犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

三河島で忘年会

2023-12-15 23:59:52 | 食べる

 知られざるコリアンタウン、三河島で忘年会をしました。

 三河島といえば、2020年2月以来で、約4年ぶり。コロナが流行し始めたころです。

 メンバーはそのときの3人(旧知のKさん、韓国語教師のIさん)に加え、今回はスペシャルゲストがいました。サムルノリの演奏家、Kさん(女性)です。

 もともとのメンバーのKさん(男性)が韓国にいたときに知り合って以来の、旧友だそうです。

 サムルノリというのは韓国の伝統音楽の一つで、農楽として始まったものを、戦後、あるグループが舞台で演奏し、世界的に評判になったもの。

 K(女)さんは、日本でも数少ない(唯一?)の演奏家で、日本各地で演奏活動をされているそうです。お会いする前日も、高名なジャズミュージシャンとコラボの即興ライブをされたそう。

 この日行ったのは、常磐線三河島からほど近い韓国式中華の店「東京ガーデン」。K(男)さんが何回か行って、おいしかったんだそうです。

 店内では、先客の話す韓国語が響きます。オールドカマーの在日は韓国語が話せないことが多いのですが、ニューカマーか、観光客か。

 韓国式中華といえば、タンスユク。韓国風酢豚です。



「この前、韓国に出張したときに食べたタンスユクはテンプラでした」

韓国便り~「山東餃子」のテンプラ

 ここのタンスユクはテンプラではなく、最初から甘酢ダレがかかってでてきました。

 飲み物は生ビールとチャミスル(韓国焼酎)。

 K(女)さんは、1988年から12年韓国に住み、漢陽大学音楽学部で韓国伝統音楽を学ばれたのだとか。韓国在住者の大先輩です。

「1988年といえば、パルパル(ソウルオリンピック)のときですね。日本人は少なかったでしょう?」

「いや、けっこういましたよ。私みたいなのが」

「あのころの語学堂(オハクタン、大学内の韓国語教育機関)は在日の子弟とか、駐在員の奥さんなんかが多かったですね」


とK(男)さん。K(男)さんは1992年から実に26年の長きにわたり、韓国に暮らしていました。

「バスはトークンでしたね」

ソウルのバス(1)~トークン

 店はアジュンマが一人で切り盛りしているらしく、客が増えてから、注文した料理が出てくるのがとても遅い。

「このまえ来たときは、もう一人、店員さんがいたけど、今日は休みかな」

 最後に頼んだ「チャンポンスープ(麺なし)」を食べ終わって、二次会の検討を始めました。

 Kさん(男)が喫茶店を主張するのを却下し、もう一軒、韓国居酒屋に行くことに。体調がおもわしくないというIさんは、ここでリタイア。

 三河島は早じまいの店(10時まで)が多く、何軒か回って焼肉屋さんに入りました。

 こちらではプデチゲと焼酎を頼みました。

「セロがあるんだ。それにしましょう」

 セロは最近韓国で新しく出た焼酎。「セロ」は「新しく」という意味です。前回の韓国出張で飲みました。

韓国便り~二つの再会

 ミッパンチャン(無料のおかず)はセルフサービスで取り放題。

 まもなく運ばれてきたプデチゲは、昔ながらの手鍋で出てきます。直火にかけて、高温で多少ひしゃげているところに趣がある。



「ボンサンチプ(峯山家)のテンジャンチゲみたいだ」

国立民族博物館の思い出

 ボンサンチプはソウルのチャドルパギ(薄切り牛焼肉)の名店。尹大統領になって大統領府が三角地に移転したので、もしかしたら閉店したのではないかと心配していましたが、先日、日本のグルメ番組に取り上げられていて無事を確認することができました。

 この店でも、隣にいた先客は韓国語で盛り上がっている。

「最近は、三河島もけっこうニューカマーが多いんですよ」

 三河島に詳しいKさん(女)が教えてくれました。

 飯能から遠いので、終電の時刻が気になります。

 耳よりな話がありました。K(女)さんは、犬鍋が好きなんだそうです。

「新年会は新大久保の千里香でやりますから、そのとき食べましょう」

 千里香は朝鮮族の羊串焼きの店。以前、Kさん(男)と犬肉ムッチムをつついたことがあります。

 終電には多少余裕がありましたが、新年会での再会を期して、お開きにしました。

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