来日したD(娘の夫)に新しくプレゼントした学習書が『げんきⅠ第3版』(ジャパンタイムズ、2021年8月刊)です。
帯には、「世界で愛用されている日本語テキストのベストセラー」とあり、シリーズ累計250万部突破だそうです。
ところが、「みんなの日本語」の記事で紹介したサイト(リンク)によれば、2018年の国内日本語学校での教科書採択率はたったの0.4%(みんなの日本語は74.1%)。
それもそのはず、この本は、日本語学校の教科書というより、自習用の学習書なのです。
「本書について」(Introduction)には、次のように記されています。
「本書は主に大学の授業用だが、学校あるいは個人で日本語を学び始めた高校生、社会人にも効果的である。」
著者は5人。関西外国語大学の同僚で、英語圏で日本語教育学などを専攻しています。
対訳・解説は英語で書かれており、英語圏、英語のできる学習者を対象にしています。
初版は1999年刊行。日本で日本語を学習する留学生を対象にし、日本語教師にとって「教えやすい」、学習者にとって「学びやすい」教科書を目指したそうですが、刊行後、海外でも広く使われるようになった、とのこと。
海外(英語圏)の大学、日本語学校で教科書として使われたり、国内外で「独習」する人に使われているのでしょう。
2011年に改訂版が出て、内容の見直しのほか、別売だった音声(MP3)がテキストとセットになったようです。
現在出ているのは2021年の第3版。CDは廃止され、ネットから無料でダウンロードできるようになり、電子テキスト版、その他のアプリも開発されました。
内容は、会話・文法編(1~12課)、読み書き編(1~12課)に分かれ、4技能(聞く・話す・読む・書く)のすべてが習得できるようになっています。
まず会話・文法編を学習し、同じ課番号の読み書き編を学習するのが標準ですが、「当面、漢字の読み書きは要らない」という学習者は、会話・文法編だけ学習することもできるようになっており、いろいろなニーズに応えようとしています。
英語圏の人たちの中には、漢字は悪魔の文字だと言って、最初からあきらめている人もいますからね。
ただ、日本語能力試験を目指すなら、漢字力が必要で、漢字を覚えるためには「書く練習」が有効なので、読み書き編を省略することはできません。
ざっと見たところ、対訳と文法・文化説明は平易な英語で書かれており、英語ネイティブではない学習者でも十分学習可能。日本語の特徴が、英語と比較しながら説明されています。ある程度英語ができる東南アジアなどの学生にも学びやすいでしょう。
逆に、これを教科書として日本語を教えるためには、教師の側に英語力が必要です。日本国内には英語で教えられる教師が少ないので、それが「採択率0.4%」に表れているのだと思われます。
Dは、フィリピンで社会科の高校教師をしていたことがあります。
フィリピンの高等教育(大学)は、教科書がほとんど英語、授業も英語です。学問をある言語で学ぶには、学問に必要な語彙が揃っている必要がありますが、タガログ語は初等教育は可能でも、中等以上の学問のための語彙が整備されていないため、高校以降の教授言語は英語になります。
Dが教えていた高校も、科目は社会でも、教科書は英語、授業も英語とタガログ語が半々だそうです。
まだ学習を始めたばかりですが、「みんなの日本語」よりずっとわかりやすい、と言っています。
Introductionによれば、「げんきⅠ」は日本語能力試験のN5相当、「げんきⅡ」はN4相当ということなので、7月にN5、12月にN4の合格を目指して頑張ってほしいです。
帯には、「世界で愛用されている日本語テキストのベストセラー」とあり、シリーズ累計250万部突破だそうです。
ところが、「みんなの日本語」の記事で紹介したサイト(リンク)によれば、2018年の国内日本語学校での教科書採択率はたったの0.4%(みんなの日本語は74.1%)。
それもそのはず、この本は、日本語学校の教科書というより、自習用の学習書なのです。
「本書について」(Introduction)には、次のように記されています。
「本書は主に大学の授業用だが、学校あるいは個人で日本語を学び始めた高校生、社会人にも効果的である。」
著者は5人。関西外国語大学の同僚で、英語圏で日本語教育学などを専攻しています。
対訳・解説は英語で書かれており、英語圏、英語のできる学習者を対象にしています。
初版は1999年刊行。日本で日本語を学習する留学生を対象にし、日本語教師にとって「教えやすい」、学習者にとって「学びやすい」教科書を目指したそうですが、刊行後、海外でも広く使われるようになった、とのこと。
海外(英語圏)の大学、日本語学校で教科書として使われたり、国内外で「独習」する人に使われているのでしょう。
2011年に改訂版が出て、内容の見直しのほか、別売だった音声(MP3)がテキストとセットになったようです。
現在出ているのは2021年の第3版。CDは廃止され、ネットから無料でダウンロードできるようになり、電子テキスト版、その他のアプリも開発されました。
内容は、会話・文法編(1~12課)、読み書き編(1~12課)に分かれ、4技能(聞く・話す・読む・書く)のすべてが習得できるようになっています。
まず会話・文法編を学習し、同じ課番号の読み書き編を学習するのが標準ですが、「当面、漢字の読み書きは要らない」という学習者は、会話・文法編だけ学習することもできるようになっており、いろいろなニーズに応えようとしています。
英語圏の人たちの中には、漢字は悪魔の文字だと言って、最初からあきらめている人もいますからね。
ただ、日本語能力試験を目指すなら、漢字力が必要で、漢字を覚えるためには「書く練習」が有効なので、読み書き編を省略することはできません。
ざっと見たところ、対訳と文法・文化説明は平易な英語で書かれており、英語ネイティブではない学習者でも十分学習可能。日本語の特徴が、英語と比較しながら説明されています。ある程度英語ができる東南アジアなどの学生にも学びやすいでしょう。
逆に、これを教科書として日本語を教えるためには、教師の側に英語力が必要です。日本国内には英語で教えられる教師が少ないので、それが「採択率0.4%」に表れているのだと思われます。
Dは、フィリピンで社会科の高校教師をしていたことがあります。
フィリピンの高等教育(大学)は、教科書がほとんど英語、授業も英語です。学問をある言語で学ぶには、学問に必要な語彙が揃っている必要がありますが、タガログ語は初等教育は可能でも、中等以上の学問のための語彙が整備されていないため、高校以降の教授言語は英語になります。
Dが教えていた高校も、科目は社会でも、教科書は英語、授業も英語とタガログ語が半々だそうです。
まだ学習を始めたばかりですが、「みんなの日本語」よりずっとわかりやすい、と言っています。
Introductionによれば、「げんきⅠ」は日本語能力試験のN5相当、「げんきⅡ」はN4相当ということなので、7月にN5、12月にN4の合格を目指して頑張ってほしいです。
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