犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

韓国便り~娘編1 初日

2016-04-21 23:22:35 | 韓国便り(帰任以後)

 娘が一泊二日の短い韓国旅行に行ってきました。

 行く前に、LINEでアドバイス。

「へぇ、仁川から電車があるんだ」

 娘が韓国に住んでいたころは、まだ空港高速鉄道ができていませんでした。

「ソウル駅で4号線に乗り換えれば、二村洞(イーチョンドン)に行けるよ」

「交通カード買うんだよね」


「イルフェヨン(一回用=使い捨て)もあるよ。1500ウォンぐらい払って、カードを返却すると500ウォン戻る」


「そんなのがあるんだ。まあ、いいや。わからなければだれかに聞くから」


 うちの4人の娘の中で、三女はもっとも韓国語がうまい。なんとかなるでしょう。

「韓国人の中には、知らないくせに自信もって教えてくれる人がいるから注意してね」

「ハハハ」


 計画では、ソウル駅まで高速鉄道に乗り、ソウル駅で地下鉄に乗り換え、夜泊めてもらう知人の家の最寄り駅である三角地で、駅構内のコインロッカーに荷物を預け、身軽になって二村に行く。

 ところが、三角地の構内にはコインロッカーがなかったため、また地下鉄に乗って二村に着いた。コインロッカーに荷物を入れ、さて出ようとしたら、出られない。

 ソウル駅で買った一回用の切符は三角地までで、二村は乗り越しということのようです。昔の地下鉄は全路線、定額だったのですが、数年前から距離に比例するようになった。

 乗り越し精算をしたくてもそれらしい機械はないし、駅員もいない。それで通り掛かりのアジョシ(お兄さん)に聞いたんだそうです。

 韓国語で事情を説明し、三角地で降りる予定だったけれども、そのまま乗ってきたことを伝えました。

「三角地? それどこですか」

 どうもソウルの人ではないらしく、地下鉄路線図を見せて説明。

「ぼくは一回用は使わないからなあ」

 頼りない韓国人です。

 結局、いろいろと調べてくれようとしたけれども、結論は、もう一度三角地に戻って下車し、切符を買い直すしかない、というものでした。

(そんなぁ、乗り越し精算できないはずがないのに)

 内心そう思いつつ、せっかくのアドバイスを無にするのも悪いと思って、アドバイスにしたがい、三角地に戻ったそうです。

「そういうときは、改札のバーを乗り越えるかくぐるかするんだよ」

 夜、LINEでその事件を聞いたとき、私が書いたコメントです。

 苦労して二村にたどりついた娘は、昔住んでいたアパート(韓国ではマンションのことをアパートといいます)に行きました。昔よく遊んだ中庭は昔のまま。

 すぐそばの肉屋に行ったら、昔と同じ夫婦がやっていた。

「昔、半島(パンド)アパートに住んでいて、よく買いに来たんですけど、覚えてますか」

 最初はよくわからなかったらしいけれど、スマホに保存してあった昔の写真を見せたら、記憶が蘇ったらしい。

「ああ、あの4姉妹の。よく覚えてるよ。なつかしいねえ」

 そしておばさんは近くの粉食家(プンシクチプ、韓国式の軽食を売る店)で、カルククス(韓国式うどん)を奢ってくれたんだとか。

 そして、その日の夜は、昔の英語の家庭教師だったアメリカ人ご夫婦といっしょに、三角地近辺の焼き肉屋でカルビをごちそうになったとのこと。

 夕食が終わると、今度はひとりで龍山(ヨンサン)のチムチルバンに行ったそうです。

「すごく大きくて、よかった。アカスリでは、アジュンマがしつこく高いコースを勧めてきたけど、断った」

 三角地の豪華アパートに帰ったのは11時すぎ。すでにアメリカ人夫婦は寝ていたそうです。

 予期しないハプニングもいろいろあったようですが、それもまた旅の楽しみの一つでしょう。


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