孔にも届くでしょうか。

深く落ち着く香りを嗅覚の細胞に刻み、一口流し込んだ黒の液体は、口に柔らかく広がります。

雑味の無い苦みは、決して苦渋を表す文字と同じ感覚ではありません。

純粋なニガミという味。そして綿のような柔らかい味が表面に浮かび上がります。

ほのかな甘みさえ、という言い方が近いのかもしれません。

考えながら飲むコーヒーというのは、時間を楽しむ嗜好品なのですね。

 

すっかり、ゆったりした後、歩いて数分で湯島天満宮に到着。

梅祭り期間で、受験前の天神さんは大にぎわいです。

 

文京区の、梅を額に打ち込んだ、眉毛りりしい、ゆるくはないキャラも大活躍。

でも、梅はまだ三分も開いていませんでした。

今年は都心もなかなか暖まらないからでしょう。祭りは2月8日から始まりもう2週間が過ぎています。

そういえば一昨年、小田原の梅がなかなか開かず、梅祭りの会期を延ばさざるをえなくなって、

農家がそれ以外の農作業に入ることができず頭を悩ませた、というニュースがありました。

 

湯島から坂を下って不忍池にでました。

冬の水辺は風がやっかいです。水気を含んであたりがきつい。

琵琶湖畔に住んでいたころの冬を思い出してしまいました。

彼女の横に積み上がっているのは、枯れた蓮の茎や花の跡です。

ユリカモメやシロサギ、キンクロハジロの姿も見えました。

2分立ち止まって体が震え、今日のメインイベントへ。

 

国立博物館は久しぶりです。

平成館で開催中の王義之(義、はもっと複雑な漢字です)展。

書聖の称号を得た人の文字とは・・・・

 

力尽きました。

一時間後、私はソファに突っ伏しました。

漢字を山ほど見て脳が処理するエネルギーは、

昨年夏に科学博物館で見た元素記号展示よりもずっと上でした。

要するに蘭亭の曲水宴で記された歌を、代々篆書し、地理を広げ時代をくだり、

中国書の規範となったことが、数々の資料で語られるのですが、

その書かれたもの自体への理解が全くできないのです。

書聖といわれるからうまい、はず。

もちろん、下手に見えるはずはないのですが、うまいかどうかはどう分かる????

でも、4世紀に書かれた文字を、明の時代も、清の時代も評価している。

さらに悩ましいのは、王義之自身の自筆が何処にもなく、全ては写しというストーリーマジック。

理解ができないことが、思考の回路にこれほど無駄な力を使わせるとは思いませんでした。

 

これまでにない経験ができたと言うことでは、すこぶる愉快な観覧でありました。

エネルギー補充に、上野の松坂屋に行き、大きな巻きずしと、

大好きなお芋やさん”興伸”の大学芋を買ってみたりもしたのですけれど。

 

今日はまだ、NHKスペシャル「シリーズ 激動イスラム 第2回」で頭を使いますから。

 

 


胸が痛むアイロン

2013-02-24 10:06:48 | ふさおまき(オス)日記
日曜日、朝のアイロンかけが、今日はセンチメンタルです。
窓を通して上空から落ちてくるエンジン音。都庁の上空です。
8チャンネルをつけると、都庁を見下ろし、その間に群れる人々が写し出されています。
第七回東京マラソンば2月23日午前9時10分がスタートタイムです。

三万六千人の彼らと我。
上気して、意欲にあふれ、楽しそうなランナーたち。お祭りと戦いが共存して、胸はこの上なく高鳴っているはずです。
四年前、私はそうでした。マラソンを走る前はいつでもパワーがみなぎりますが、それは自分が何ヵ月もかけてレースを目指して走り込み、ベストを目指して準備をした最後の日だからです。
でも、東京マラソンは特別でした。
三万をこす人が街を埋め尽くす、生き物としての集団力があり、首都の公道という場所の特別さがあり、一般選手にまで大声援がかかる祝祭があるからです。

でも、私はあれが最後のマラソンでした。
だから今日のランナーたちを見ると、かつての自分を思い出し、やや、胸が痛むのです。テレビを眺めて、自分が今週会社に来ていく6枚と彼女の2枚のシャツにアイロンをかける呑気な自分の落差。
最近、身近なお知り合いが続けて二回もフルマラソンを完走した姿を見た刺激もあるのでしょう。
胸を痛めながらも、いつか自分ももう一度と思うのです。