大阪に行けば必ず寄るバー。このブログにもよく登場します(→リンク)。
実はご主人,定期的にソウルに来る。前回のソウル出張(?)では留学生のKさんと連れ立って,東大門で羊の串焼きに舌鼓を打ったあと,私が最近通いつめているダーツバーに行きました。
そこのダーツが気に入ったらしく,今回大阪のお店に行ってみると,なんとダーツが備えられていた。オモチャメーカーで出している簡易なものですが,標的の大きさは正式な国際規格,テレビにつなげてちゃんと得点が出るので,本格的な競技が楽しめます。
これで一つ,お店の魅力が増しました。
ダーツで盛り上がり,特上のカスクストレングスをブレンドして心地よく酔いました。
ところがこの日はそれで終わらなかった。
金曜の夜で,翌日はソウルに帰るだけ。すでに「飲み明かしモード」に入っていた私は,ご主人を韓国スナックに誘いました。
実は,その前の晩も別の人に紹介されて同じお店に行き,ボトルが残っていたんですね。
ママは大邱出身,15年ほど前に来日したとのこと。美人の産地,大邱だけあって,美人だったかつての面影が今も残っている(いや,今もなかなかのものですが)。
ボトルの値段を聞くと「山崎」が1万5千円。「山崎」は韓国ではめったに見ませんが,置いている店なら20万ウォンは取る。1万5千円は今のレートなら12万ウォン程度。
こりゃ安い!
迷わず山崎を入れました。こぢんまりしたスナックで,カウンターにテーブルが一つ。10人も入れば一杯です。それをママともう一人,日本人アガシが切り盛りしている。
もう一人の連れが日本語のできない韓国人だったので,お店の中では日本語と韓国語が飛び交いました。
ママもご機嫌で,
「ちょっといただいていいかしら」
と言いながら,ビールを2本,3本と空けていく。ダーツ&ダイニングバーの主人も,昔の十八番だったという「エモ(愛慕)」を歌ったりと,和やかに時が過ぎていきました。
夜中の二時を回ったところで,そろそろお開きに。
「ママ、ケーサンして」(思わず韓国語になる)
「はい。じゃ,こちらでお願いします」
見ると,1万7千円!
(えっ? ボトルがあったのにこの値段!)
われわれ,ちょっと顔を見合わせましたが,金額でもめるのもみっともないかな,と,おとなしく払って店を出ました。
翌日,空港に向かう特急はるかの中で,前夜の支払いのことが気になり始めました。二日酔いで痛む頭を押さえながら
(どー考えても高いよなあ。つきだし以外につまみは頼まなかったのに…)
ここでハタと思い至りました。
(そーか,日本のスナックは「テーブルチャージ」というものがあるんだった)
実は,韓国のバーはキープしてあるボトルを飲んでいるかぎり「タダ」。一銭も払いません。長らくそのシステムに慣れていたために,日本の飲み屋の料金システムを完全に忘却していました。
(一人3千円として9千円。それにママが飲んだビールが一本2千円? いや,チャージは一人5千円か? いずれにしても高いなあ)
そのとき,不吉な思いが頭をよぎりました。
(じゃあ,初日もテーブルチャージがかかってたってこと?)
山崎一本1万5千円という「安さ」に喜んで,支払いも当然1万5千円ポッキリだと信じ,確認もしませんでした。
急いで財布をとり出し,二日前のカードの領収書を見る。
2万6千円! アイゴー!!
二日で4万円近く(二日目は連れの日本人にも出してもらったので)。ソウルで駐在員クラブに行くのと同じような金額を使ってしまっていたのでした。