少し前にジャガイモの歴史について書いていて、アイルランドのことを思い出しました。
今から10年以上前に、韓国とアイルランドについて比較したことがあります。(記事末にリンクあり)
世界史上にたくさんある植民地の中で、韓国とアイルランドは共通点がとても多いからです。
たとえば、地理的に近い(同じ気候帯に属す)、人種が同一、共通の文化圏に属している、などです。
けっこう長い考察の末、連載の最終回に、私はこう書きました。
私は、アイルランドが英国を許すことができた背景に、
①独立戦争を戦ったこと
②一人当たりGDPでイギリスを上回ったこと
があるのだと思います。
軍事的、経済的に宗主国に勝ったという心の余裕が、過去に対する許しにつながったのではないでしょうか。
「独立戦争」については今更どうしようもないですが、経済競争なら望みがある。近い将来,有能の大統領が出てきて、画期的な経済政策によって一人当たりGDPが日本を上回ったとき、韓国は日本を許すという心の余裕を得ることになるのではないでしょうか。
2009年当時、日本の一人当たりGDPは世界で16位、韓国は29位でした。
日本の順位は、2000年の世界第2位から長期低落傾向にありましたが、それでも韓国よりは上でした。私が上記の文を書いたとき、韓国が日本を上回ることは当分ないだろうと思っていました。
しかし、それから11年後の2020年、日本は22位、韓国は24位で、接近しています。
一人当たりGDPには、別の算出方法もあって、PPP(購買力平価)ベースでみると、2009年、日本は22位、韓国は28位でした。ところが、2018年、日本と韓国の順位は逆転します。2020年では、日本は23位、韓国は21位で、韓国のほうが上回っています。
一人当たりGDP順位(為替レートベース、PPPベース)
「国民の豊かさ」の指標としてどちらの算出方法が適切なのかわかりませんが、いずれにしても韓国の一人当たりGDPは日本とほぼ並んだと言えるでしょう。
一人当たりGDPの順位が接近するにつれて、韓国の反日感情は和らいだか?
実際は、むしろ逆に見えます。李明博大統領の竹島上陸以降、朴槿恵時代、文在寅時代を通じて、日韓関係はむしろ悪化の一途を辿りました。徴用工問題や慰安婦問題という歴史問題についても、韓国が日本を許すという兆候はみえません。
私の予想ははずれたことになります。
一人当たりGDPと反日感情は関係がないのか。
そうかもしれません。
あるいは、一人当たりGDPは、「豊かさの実感」と比例していないのかもしれません。
今の韓国人が、数字はともかく、「日本より豊かな国になった」という実感をもっているかというと、そうは思えません。
一人当たりGDPというのは、人口が少ないほどよい数字になりがちです。また、貧富の格差がある国の場合、多くの国民は「豊かさ」を実感できないかもしれない。さらに、社会の高齢化が進み、年金生活者が増えると数値は下がります。日本が順位を下げているのは、経済の低迷だけでなく、高齢化がどの国よりも進んでいることも理由の一つです。
尹政権の経済政策が成功し、不動産問題を軟着陸させ、経済力ではっきりと優位に立つまでは、「歴史問題のことで「もう許してもいい」とはならないのではないでしょうか。
韓国の反日感情は、今後もしばらく続きそうです。
韓国とアイルランド①~宿題
今から10年以上前に、韓国とアイルランドについて比較したことがあります。(記事末にリンクあり)
世界史上にたくさんある植民地の中で、韓国とアイルランドは共通点がとても多いからです。
たとえば、地理的に近い(同じ気候帯に属す)、人種が同一、共通の文化圏に属している、などです。
けっこう長い考察の末、連載の最終回に、私はこう書きました。
私は、アイルランドが英国を許すことができた背景に、
①独立戦争を戦ったこと
②一人当たりGDPでイギリスを上回ったこと
があるのだと思います。
軍事的、経済的に宗主国に勝ったという心の余裕が、過去に対する許しにつながったのではないでしょうか。
「独立戦争」については今更どうしようもないですが、経済競争なら望みがある。近い将来,有能の大統領が出てきて、画期的な経済政策によって一人当たりGDPが日本を上回ったとき、韓国は日本を許すという心の余裕を得ることになるのではないでしょうか。
2009年当時、日本の一人当たりGDPは世界で16位、韓国は29位でした。
日本の順位は、2000年の世界第2位から長期低落傾向にありましたが、それでも韓国よりは上でした。私が上記の文を書いたとき、韓国が日本を上回ることは当分ないだろうと思っていました。
しかし、それから11年後の2020年、日本は22位、韓国は24位で、接近しています。
一人当たりGDPには、別の算出方法もあって、PPP(購買力平価)ベースでみると、2009年、日本は22位、韓国は28位でした。ところが、2018年、日本と韓国の順位は逆転します。2020年では、日本は23位、韓国は21位で、韓国のほうが上回っています。
一人当たりGDP順位(為替レートベース、PPPベース)
「国民の豊かさ」の指標としてどちらの算出方法が適切なのかわかりませんが、いずれにしても韓国の一人当たりGDPは日本とほぼ並んだと言えるでしょう。
一人当たりGDPの順位が接近するにつれて、韓国の反日感情は和らいだか?
実際は、むしろ逆に見えます。李明博大統領の竹島上陸以降、朴槿恵時代、文在寅時代を通じて、日韓関係はむしろ悪化の一途を辿りました。徴用工問題や慰安婦問題という歴史問題についても、韓国が日本を許すという兆候はみえません。
私の予想ははずれたことになります。
一人当たりGDPと反日感情は関係がないのか。
そうかもしれません。
あるいは、一人当たりGDPは、「豊かさの実感」と比例していないのかもしれません。
今の韓国人が、数字はともかく、「日本より豊かな国になった」という実感をもっているかというと、そうは思えません。
一人当たりGDPというのは、人口が少ないほどよい数字になりがちです。また、貧富の格差がある国の場合、多くの国民は「豊かさ」を実感できないかもしれない。さらに、社会の高齢化が進み、年金生活者が増えると数値は下がります。日本が順位を下げているのは、経済の低迷だけでなく、高齢化がどの国よりも進んでいることも理由の一つです。
尹政権の経済政策が成功し、不動産問題を軟着陸させ、経済力ではっきりと優位に立つまでは、「歴史問題のことで「もう許してもいい」とはならないのではないでしょうか。
韓国の反日感情は、今後もしばらく続きそうです。
韓国とアイルランド①~宿題
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