朝ドラ「虎に翼」で、在日朝鮮人の裁判が進行中です。
在日朝鮮人の兄弟が経営するスマートボール場が火事になり、兄が放火の疑いをかけられているのです。少し前に、火災保険をかけていたことから、詐欺の容疑もあります。
本人たちは否認していますが、検察は状況証拠から追及します。
そして、公判で新たな証拠が出てきました。
拘置所から弟に送った、兄の手紙が弟の家から押収されたのです。
そこには、
「私が中を完全に燃やしてしまったせいで心配をかけただろう」
という文言があり、これが放火を自分で認めたものだというのですね。
ところで、この手紙、次のように始まっています。
広洙 きちんとご飯は食べているか
広洙 밥은 제대로 먹고 있느냐
弟が食うのに困っていないかを、気遣っている言葉ですね。
私が30年ほど前に韓国で暮らしていたとき、同じような表現をよく耳にしました。
パンモゴッソ? 밥 먹었어?
ご飯食べた?
昼食後こう言われて、
「食べました。今日は、ノルブでプデチゲ(部隊鍋)を」(リンク)
なんて答えると、相手の韓国人は憫笑してくれます。
(別に何を食べたか知りたいわけじゃないんだけど…)
実はこれ、「ただの挨拶」なんですね。
朝鮮時代の貧しかったころの名残で、「ご飯を食べたか?」は、「ちゃんと暮らしているか?」「元気か?」というような意味。
現代でも習慣的に使われますが、男性に多いような気がします。女性から言われたことはありません。
電話を切るときの挨拶で、「トゥロガセヨ 들어가세요」なんていうのもありました。
トゥロガセヨは、直訳すると、お入りください、お帰り下さい。
(ここ、家なんですけど、どこに帰るの?)
昔は家に電話がなく、特別な場所(郵便局?)に行って電話をかけるのが普通だった。
それで、電話を切るときに、「(家に)お帰りください」と言ったということです。
今や、家に固定電話さえなく、スマホで通話する時代。この表現を使う人はほとんどいないでしょう。
ところで、朝ドラの裁判で証拠として提出された手紙は、どうも日本語訳が間違っているらしい、ということがわかりました。
寅子がどんな判決を下すか、楽しみです。
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