朝、歯をみがいていて、ふと、チヤクという韓国語を思い出しました。
漢字語で、漢字では「歯薬」と書きます。歯の薬。なるほど。目の前にあるGUMのチューブには英語が書いてあり「dental paste」とある。
はて、日本語はなんだっけ。
「歯磨き」と言うような気がしますが、歯磨きといえば歯を磨く行為のことでしょう。
歯磨き粉? でもこれは「粉」じゃないしなあ。
私が子どものころ、喫煙者だった父と祖父は粉状の「ザクトライオン」というのを使っていましたが、あれがまさに「歯磨き粉」でした。
じゃ、このペースト状のやつは何て言うんだっけ。
日曜日の朝、まだ出かけないで家にいた娘たちに聞いてみました。
「あのさあ、歯みがくときに歯ブラシにつけるやつ、なんて言うんだっけ」
「えっ? ハミガキコでしょ?」
「いや、ハミガキ粉は粉だからちがうよ」
「お父さん、何言ってんの? ハミガキコ以外にありえないでしょう」
「粉じゃないのにおかしくない?」
「それは屁理屈だよ」
「…」
気になって、辞書を引いてみました。まず三省堂国語辞典。「はみがき」という項目がありました。
はみがき ①歯をみがくこと。②歯磨き(①)に使うクリーム・粉
これによれば、クリームと粉をひっくるめて「ハミガキ」ということになっています。
次に新明解国語辞典。
はみがき ①歯を磨くこと(もの)「-楊枝」 ②歯を磨くのに使う粉・クリーム。
と、三国と大同小異。「歯磨き楊枝」とは、歯ブラシのことでしょうか? いずれにしても、歯を磨くときにつかう薬品の集合名詞は「歯磨き」ということになります。
(いや、クリームのほうにも何か名前があったはずだけどなあ)
もやもや感が残ります。新明解は、先の語釈に続いて「かぞえ方」の解説があり、そこに
「歯磨粉は一袋・一缶、練り歯磨は一本」
とありました。
そうだった!
練り歯磨きだ!
そして数えるときは一本、二本…なんだ!!
さすが新明解。疑問を明解に解決してくれました。(しかし、数え方って…)
「みんな、わかったよ! 練り歯磨きだ」
娘たちに調査結果を伝えます。
「なにそれ。聞いたことないよ。他人の前でそんなこと言わないでね。恥ずかしいから」
「…」
50歳を過ぎ、16歳~24歳の娘たちから、
「お父さんの使う日本語はおかしい」
と言われることが多くなりました。
年長者は若輩の使う言葉が乱れていると感じ、若輩は年長者の言葉が古いとか「わけわかんなーい」と感じる。言語使用の宿命とはいえ、さびしい気もします。
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私も以前から、歯磨き粉は時代にそぐわないと感じていましたが、練り歯磨きという妥当な表現まで死語扱いとは。
以前、家族に「さじ」と言ったら、ジジ臭いといわれました。
人生50年の間に使われなくなった言葉っていろいろありますね。
最近、「~よろしく」(「~のように」の意)っていわなくなったなぁと思います。
新明解によれば、
いかにもそのようなかっこうで〔多くは得意げな様子を表す〕「だて男よろしくベレー帽をはぶる」
だて男もベレー帽も古いなあ…
http://www.askul.co.jp/webapp/shops-club/servlet/YProductImgSpreadDisplayView?partNumber=3437893&screenID=GF00601010&pictureType=1
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/179298/m0u/%E3%81%AF%E3%81%BF/
歯ブラシの起源についての解説
http://www8.plala.or.jp/motegishikaiin/perio/haburashi1.html
http://www8.plala.or.jp/motegishikaiin/perio/haburashi2.html
正法眼蔵はずいぶん細かいことまで書いてあるんですね。コーランみたい?