今回のワールドカップで、アルゼンチンとの激闘の末、敗れたフランスの中心選手、Kylian Mbappé選手の日本語のカタカナ表記が、
キリアン・エムバペ
キリアン・エンバぺ
キリアン・ムバッペ
キリアン・ンバッペ
キリアン・エムバッペ
キリアン・エンバッペ
と、6通りもあるそうです。
多いのは、 エムバペとムバッペ。
彼はカメルーン出身の父親と、アルジェリア系フランス人の母親の間に、パリで生まれました。
フランス人ですが、名前はMbappéで、フランス風ではありません。
両親がアフリカ系なので、アフリカの名前なんでしょう。
カメルーン出身の父親が名付けたなら、カメルーン風の名前かもしれません。
現在所属しているサッカーチーム、パリサンジェルマンのツイッターの動画を見ると、自分ではエンバぺと発音しているようです。
キリアン・エムバペ
キリアン・エンバぺ
キリアン・ムバッペ
キリアン・ンバッペ
キリアン・エムバッペ
キリアン・エンバッペ
と、6通りもあるそうです。
多いのは、 エムバペとムバッペ。
彼はカメルーン出身の父親と、アルジェリア系フランス人の母親の間に、パリで生まれました。
フランス人ですが、名前はMbappéで、フランス風ではありません。
両親がアフリカ系なので、アフリカの名前なんでしょう。
カメルーン出身の父親が名付けたなら、カメルーン風の名前かもしれません。
現在所属しているサッカーチーム、パリサンジェルマンのツイッターの動画を見ると、自分ではエンバぺと発音しているようです。
https://twitter.com/i/status/905147101193142273
カメルーンには公用語のフランス語と英語以外に、たくさんの民族語がありますが、主な言語はニジェール・コンゴ語族、バントゥー語群の言語のようです。
バントゥー語群の音韻の特徴は、ウィキペディアによれば、
バントゥー語は音韻論的には日本語に似ている。典型的には開音節CV(子音+母音)からなり、語はCV、VCV、CVCV、VCVCVなどで構成され常に母音で終わる。単独の鼻音も接頭辞などに多く使われるため、仮名で書くとンで始まる人名・地名が多い。鼻音以外の重子音は一般にはないので、日本語と同様に、外来語の重子音・末尾子音には母音が挿入されて、schoolがsukulu(チェワ語)、brushがburashi(スワヒリ語)のように変わる。
バントゥー語群の有力言語のひとつ、スワヒリ語の説明には、
鼻音化閉鎖音は閉鎖音の直前に現れるとき独立した音節をなす。
とあります。
Mbappéの語頭のMがこれにあたり、/m/という鼻音が単独の音節を形成するケースだと思われます。
英語やフランス語では、mbという子音連続は語中に来ることはあっても語頭には来ないので、mの前か後に母音を補って、/em/か/me(あいまい母音)/になるものと思われます。
一方、日本語の場合、「ン」は単独で1拍(モーラ、音節に似た概念)を表します。
「ン」は音韻論的には1つですが、音声学的には4つの音を表します。
便宜的に表すと、/n/、/m/、/ng/、/N/の4つ。
産経新聞を読んだ。
(sa/ng/kee shi/m/bu/N/ o yo/n/da)
という文には、この4つが/ng/、/m/、/ng/、/N/、/n/の順にでてきます。
Mbappéの語頭の音は、「新聞」を発音するとき、語頭のshiを発音せず、mbunの言ったときの語頭の音に近いと思われます。
カタカナで「ムバペ」としてしまうとmのあとに余計なuが入ってしまうので、「ンバペ」とするのがいいのではないでしょうか。「ン」と書きますが、実際の発音はnではなくmになります。
カタカナ表記ではbappéの部分を「バペ」「バッペ」と二通りに書き表しますが、少なくともフランス語には促音に当たる発音はないので、「ッ」を入れる必要はないと思います。
というわけで、私としては、冒頭の6種類の発音表記には含まれない「ンバペ」を推奨したいです。
日本語のかな書きで「ん」で始まるのは違和感があるかもしれませんが、例がないわけではありません。
チャドの首都、「ンジャメナ」です。
娘たちが子どものころ、わが家のしりとりのルールには、「ん」で終わる言葉は一回だけ使っていい、というのがありました。「ンジャメナ」があるからですね。
娘たちは、小学校入学前から、チャドの首都を知っていました。
孫としりとりをするときは、
「ん」で終わる言葉は2回まで使っていい、
というルールにしようかと思います。
カメルーンには公用語のフランス語と英語以外に、たくさんの民族語がありますが、主な言語はニジェール・コンゴ語族、バントゥー語群の言語のようです。
バントゥー語群の音韻の特徴は、ウィキペディアによれば、
バントゥー語は音韻論的には日本語に似ている。典型的には開音節CV(子音+母音)からなり、語はCV、VCV、CVCV、VCVCVなどで構成され常に母音で終わる。単独の鼻音も接頭辞などに多く使われるため、仮名で書くとンで始まる人名・地名が多い。鼻音以外の重子音は一般にはないので、日本語と同様に、外来語の重子音・末尾子音には母音が挿入されて、schoolがsukulu(チェワ語)、brushがburashi(スワヒリ語)のように変わる。
バントゥー語群の有力言語のひとつ、スワヒリ語の説明には、
鼻音化閉鎖音は閉鎖音の直前に現れるとき独立した音節をなす。
とあります。
Mbappéの語頭のMがこれにあたり、/m/という鼻音が単独の音節を形成するケースだと思われます。
英語やフランス語では、mbという子音連続は語中に来ることはあっても語頭には来ないので、mの前か後に母音を補って、/em/か/me(あいまい母音)/になるものと思われます。
一方、日本語の場合、「ン」は単独で1拍(モーラ、音節に似た概念)を表します。
「ン」は音韻論的には1つですが、音声学的には4つの音を表します。
便宜的に表すと、/n/、/m/、/ng/、/N/の4つ。
産経新聞を読んだ。
(sa/ng/kee shi/m/bu/N/ o yo/n/da)
という文には、この4つが/ng/、/m/、/ng/、/N/、/n/の順にでてきます。
Mbappéの語頭の音は、「新聞」を発音するとき、語頭のshiを発音せず、mbunの言ったときの語頭の音に近いと思われます。
カタカナで「ムバペ」としてしまうとmのあとに余計なuが入ってしまうので、「ンバペ」とするのがいいのではないでしょうか。「ン」と書きますが、実際の発音はnではなくmになります。
カタカナ表記ではbappéの部分を「バペ」「バッペ」と二通りに書き表しますが、少なくともフランス語には促音に当たる発音はないので、「ッ」を入れる必要はないと思います。
というわけで、私としては、冒頭の6種類の発音表記には含まれない「ンバペ」を推奨したいです。
日本語のかな書きで「ん」で始まるのは違和感があるかもしれませんが、例がないわけではありません。
チャドの首都、「ンジャメナ」です。
娘たちが子どものころ、わが家のしりとりのルールには、「ん」で終わる言葉は一回だけ使っていい、というのがありました。「ンジャメナ」があるからですね。
娘たちは、小学校入学前から、チャドの首都を知っていました。
孫としりとりをするときは、
「ん」で終わる言葉は2回まで使っていい、
というルールにしようかと思います。
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