フィリピン人のDに、「ニューエクスプレス日本語」のほかに、「みんなの日本語」(本冊、英語版)もプレゼントしました。
「みんなの日本語」は、日本にある日本語学校の多くが教科書として採用している、日本語教科書の定番だそうです。
日本語の教科書を紹介しているサイト(リンク)によれば、2018年の調査で、日本語学校456校中338校(74.1%)で「みんなの日本語」を採用しており、圧倒的なシェアを誇っています。
妻が一時手伝っていた、地域の日本語教育ボランティアでもこれが使われていましたし、大型書店にに行くと、「みんなの日本語シリーズ」がずらりと並んでいます。
日本語だけで書かれた本冊以外に、本文・練習問題の対訳、語彙訳、文法解説を収録した各言語版(13言語)があるらしいです。
このシリーズの歴史は古く、1974年に通産省(現経産省)が来日した外国人技術研修生のために作った教科書、『日本語の基礎』が前身で、1990年に『新日本語の基礎』、1998年に『みんなの日本語』となり、現在はその第二版(2012年改訂)が流通しています。
対象はもともと来日した外国人研修生(多くは工場労働者)でしたが、いまは留学生も多くこの本で学んでいるようです。
特徴は…、
1 日本語学校用の教科書であること。
授業で使うことが想定されていて、独学で勉強するための自習書ではありません。
2 ダイレクトメソッドの授業用であること
外国語教育では、授業が学ぶ言語(日本語教育の場合、日本語)だけを使って教える方法(直接法、ダイレクトメソッド)と、学習者の母語を使って教える方法(間接法、インダイレクトメソッド)があります。小中高校の英語の授業はインダイレクトメソッドです。
日本語学校の場合、学習者の国籍と母語はさまざまですから、特定言語で説明するのは難しい。また、教師も学習者の母語が話せる人は少ないので、日本語によるダイレクトメソッドがほとんどです。
「みんなの日本語」はそのような学校で使う前提で作られています。
外国語学習では、生徒の母語と比較しながら、学習言語を説明する方が効果的です。しかし、日本の日本語学校の「教える側の事情」から、ダイレクトメソッドが使われています。
アメリカ人、中国人(漢字が得意)、韓国人・ミャンマー人・モンゴル人(文法がとても似ている)に対して、同じ教科書で同じ教え方で教えるというのは、考えてみれば乱暴な話です。
外国にある日本語学校では、「みんなの日本語」のシェアはあまり高くないらしい。学習者の母語が同じ場合、その言語で対訳・解説が付されている教科書が使いやすいですからね。
でも、その国の日本語教育の歴史が浅く、よい日本語の教科書がまだ作られていない場合、この「みんなの日本語」を使っているケースもあるようです。
私がミャンマーの日本語学校を訪れたときは、古い「みんなの日本語」(1990年の初版)がコピーされていました。
で、Dも、私がプレゼントした「みんなの日本語」で勉強しようとしたそうですが、使いにくくて挫折。自習用に作られていないから無理もないことです。
〈参考記事〉
ダイレクト・メソッドがベスト?
「みんなの日本語」は、日本にある日本語学校の多くが教科書として採用している、日本語教科書の定番だそうです。
日本語の教科書を紹介しているサイト(リンク)によれば、2018年の調査で、日本語学校456校中338校(74.1%)で「みんなの日本語」を採用しており、圧倒的なシェアを誇っています。
妻が一時手伝っていた、地域の日本語教育ボランティアでもこれが使われていましたし、大型書店にに行くと、「みんなの日本語シリーズ」がずらりと並んでいます。
日本語だけで書かれた本冊以外に、本文・練習問題の対訳、語彙訳、文法解説を収録した各言語版(13言語)があるらしいです。
このシリーズの歴史は古く、1974年に通産省(現経産省)が来日した外国人技術研修生のために作った教科書、『日本語の基礎』が前身で、1990年に『新日本語の基礎』、1998年に『みんなの日本語』となり、現在はその第二版(2012年改訂)が流通しています。
対象はもともと来日した外国人研修生(多くは工場労働者)でしたが、いまは留学生も多くこの本で学んでいるようです。
特徴は…、
1 日本語学校用の教科書であること。
授業で使うことが想定されていて、独学で勉強するための自習書ではありません。
2 ダイレクトメソッドの授業用であること
外国語教育では、授業が学ぶ言語(日本語教育の場合、日本語)だけを使って教える方法(直接法、ダイレクトメソッド)と、学習者の母語を使って教える方法(間接法、インダイレクトメソッド)があります。小中高校の英語の授業はインダイレクトメソッドです。
日本語学校の場合、学習者の国籍と母語はさまざまですから、特定言語で説明するのは難しい。また、教師も学習者の母語が話せる人は少ないので、日本語によるダイレクトメソッドがほとんどです。
「みんなの日本語」はそのような学校で使う前提で作られています。
外国語学習では、生徒の母語と比較しながら、学習言語を説明する方が効果的です。しかし、日本の日本語学校の「教える側の事情」から、ダイレクトメソッドが使われています。
アメリカ人、中国人(漢字が得意)、韓国人・ミャンマー人・モンゴル人(文法がとても似ている)に対して、同じ教科書で同じ教え方で教えるというのは、考えてみれば乱暴な話です。
外国にある日本語学校では、「みんなの日本語」のシェアはあまり高くないらしい。学習者の母語が同じ場合、その言語で対訳・解説が付されている教科書が使いやすいですからね。
でも、その国の日本語教育の歴史が浅く、よい日本語の教科書がまだ作られていない場合、この「みんなの日本語」を使っているケースもあるようです。
私がミャンマーの日本語学校を訪れたときは、古い「みんなの日本語」(1990年の初版)がコピーされていました。
で、Dも、私がプレゼントした「みんなの日本語」で勉強しようとしたそうですが、使いにくくて挫折。自習用に作られていないから無理もないことです。
〈参考記事〉
ダイレクト・メソッドがベスト?
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