犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

ソウルのタクシー事情~昼組と夜組

2007-07-06 06:55:36 | 韓国雑学
 模範にかぎらないと思いますが,タクシーには昼間勤務と夜間勤務がある。個人タクシー(模範を含む)の運転手さんは,自分の好みでどちらかを選んでいます。たいていはどちらかに決めていて,毎日ほぼ同じ時間帯に働いているようです。
 私が毎朝利用する模範タクシーの運転手さんたちはみな「昼組」。
 明け方4時ごろにホテルの前に並び,早朝出発の空港行きのお客さんを待つ。運がいいときはそういうお客さんが何人もいますが,結局,朝8時過ぎに乗る私が最初のお客さんということもある。そして,昼間はホテルで主に外国人のお客さんを待ちつつ,コールに耳を傾けながら過ごし,午後四時ごろに帰宅。
 ただ,収入的には夜組に及ばないようです。

「私は,夜はまっぴらですよ。酔っぱらいが多いから。後ろの席で眠りこけたり,おりるときになって金がないからまけてくれと言ったり。ゲロでも吐かれた日には次の日営業できませんからね」

 一方,夜組の運転手さんは
「昼間は客がいないよ。ホテルの前で何時間も待っている連中の気が知れない」
と言って,夜間勤務の優位性を説く。

「やっぱりいちばんお客さんが多いのは夜中の11時から2時ぐらいまで。バスと地下鉄がなくなったときだね。それと夕方の7時ごろ」

「それはまたなぜ?」

「ルームサロンのアガシの出勤時間でしょう。美容院に行って,そこから店に行って。よく模範を使ってくれるよ。ぼくたちゃ,彼女らのおかげで食ってるようなもんだよ。」

 日帝時代には人力車の主たる客は,キーセンのアガシだったという話を思い出しました。
 ※人力車はイルリョッコと読みます。「車」はこの場合「チャ」ではなく「コ」。自転車(チャジョンゴ)と同じです。

「でも,最近は彼女たち,乗らなくなった。運転手付きのレンタカーを使ってる。そのほうが気分がいいみたいだね」

 模範の利用者には外国人が多いので,日本語や英語ができれば有利です。

「私は日本語ができないからちょっと不利だ。でも,自分ができないから言うんじゃないけれど,日本語がぺらぺらな人より安心して乗れるはずだよ。日本語ができる人の中には悪い奴もいる。とくにロッテホテルに夜止まっている一般タクシーと,模範の中でもウォーカーヒルにとまっているタクシー」

「ウェヨ?(どうして?)」

「夜,ロッテの前にいるのはみなポン引きだ。男の客を床屋とか私娼街に連れて行こうとする。それで手数料をがっぽりかせぐんだ。ウォーカーヒルのほうは,賭博であぶく銭を儲けた客相手をルームサロンに連れて行く」

(何をやっているんだ,日本の男たちは)

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