辞書(三省堂国語辞典)の「レギュラー」の項に、レギュラーコーヒーという用例があり、(⇔インスタントコーヒー)と書かれていることから、レギュラーコーヒーはインスタントコーヒーと対立するものであることがわかります。
レギュラー〔regular〕①正式。正規。通常。「レギュラーコーヒー(⇔インスタントコーヒー)」(⇔イレギュラー)②以下略
UCCコーヒーのホームページでレギュラーコーヒーは、
「コーヒー生豆を焙煎したコーヒー炒り豆を挽いて粉にしたもの。そのままではお湯に溶けず、コーヒーを飲むには抽出器具で濾したりすることが必要。インスタントコーヒーは、レギュラーコーヒーの抽出液から水分を除去し顆粒状にしたもので、お湯に溶ける」
と説明されています。
私の生家の朝食はパン食で、コーヒーは毎朝飲みましたが、すべてインスタントコーヒーでした。わが家では、インスタントコーヒーのほうが「レギュラー(通常)」だったのです。
レギュラーコーヒーを初めて飲んだのは、母方の親戚の家。叔父(母の兄)がサイフォン式のレギュラーコーヒーを淹れてくれました。
当時私は小学生。レギュラーコーヒーは味が濃すぎて、けっして美味しいとは思えませんでした。ただ、手動ミルで豆を挽き、化学の実験装置のようなアルコールランプを使ったサイフォンでコーヒーが出来上がっていくさまは、なにか秘儀めいた魅力がありました。
母は、コーヒーの味が美味しかったのか、私と同じでプロセスが気に入ったのかわかりませんが、少しして、叔父の家にあるのと同じサイフォンとミルを買いそろえ、自宅でも飲むようになりました。
といっても、時間も手間もかかるので、忙しい朝の時間ではなく、週末の「三時のおやつ」の時間に淹れることが多かった。
最初は物珍しさもあって、家族揃って楽しんでいましたが、こういうのは飽きるのも早い。紙フィルターを使ったドリップ式のほうが手間がかからないので、サイフォンは食器棚の奥にしまわれました。
韓国でもやはり、インスタントコーヒーが「レギュラー」でした。
私が1996年にソウルに赴任したとき、喫茶店(茶房、タバン)でインスタントコーヒーが出たときはびっくりしました。
明洞(ミョンドン)にスターバックス1号店ができたのは2000年ぐらいでしょうか? 昼食代より一杯のコーヒーのほうが高かった覚えがあリます。
それ以降、韓国の喫茶店のコーヒーは、一気に原豆(ウォンドゥ)コーヒーになりました。韓国ではレギュラーコーヒーのことを、原豆コーヒーといいます。
一方、インスタントコーヒーをスティック状にして、砂糖もクリームもいっしょになったやつも根強い人気があり、ソウルの事務所では、もっぱらこちらを飲みました。
最近の韓国のコーヒー事情はわかりません。
ソウルではずっと前からスタバ他アメリカ系のチェーン店のカフェがアメリカーノを提供することが一般的ですね。
アメリカーノとはエスプレッソを薄めたものでレギュラーコーヒーとは味も違います。
最近ではドリップコーヒーを出す店も増えてきたようですが聖水とかお洒落な街にあることが多く日本円で200円代からあるアメリカーノに比べ900円以上します。
たまに個人のお店が小さく構えた店でドリップコーヒーを出していることもあってそういう店はそれほど高くなくとても美味しいです。
紅茶のように透けるアメリカンとか、ヘーゼルナッツコーヒーとか…。なつかしいです。