犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

フィリピノ語の難易度

2019-01-12 23:46:23 | 言葉

 私がこれまでかじったことのある外国語について、ずいぶん前に書いたことがあります。

私の語学遍歴

 英語、フランス語、ロシア語、ドイツ語、韓国語、タイ語、インドネシア語…

 上の文章を書いたのは2007年で、日本への帰任後、ここにミャンマー語が加わり、インドネシア語にも再チャレンジしました。

 これらの中で、インドネシア語がもっとも学びやすい言語だった、というのが実感です。

 そして今回、挑戦しようとしているフィリピン語。市販の学習書をめくってみた第一印象は、「学習しやすそうだな」というもの。

理由は、

1.(韓国語やロシア語やタイ語やミャンマー語と違い)文字が英語のアルファベット

2.言語の系統が、(あの易しい)インドネシア語と同じオーストロネシア語族

3.子音や母音の数が少なく、日本語と似ている

4.(タイ語やミャンマー語と違い)声調がない

などでした。

 ところが…

 学習書を読み進めるうち、これがとんでもない勘違いであることに気づかされました。

 まず、語順。

 世界の数千の言語を、主語(S)、動詞(V)、目的語(O)の語順によって分類すると、日本語のようなSOVが最も多くて、約50%。韓国語やミャンマー語がここに入ります。

 つぎに英語のようなSVOが約40%。印欧語の多くや、中国語、インドネシア語などが含まれます。

 そしてVSOが約10%。メジャーなところではアラビア語。そしてタガログ語(フィリピノ語)がここに含まれるのですね。

 参考に、VOS、OVS、OSVはごく少数だそうです。

 文の最初に述語(動詞)が来る言語というのは、私にとって初体験なので新鮮です。

 そして、主語について、奇妙な記述があるのですね。

 次は東外大のサイトです。

動詞文の補語
主語と述語で構成されている基本文で、述語の位置に動詞がくる文が動詞文です。フィリピノ語の動詞文は、動詞と1つ、または2つ以上の補語で構成されています。動詞における補語が1つのときは、これが自動的に主語になりますが、2つ以上のときは1つだけが主語になります。主語になる補語は ang句で表されます…

解説
補語とは動詞文に現れる名詞(句)で主語になれるものです。具体的には行為者を表す行為者補語、動作の対象となる物や人を表す目的補語、動作のなされる方向を表す方向補語、動作の行われる場所を表す場所補語、動作の恩恵を受ける人や物を表す恩恵補語、動作がなされる手段を表す道具補語、話題を表す話題補語、理由や原因を表す理由補語があります。これらの補語が基本文において主語にならないときは、次のように表されます。(以下略)


意味不明だ!

 上の説明では、動詞文において、「補語」は「主語になれる」。補語には、行為者補語、目的補語、方向補語、場所補語、恩恵補語、道具補語、話題補語、理由補語などがあって、これがぜーんぶ「主語」になることができる!ということのようです。

 主語とは補語に対する定義が、これまで学習してきた言語とはまったく異なるらしい。

「かなり手ごわそう」というのが、フィリピノ語に対する第二印象です。


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2 コメント

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多言語 (belbo)
2019-01-24 09:40:48
自然言語をこれほど学び、しかも韓国語は完璧、ロシア語は英語は十分実用。プログラミングや論文の英語がどうにか読める程度の私は感服するばかり。

プログラミング言語なら20ぐらいはざっと書けますし、必要が無くても新しい言語に触れてみますが、自然言語はなぜそういかないのか…。
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プログラミング言語 (犬鍋)
2019-02-03 22:02:56
「20ぐらいはざっと書けます」

これがどんなにすごいことなのか、一つもできない私には想像がつきませんが…。

新しい言語の習得は、だいたい要領がわかったこともあり、あまり苦になりません。

一方、必要も関心も薄れた言語の力を維持するのは、年齢的なこともあり、至難です。

韓国語は、習得した年齢が比較的若く(30代)、今も仕事で使う機会があるので、なんとか維持できています。
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