アメリカ出張で、初めてデルタ航空に乗りました。
ふだん映画を見ない私は、飛行機の中で、無料で見られる映画が楽しみの一つでした。特に長距離フライトでは、本を読むのも疲れるし、映画が格好の暇つぶしになります。
ところが…。
デルタのジャンボジェットは、たいへん旧式で、モニターが座席ごとではなくスクリーン式。エコノミークラスの座席はビニール張りで、私の席などはテーブルがグラグラで危なっかしく、飲み物は手でおさえていないとならない。客室乗務員が、歳を召していることに文句はいいませんが、化粧っ気がないのはいかがなものか。
ま、チケットの安さで選んだ航空会社だから仕方がないのですが。
米国出張の直前の韓国行きはANAでした。
韓国は時間が短いので映画は1本しか見られない。長編になると、いいところで時間切れになったりするので、できるだけ短めのものを選びます。
往路に見たのが「ねこばん」。
伊武雅刀主演の猫映画です。定年退職した主人公が、やることもなく家でぶらぶらしている。そこへ入れ代わり立ち代わり猫があらわれて、騒動が起きる。そして定年後の生き方を見つけていく…。
伊武は渋いながらもユーモラスな好演でした。私も定年が10年後ぐらいに迫ってきていますから、定年後の生活について、そろそろ考えないといけないなあ、などと思ってしまいました。
登場人物も少なく、制作費もかかっていないでしょうね。ただ、自分勝手な猫たちに思い通りの表情や動きをさせるのは並大抵のことじゃないでしょうから、ずいぶんたくさん撮り直しをしたんでしょう。
一方、帰路に選んだのは「犬とあなたの物語」。
こちらのほうは犬が主役の映画です。最後まで見られなかったのですが、独立した短編を集めたオムニバス作品のようです。犬に異常な愛情を注ぐ人々が織りなすコメディー。ドタバタ喜劇あり、癒し系のしんみりとしたストーリーあり。
往路と帰路でたまたま犬と猫の映画をみたことになります。どっちのほうが人気があったんですかね。やっぱり犬かな。
個人的には、犬の、あまりにも人間に密着した生き方よりも、猫の、野性味を残した自分勝手な生き方のほうに好感をもつのですが…。
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その後、海外の仕事から用無しになってから、珍しくお金を払って映画館でこの映画を観ました。
ところが、最初の3話くらいで、内容にうんざりして、失敗したと思いました。
しかし、その後はだんだん観られる様になりました。
これって、できの良い話を後に持ってきたせいでしょうか?それとも私の頭のチャンネルが自動的に切り替わったせいでしょうか?
韓国ではときどき見ましたが、日本でお金を払って映画を見たのは…。
15年ぐらい見ていない気がします。