犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

結婚祝賀ランチ

2018-12-10 23:02:55 | 大阪暮らし

 約1年前に知り合ったインドネシア人女性が今年9月に結婚し、お祝いのランチを心斎橋のインドネシア料理店で催しました。

 ほんとうはもっと早くする予定でしたが、私の妻の入院などがあり、延び延びになっていたものでした。

 新郎新婦と、私の会社の同僚が6人(うちインドネシア人2人)が参加しました。

 予約の時、店長に「結婚祝い」であることを伝えると、店長が「じゃナシクニン(黄色いごはん)を用意しましょう」と言ってくれました。インドネシアでは、お祝い事の席で必ず食べるものだそうです。日本の赤飯にあたるものでしょうか。

 新婦は在日7年、日本の国立大学で若いのに数学の特任教授を務める英才。ご主人も同じ大学で理系の研究員をしているそうです。

「どんな研究をしているんですか?」

「ある金属材料の研究です」

説 明を聞きましたが、通訳してくれる人も難しすぎてわからない様子。なんでも、温度差を電気エネルギーに変える物質だそうで、いずれは腕時計が体温を感知して充電され、電池交換が不要になるんだとか。

「実現したらノーベル賞ですね!」

 新郎新婦はどちらも敬虔なムスリム(イスラム教徒)。新郎が来日した時、新婦が一目ぼれして、でも本人に告白するわけにいかなので、モスクの偉い人に相談、とりなしてもらったところ、

「なんていう偶然なんだろう。ぼくは昨日、彼女と結婚する夢を見たんですよ! これはアラーの思し召しにちがいない!」

ということになって、両親も大賛成、話はとんとん拍子に進み、婚約から3か月後にインドネシアでスピード結婚したということです。

「でも、婚約してから3か月間、お互い、会わないことにしたんです」

「えー?! なんでまた?」

「誘惑にかられ、間違いがあるといけないので」

 インドネシア文化に詳しい人(ランチの席で通訳をしてくれていました)によれば、イスラム教では婚前交渉が厳に戒められていて、そうした「間違い」が起こらないようにということのようでした。

 いろんな文化があるものです。

 昼ということもあり、日本人側もノンアルコール飲料だけでしたが、大いに盛り上がるパーティーになりました。


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2 コメント

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熱電素子 (belbo)
2018-12-26 16:58:16
ペルチェ素子のような、熱電素子の研究ですかね。
原理は古いので腕時計ぐらいだとノーベル賞は難しそうですが、大きな革新ができれば…。

婚前交渉への厳しさ、現代世界ではムスリムが最大でしょうか。日本だと江戸時代の半頃の、武家の一部ぐらいですし、3ヶ月会わないほどの厳しさを新郎新婦が課す程なのは、他になさそうです。
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イスラムの女性 (犬鍋)
2018-12-28 21:04:37
サウジアラビアやアフガニスタンで、女性たちの権利がいかに踏みにじられているかを描いたノンフィクションを見たことがありますし、ISによる戦時性暴力の報道などを見るにつけ、大きな落差を感じてしまいます。
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