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写真:パリパラリンピックで金メダルに輝いた小田凱人選手
全米オープン男子シングルスは、イタリアのシナ―が全豪オープンに続いて優勝しました。
今年の4大大会は、
全豪:シナ―
全仏:アルカラス
全英:アルカラス
全米:シナ―
シナ―は2001年生、アルカラスは2003年生、ともに20代前半です。
ここ10年の4大大会は、フェデラー、ナダル 、ジョコビッチに独占されていた観がありましたが、フェデラーは2022年に引退、ナダルも今季限りの引退を表明。ジョコビッチはパリオリンピックで金メダルをとりましたが、4大大会は一つも優勝できませんでした。
フェデラーは1981年生、ナダルは1986年生、ジョコビッチは1987年生。
男子シングルスは世代交代の時期を迎えたようです。
3人は、いずれも生涯グランドスラムの達成者。ジョコビッチは、4大大会に加えてオリンピックでも優勝した「生涯ゴールデンスラム」を達成しました。
私がテレビでテニス観戦を始めた高校生の時は、ボルグ、コナーズ、マッケンローなどの選手が活躍していましたが、いずれもグランドスラムを達成していません。
男子シングルスのグランドスラム達成者は歴史上8人。1980年以降では、アガシ、フェデラー、ナダル、ジョコビッチの4人だけです。
年間グランドスラム(同じ年に4大大会すべてに優勝)を達成した人はいません。
女子では、クリス・エバート、ナブラチロワ、グラフなどが記憶に残ります。
女子シングルスの生涯グランドスラムは、1981年以降では、エバート、ナブラチロワ、グラフ、セリーナ・ウイリアムズ、シャラポアの5人。
グラフは1988年に年間ゴールデンスラムの偉業を達成しました。
年間ゴールデンスラムというのは、同じ年に4大大会とオリンピックのすべてに優勝すること。オリンピックが4年に1度しか開催されないので、きわめて難しい。なお、グラフの夫アガシも生涯グランドスラム達成者で、夫婦揃ってグランドスラム達成というのもすごい。
車いすテニスでは、もっとすごい選手がいます。
国枝慎吾です。
国枝は、1984年生まれ。年間グランドスラムを5回達成、生涯ゴールデンスラムも達成しています。
なお、車いすテニス男子シングルスは、2015年までウインブルドン(全英)での開催がなかったため、それ以前は全豪、全仏、全米の三冠をグランドスラムと称します。
国枝は2022年にウインブルドンを制し、4大大会の生涯グランドスラムを達成。東京オリンピック金メダルも合わせ、生涯ゴールデンクロス達成者となりました。
日本ではあまり注目されることのなかった車いすテニスは、欧米では早くから高く評価されていた。
2007年、日本人記者がフェデラーに
「日本のテニス界からはなぜ世界的プレーヤーが出てこないと思うか?」
と質問したところ、フェデラーは
「何を言っているんだ。日本には国枝がいるじゃないか」
と答えたのは有名なエピソードです。
その国枝も、2023年1月、世界ランキング1位のまま引退。
今年は、2006年生まれの小田凱人(おだ ときと)が全豪、全仏、パリオリンピックを制し、世代交代を印象付けました。
小田はパラリンピックで車いすテニスの放送予定がないことに対する不満をSNSで語り、NHKは急遽、Eテレサブチャンネルで放送することにしたという一幕もありました。
女子の上地結衣(かみじ ゆい)もすごい。
上地は1994年生まれ。21歳で女子車いすテニス(ダブルス)における「最年少 年間グランドスラム」を達成しました。
シングルスでは、2017年に全豪、全仏、全米を制しましたが、2018年以降、2歳年下のオランダのディーデ・デ・グロートが現れて以降、準優勝に甘んじることが多くなりました。
2021年の東京パラリンピックでも、グロートに敗れて銀メダル。
国枝にアドバイスを受けるなど、グロート対策に力を入れ、先のパリパラリンピックで見事優勝、ダブルスと合わせて二つの金メダルを獲得しました。シングルスの「生涯ゴールデンスラム」達成は、あと全英(ウインブルドン)を残すのみ。
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パリパラリンピックで悲願のシングルス金メダル
30歳はまだ若い。男子の小田とともに、今後も車いすテニス界を牽引していくものと思われます。
車いすテニスのテレビ放映も、もっと増えるといいと思います。
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