「こんなのも買ってきた」
娘が見せてくれたのは『イロカノ語会話練習帳』(大学書林)。著者は、『ニューエクスプレス フィリピノ語』と同じ、山下美知子。
「イロカノ語?」
「うん、ダニエルの母語」
「あれっ? タガログ語じゃなかったの?」
「バギオは、イロカノ語圏だよ。タガログ語もできるけど」
「ふーん、じゃ家族とはイロカノ語なんだ」
「家はね。学校は、英語」
「英語?」
「タガログ語の授業もあるって」
「ふーん、複雑だね」
前に書いたとき(リンク)は、フィリピノ語はフィリピンの国語として、全国の初等学校の教授言語(授業で使われる基本の言語)になっているのだと思っていました。
2019年の実態としては、家庭や学校の休み時間にはそれぞれの地域の民族語・方言を話す。学校の教授言語は英語。そして、「国語」の時間のみ、フィリピノ語(タガログ語)を学ぶ、というもののようです。
タガログ語の地域では、家も休み時間もタガログ語(=フィリピノ語)を話すのでしょうが、バギオのように、別言語の地域では、学校で週数時間学ぶ程度で、「国語」が定着できるのかどうか。
推測するに、フィリピンではタガログ語を「国語」に制定し、憲法にも定めたものの、国語の成立に欠かすことのできない近代語彙の整備を怠ったか、失敗したか、結局、学校(特に高等教育)の教科書をフィリピノ語で編纂することができなかったのでしょう。
一方、インドネシアは、語彙整備作業に地道に取り組み、成功したので、名実ともにインドネシア語(もとはマレー語)が国語として確立したのだと思われます。
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