その昔,KCIA(韓国中央情報部)というこわーい組織がありました。
共匪(コンピ=共産匪賊)や反政府活動家を取り締まり,ときには拷問なども辞さない。拷問が行われた取り調べ室は南山の麓にあってので,通称「南山」とも呼ばれて,恐れられていたようです。
私が韓国に来た96年には,KCIAの名前は使われておらず,「国家安全企画部」(略称安企部)といわれていました。その後,金大中大統領のとき,さらに「国家情報院」に改称されました。
当時,地下鉄の中には,必ず安企部発行の小さなポスターがあって,「怪しい人を見かけたら申告(シンゴ신고)しましょう」と呼びかけていました。それを見るたびに,韓国がいまだに「休戦状態」であることを実感したものでした。
「申告」というと,日本では「税金申告」などの用例が思い浮かびますが,韓国では「悪いことを言いつける」という意味で使われることが多く,この場合は「通報」あるいは「密告」と訳すとぴったりとくるようです。
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