犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

いじめ事件

2012-07-16 15:01:55 | 日々の暮らし(帰任以後、~2015.4)

 今回の大津市のいじめ自殺事件は、いじめと言うには度を越えている。暴行致死事件といっていいんじゃないでしょうか。

 このニュース、韓国でも報道されていて、事件後に事件を隠蔽しようとした学校の責任に焦点をあてた記事が多いようです。

 いじめはふつう、「ワンタ」と訳されますが、これはどちらかというと「仲間外れ」という感じ。「いじめ」のような陰湿さ、深刻さはないようです。

 そのため、今回の事件はいじめをそのまま音訳して「イジメ」と訳されている。日本で流行るものはすべて韓国でも流行るので、いずれいじめも韓国に定着するのでしょうか。

 昔、日本で登校拒否が多発していたとき、韓国人に「韓国にはそういう問題はないのか」と聞いたところ、「韓国では先生がひきずってでも学校に連れて行くから、そんなことはありえない」と言われて驚いたことがあります。

 韓国では伝統的に先生の権威が強く、体罰なども普通に行われていたようです。ただ、「民主化」以後の韓国は様変わり。体罰を加えると、警察に通報されるとかで、かげをひそめている。

 ただ、生徒同士の暴力事件はよくあるようですね。「リンチ」の様子を動画にとってネットに流したなんていう事件もありました。今年に入ってから、こんなニュースも(→リンク


勉強はできても社会性は最下位の韓国…校内暴力が社会問題に

「生きていればさらに不孝をすることになりそうです…先に行って100年でも1000年でも家族を待ちます」。

  友人らからいじめに遭った大邱(テグ)の中学生は、「ママ、パパ、愛してる!!!」で終わる遺書を残し命を絶った。ラジオ線を首に巻いて引っ張られ、落ちているごみを拾って食べろという暴力に苦しめられながらも中学生は両親や教師に助けを乞うことができなかった。報復が恐ろしかったのだ。

  青少年暴力予防財団によると、小中高生の57%が暴力にあってもだれにも言わず、62%は暴力を見ても知らないふりする(2010年・3560人を調査)。加害学生の63%はいじめる理由として「いたずら・理由はない」を挙げた。韓国の学生は経済協力開発機構(OECD)加盟国で学業達成度1~4位と最上位圏だ。これに対し国際教育到達度評価学会(IEA)が2009年に行った世界の中学2年生調査では、他人と混じり合って生きる「社会的相互作用力」が36カ国中で最下位だった。勉強はうまくするが社会性は底だ。

  校内暴力が起きる度に国中が沸きかえったが変わっていない。中央日報は教師18万人が会員となる韓国最大の教員団体韓国教総、学校を愛する父兄の会などとともに「ストップ!校内暴力-三輪汎国民運動」を掲げる。学校・家庭・社会の3つの車輪が有機的にハーモニーを構成して校内暴力を追放しようという意味だ。いつ、どこででも校内暴力を見れば「ストップ!」と叫ぶ人格教育など多様な代案も提示する。

 そして、加害生徒にはこんな矯正機関が…(→リンク

校内暴力:加害生徒、山中の施設で特別教育実施へ
京畿道加平の祝霊山教育場
11月まで、懲戒レベルによって最大3週間
加害生徒の親向けのプログラムも

校内暴力で懲戒を受けた加害生徒約800人が特別教育を受ける。ソウル市学生教育院は10日「京畿道加平の祝霊山教育場で、今年11月10日まで、ソウル地域で校内暴力事件を起こした加害生徒のうち約800人を対象に、特別教育を実施する予定」と発表した。この生徒たちは、懲戒レベルによって最短で1日、最大3週間の教育を受ける。
 対象となるのは、校内暴力事件に関わり、校内暴力対策自治委員会から「学校暴力予防および対策に関する法律」第17条に基づき、5号「特別教育履修、あるいは心理治療」、6号「10日以内の出席停止」、7号「クラス変更」、8号「転校」などの懲戒を受けた生徒たちだ。
 ソウル市教育庁(教育委員会に相当)は今年初め、校内暴力根絶総合対策を発表し、ソウル市学生教育院を特別教育履修機関として指定した。また、ソウル市内にある16カ所のWeeセンター(学校、教育庁、地域社会が連携し生徒たちの健全な学校生活を支援するための施設)、各地域の児童センター、市民団体による代案教室なども特別教育機関に含めた。学生教育院の関係者は「ソウル市内の特別教育履修機関はすでに飽和状態のため、利用できない加害生徒と保護者を加平の祝霊山に集める予定」としている。
「森、風、太陽の学校、世の中に自分を叫んでみよう」と題するこの特別教育プログラムは、1日課程11回、1泊2日課程6回、2泊3日課程6回、3週間課程1回と、計4種類24回のプログラムが用意されている。加害生徒の保護者のための5時間の特別教育プログラムも行われる。
 生徒たちは祝霊山教育場内の丸太小屋に滞在し、散策、体験活動、カウンセリング、省察、分かち合い、ロールプレイなどに参加する。また、学生教育院の研修指導士と大学生のメンター(指導者、助言者)による指導を受ける。学生教育院の中では、携帯電話の使用が禁止されるほか、禁煙誓約書を書かなければならないため、たばこを吸うことはできない。唾を吐いたり、暴言を吐いたりすれば、研修指導士に注意される。
シム・ヒョンジョン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

 大津の事件の加害生徒は、今後、少年院あたりに送られるのでしょうが、「うちの子は被害者」とうそぶいた親のほうも、「教育」してほしい。


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2 コメント

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Unknown (元延世大留学生)
2012-07-17 00:18:40
最近、職場でのいじめも深刻化しているようです

http://www.krnews.jp/sub_read.html?uid=696&section=sc10&section2=社会
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パワハラ (犬鍋)
2012-07-17 23:47:28
情報ありがとうございます。

上司の部下に対するイジメは、日本ではパワハラと呼ばれますね。

職場内の派閥作りというのは、思い当たるフシがあります。
返信する

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