韓国キリスト教事情～牧師様，私たちの牧師様

　先週の日曜日，二村洞でテニスをした帰り，タクシーに乗ったら渋滞で車が動かない。
　運転手さんが言うには

「この道は日曜はどうしようもないんだよなあ。あっちのオンヌリ教会とこっちの○○教会ではさまれてるから」

　たしかに日曜は教会に通う人の車で大混雑。そのうえ，教会の駐車場に入りきらない車がいたるところに路上駐車しているので，渋滞に拍車がかかります。

「教会の連中はほんとに頭に来る。お客さん，先週のＰＤ手帳を見ましたか？」

「いえ，見ていません」

「いちばん悪いのが，純福音教会。ほら，汝矣島にあるでしょう，でかいやつが」

　続いて，番組の中で取り上げられた，お金に関する悪い噂や，世襲問題をまくしたてる。ＰＤ手帳は，このブログでも一度取り上げた社会派報道番組。

　家に着いて，ネットで検索すると，ＰＤ手帳というのはキサニムの思い違いで，同じＭＢＣの「ニュースの後」という番組らしい。

[中央日報３月２５日]

ニュースの後「教会の反省のきっかけ」「宗教弾圧」で激論

　大型教会の牧師たちの富蓄積と世襲問題を指摘した２４日のＭＢＣ時事告発番組「ニュースの後－牧師様，私たちの牧師様」が激論を引き起こしている。

　この日の放送は，金蘭教会のキム・ホンド牧師の献金横領，担当牧師職の世襲と，ヨイド純福音教会のチョ・ヨンギ牧師の教会のお金を使った財テク問題などを扱った。二人の牧師は，代表的なキリスト教の聖職者だ。放送後，「ニュースの後」の掲示板には２０００件以上の視聴者の感想が寄せられるなど，賛否両論が激しく対立している。

　相当数の信者は，大型教会の問題点を指摘した放送に共感し，自省を求めた。

　視聴者のチョン・インホさんは「韓国の巨大教会の偽善がどれほど根深いか，どれほど大きな不正と腐敗にまみれているか，見ている間じゅう，惨憺たる思いと反省で胸が一杯になった」と書いた。チョン・ハンジョさんも「今教会から帰ってきました。礼拝の間中，昨日の放送のことを考えて反省しました」と言う意見を書いた。ウォン・ソンフンさんは「お金になるフランチャイズ事業＝純福音教会!」という一文で，放送が指摘した教会の問題点を皮肉った。

　それ以外にもパク・キナムさんほか，多数のネチズンが，公然と知られている教会の問題点を自ら振り返り，もっと透明な経営が必要だという意見を出した。「今日の汝矣島純福音教会の雰囲気どうでした？信者も昨日の放送を見たでしょうに…。見て教会に行っただろうに，よもやチョ・ヨンギ牧師が講話をしたんでしょうか（チャ・インチョルさん）」と，放送翌日の日曜日の教会の雰囲気を尋ねる質問もあった。

　一方，「ＭＢＣが特定宗教を狙った偏向放送をした」と言う主張も根強い。

　ムン・テギョンさんは「ＭＢＣは放送の意図を明らかにせよ」，「キリスト教を殺そうとする何らかの意図がありそうだ」と言った。ハン・グァンジュンさんも「宗教弾圧！」「憲法を守れ」と言う文をアップした。ク・ジヨンさんは「キリスト教はやっぱりキリスト教だと悪口を言われそうだ」「あんなに社会にたくさん貢献したのに，とんでもないことで批判されて情けない」と主張した。彼はまた「世襲は必要であり，牧師様もいい家に住む権利がある。叩いてほこりが出ない社会団体がどこにあるのか」と主張した。

　一方，放送中止を主張していた韓国キリスト教総連合会は，放送の当日，ＭＢＣに抗議の訪問をしたということだ。


　でも，ＭＢＣは勇気があります。日本では不買運動や視聴拒否などが恐くて，某宗教団体の批判番組などなかなかできません。クリスチャン人口が３０％という韓国でこういう番組をやるというのは。

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