韓国トイレ事情～駅のトイレ

　私の韓国赴任以来１０年で，長足の進歩をとげたものの一つがトイレです。

　１０年前，ソウルには相当にすさまじいトイレが多々残ってました。たとえば私が住んでいた東部二村洞の駅のトイレ。私も大きいほうに数回お世話になりましたが，よっぽど切迫していないかぎり，遠慮したかった。
　暗い，汚い，ごみ箱に使用済みティッシュがあふれている，流すと水圧が強すぎて靴にしぶきがかかる……。

　今の駅のトイレはきれいです。

　きっかけは２００２年ワールドカップじゃないかな。韓国は外国に対する体面を非常に重視しますから，外国人が行きそうな地域はきれいにしようということになったのでしょう。

　１９８８年のソウルオリンピックのときも，たぶん似たような努力をしたと思われますが，街の津々浦々のトイレまでは手が回らなかった。犬鍋屋を表通りから駆逐したり，スラム街を再開発したりというほうが優先されたようです。

　２００２年のときは，とくに地下鉄の駅のトイレは重点対象になったようで，どれもピカピカになりました。

　それに加えてトイレの位置表示も親切になった。
　地下鉄駅および周辺地下街にはいたるところにトイレマーク，方向を表す矢印，距離が表示されています。

　１８ｍ，３７ｍ，４９ｍ……。

　はたしてこんなにたくさん必要なのか。表示板設置運動が展開されたとき，枚数のノルマが課せられたんじゃないかと思うほど多い。

　そして数字がくわしいところがうれしい。

　５０ｍじゃなくて４９ｍ！

　切迫している人にはこの１ｍの違いが重要なんですね。そこのところの心理をうまく汲み取ってくれている。

　８８ｍ，１１２ｍ，１５３ｍ…。

　うーん，でもこのへんになると１０ｍの単位で誤差があるような気がするのは気のせいか。

　光化門駅には２４５ｍという表示もあった。こうなると，「この近くにはトイレはありません」と言っているのと同じでは？

　ところで，なぜ駅のトイレで必ずコンドームを売ってるんでしょうか！？
　だれが，いつ，どんなときに買うんでしょうか？
　さらにはなぜ高級（１０００ウォン）と一般（５００ウォン）があるんでしょうか？
　女子トイレにもあるんでしょうか？（もしかしてピル？）

　疑問は尽きません。ご存じの方，情報をください。