写真:上島珈琲店ホームページより
コーヒーの歴史については、いくつかのコーヒー屋さんのホームページに解説があります。
それらを総合すると…
・コーヒーの木の起源はエチオピアらしい(野生種が自生している)。
・コーヒーの語源は、エチオピア西部のカッファ(=KAFFA)という地名。
・もともとエチオピアでは、コーヒーの種を煮て食べていたが、9世紀にアラビア半島で乾燥させたコーヒー豆をすりつぶして煮出し、飲用するようになる。
・13世紀には、コーヒー豆を焙煎するようになる。
・15世紀に、中東のイエメンでコーヒーが栽培されるようになる。
・16世紀、コーヒーはオスマン帝国に広まり、イスタンブールにコーヒーハウスが誕生。
・17世紀半ばにイギリス、17世紀後半にフランスにコーヒーハウスが開業。オーストリア、ドイツ、イタリアなどヨーロッパ諸国以外に、アメリカにも広がった。
・17世紀後半、オランダは植民地インドネシアのジャワ島でコーヒー栽培に成功、スマトラ島、スラウェシ島などでも栽培は拡大。
・18世紀前半、フランスはカリブ海のマルティニーク島でコーヒー栽培に成功。ジャマイカ、ドミニカに、キューバ、コスタリカ、エルサルバドルに拡大。
・別ルートで南米のブラジル、ペルー、パラグアイ、メキシコ、コロンビアなどにも伝わり、大量に栽培されるようになる。
・18世紀後半には、イギリスの植民地だったアメリカで「ボストン茶会事件」が発生して、紅茶の価格が高騰。アメリカ独立後は、カリブ海地域、南米のブラジルから大量のコーヒーが流入して、一気に普及した。
・19世紀末には、東アフリカ地域に持ち込まれ、イギリス植民地下のケニアが有数の産地になる。
・日本にコーヒーが伝わったのは、江戸時代の18世紀後半。長崎の出島に、オランダの商人が持ち込んだ。
・明治時代になると、西洋料理店のメニューにコーヒーが加えられる。
・1888年には、鄭永慶(てい・えいけい、中国っぽい名前だが日本人。鄭成功の末裔らしい)が東京に「可否茶館(こーひーさかん)」という喫茶店をオープンしたが、3年足らずで閉鎖。
・明治時代に多くの日本人がブラジルに移民し、コーヒー農園で働いた。ブラジル政府はブラジル産コーヒー豆を日本に無償で供与、それを利用してコーヒーが安価で提供され、コーヒーの普及に寄与した。
面白いのは、「インスタントコーヒー」の発明者が日本人だったらしいこと。
1899年、加藤サルトリ博士は、コーヒーを一度液化してから、真空蒸発缶に入れて水分を除去し粉末にするという、真空乾燥法に成功し、インスタントコーヒーを発明。
しかし、日本にはインスタントコーヒーの販路がなく、アメリカのパンアメリカ博覧会に製品を出品・販売したそうですが、サルトリ博士は特許をとらなかった。1903年に別の方法でインスタントコーヒーを作ったアメリカ人が特許をとり、「幻の発明者」になってしまったんだそうです。
インスタントコーヒーはその後、アメリカで「軍事用」に生産され、第二次世界大戦後に一般に広がったとのこと。
日本では1937年にコーヒー輸入量がピークをつけましたが、戦争期に突入し、コーヒーは輸入禁止に。
戦後、1950年にコーヒー輸入が解禁、1961年にインスタントコーヒーの製造販売が自由化、1969年には上島珈琲から世界最初の缶コーヒーが発売されたそうです。
2022年のコーヒー生産国別ランキング(構成比、2024年発表)
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