新元号発表の日

　新しい元号、令和が発表された日、私は５８歳の誕生日を迎えました。

　あと一か月、何事もなければ、昭和、平成、令和の三つの時代を生きることになります。

　私の祖父母は、明治生まれで、明治・大正・昭和を生きました。私の父は大正生まれでしたが、平成を迎える前に亡くなったので、大正・昭和だけ。母は昭和生まれで、２年前に亡くなったので、昭和・平成だけ。昨年亡くなった兄も昭和・平成。

　４人の娘のうち長女だけが昭和の生まれなので、わが家族で昭和・平成・令和の３時代を生きることになるのは、私と妻と長女の３人になりそうです。

　それはともかく、その日の朝は、会社の入社式に参加する必要があったため、単身赴任先の大阪にいました。

　夜、家で一人でいてもつまらないので、近所の行きつけのバーへ。

　別に前宣伝したわけじゃないのに、だれかが覚えていてくれたようで、店に入るなり、

「お誕生日おめでとうございます！」

の声が。

　いつもバーテンをしている女性スタッフが、厨房から出てきました。

「最近、キッチンにも入ってるんです。今日は、特別にサービスしますよ」

　その後、カウンター席に、別の常連さんが来て、彼には生ビールをおごってもらいました。

「そういえば、アプリ制作に詳しい人を探していましたよね。あそこにいらっしゃる人、うちのウェブサイトを作ってくれた人ですよ」

　話を聞いてみると、自分はWEBデザインしかしないけれども、同じ会社にアプリを作る人もいるとのこと。

　最近、日本語学習のアプリを作りたいなと思っていたのです。

　ざっと話を聞くと、アプリ開発には巨額の開発費（数百万円単位）が必要であることが判明。安易に作れるものではないことがわかりました。

　 結局、特別料理をごちそうになったり、ビールをおごってもらったりしたので、けっこう飲んだのに、会計は１０００円でした。