フィリピン独立記念日

　６月１２日は、フィリピンの独立記念日。

　フィリピンEXPOの日程（６月11、12日）は、それに合わせたものと思われます。

　フィリピンは、16世紀以来、長らくスペインの支配下にありました。

　1898年6月12日、フィリピンは、宗主国スペインからの独立を宣言しました。フィリピンは、この日を独立記念日に定めています。

　フィリピン革命軍は、1896年からスペインの植民地政府との間で独立戦争を戦い、1897年に停戦。革命指導者のアギナルドは、スペイン政府から金をもらって香港に亡命、独立は失敗しました。

　一方、スペインはキューバ問題が原因で米国と対立、1898年4月に米西戦争が始まりました。マニラ湾海戦に勝利したアメリカは、亡命していたアギナルドを帰国させ、アメリカが勝った暁にはフィリピンを独立させると約束して、陸上のスペイン軍と戦わせました。

　6月12日、アギナルドがはこの日を「独立の日」として独立を宣言。

　ところがスペイン軍が降伏した後、アメリカは約束を反故にして、革命軍を討伐。

　1898年12月のスペインとの間のパリ条約で、アメリカはスペインからフィリピンを2000万ドルで購入し、植民地としてしまいました。

　フィリピンの独立宣言は、スペインからも、アメリカからも認められず、国際的な承認を得られませんでした。

　一方、フィリピンはアギナルドを大統領に選出。今度はアメリカを相手に、独立戦争を始めます（米比戦争）。

　戦争は1902年にアメリカがフィリピン人による傀儡政権を作って終結しますが、独立軍は山岳地方に入って、その後も長くゲリラ戦を展開。

　1941年には太平洋戦争が勃発。日本はフィリピンのアメリカ軍を降伏させ、フィリピンを占領します。

　米比戦争におけるフィリピン側民間人の犠牲者は、20万～150万といわれるそうです。

　最終的に、フィリピンがアメリカからの独立を果たすのは、日本の敗戦後、1946年7月4日です。

　アメリカは、この日をフィリピンの独立記念日に定め、1962年までは7月4日が独立記念日でした。

　独立を宣言したのに国際的に認められなかったのは、韓国と似ています。

　韓国は1910年に日本に併合され、1919年3月１日に独立を宣言しましたが、国際的に認められませんでした。

　韓国の独立記念日（光復節といいます）は、日本が敗戦した1945年8月15日。

　独立宣言をした日（3月１日）は、三一節という別の記念日になっています。