韓国便り～反米デモ

　帰りの飛行機の中で，米国産牛肉輸入反対デモについての記事（中央日報５月２８日付）を読みました。

　保守派の人々は今回のデモの背景に，北朝鮮を支持するいわゆる「親北団体」があると主張しています。ノムヒョン退任後，最近では影の薄い実践連帯や韓総連のような団体です。もちろん，指摘された団体は否定の声明を出していますが。

　３８６世代（→リンク）が煽っているという観測もあります。

　そして，在米コリアンからの報告として，連日の「反米デモ」が米国でも報道され，反韓感情が高まっているとのニューヨーク特派員伝もありました。

　バージニア銃撃事件では，在米コリアンの心配をよそに，米国の市民は冷静だったが，そのときとは対照的だと。ネットへの書き込みでは

「米国産牛肉を入れないというんなら，こっちも韓国の二流自動車の輸入をやめよう」

だとか，

「狭い国で食糧も充分作れないくせに，いっそのこと食糧をすべて禁輸して，韓国人が飢え始めたら，価格を好きなだけ引き上げよう」

などという感情的なコメントも。

　一般に韓国といえば反日感情が強く，米国には好意的というイメージがあるのですが，実際は反米感情も相当なもの。

　古くはロス暴動のとき，そして５年ほど前の米軍装甲車による女子中学生轢殺事件のときの盛り上がりはすごかった。

「ろうそく集会」というのは，このときに始まったものじゃないかと思います。

　十数万人の若者が手に手にロウソクを持ち，女学生の顔写真や，轢死体の写真までも掲げて街頭を練り歩きました。

　一方，中国に対する感情も悪い。「東北工程」騒ぎに，中国産食品問題，そして今回の聖火リレーのときの中国人留学生による暴行事件…。

　轢殺事件や中国の場合は相手に間違いなく非がありますが，今回の牛肉問題はどうでしょうか。「反米」のための素材として利用されているような面が強いような気がします。

※　上の記事を書いたのはかれこれ一週間前ですが，その後騒ぎは拡大一途のようですね。（→リンク）