犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

江華島の思い出~豚コレラ

2009-05-14 23:04:43 | 思い出
 今から5年ほど前のことになります。

 韓国での駐在中,駐在員仲間からドライブに誘われました。私は韓国に赴任時,バタバタしていたため国際免許をとりそびれ,その後,予想外に駐在生活が長引くうちに免許が失効していたので運転はできません。

 ただ,もし免許があったとしても,運転マナーの悪いソウルでは運転する気にならなかったでしょう。

 件の知人は,かつて米国駐在時代にカーライフを満喫していたからか,韓国でも車に乗りたがる。ただ車は持っていないので,レンタカーです。まだ駐在歴の短い知人は,ハングルが読めない。そのため私が韓国製の地図を見ながらナビゲーターを務めることに。

 男2人というのも殺風景なので,われわれ二人がよく行くママを誘ったところ,2人のアガシもいっしょに来ることになりました。5人なら普通のセダンは手狭。7人乗りのワゴン車を借りる。

 初めての韓国内ドライブなので,あまり遠出はせず,行き先は江華島(カンファド)にしました。江華島といえば,古くは元に攻め込まれた高麗王朝が,国民をほっぽりだして逃げ込んだ島。近代においては,朝鮮に開国を迫り,朝鮮支配のきっかけとなった「江華島事件」の舞台。歴史的な遺跡も多い観光地です。

 私が助手席でナビに専念していると,後部座席から,アガシたち3人の嬌声が聞こえてくる。

 見ると,フルフラットシートにあぐらをかいて,ファトゥ(花闘=花札)を始めているではありませんか。

(しかし,ドライブに花札持ってくるかね…)

 さすが国民的遊戯です。

 江華島に入り,いわゆる名所にも行こうかと思ったのですが,アガシたちは歴史にまったく興味なし。それよりもお腹が空いたということで,島を一回りしてご飯を食べようということになりました。

 ソヘ(西海)に囲まれた島ですから,やはり海の幸がいい。景色のよさそうな日式(刺身屋)に入ります。本当なら酒を飲みたいところ。でもドライバーに気兼ねして,ぐっと我慢しました。

 今となっては,そのときの記憶もおぼろながら,印象に残っていることが一つあります。


 それは豚コレラ


 今,全世界が豚インフルエンザで大騒ぎですが,ちょうどわれわれが江華島を訪れたとき,江華島で豚コレラが発生していた。もっとも,人間にうつることはなく,豚限定の病気です。

 江華島を出る道に関門が設けられ,全身を防疫服(?)に包んだ係員が立っています。

「窓を閉めてください」

(???)

 何が始まるのかと思ったら,係員が手にしているノズルから白い液体が噴出。われわれが乗っている車にシャワーを浴びせる。

(おおーっ)

 何が起こったのか,そのときはよくわかりませんでしたが,そばにあった看板で,豚コレラの菌を島外に出さないための消毒だということがわかりました。車全体に消毒液のシャワーを浴びるという経験は,これが初めて。今でも記憶に残っています。

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