犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

日本語教育能力検定試験

2024-11-02 23:44:23 | 日々の暮らし(2021.2~)

 衆議院選挙の投票日、私は朝早く家を出て、渋谷に向かいました。

 この日は、日本語教育能力検定試験の試験日に当たっていたのです。

 日本語教育能力検定試験というのは、日本国際教育支援協会という公益財団法人が主催する試験。

 漠然と、「定年退職したら日本語教師になるのもいいかな」と思っていたので、受けてみることにしました。

 これとは別に、日本語教師資格の国家試験が今年から始まると伝えられていましたが、実施の詳細がなかなか発表されなかったので、従来からある、この試験を申し込んだのです。

 対策本は2年ほど前に購入してありましたが、3分の1ほど読んで放置。

 試験の3日前になって、やおら取り出しました。日本語や言語学的な部分は知っていることが多かったものの、日本語教授法などについては、初めて見る内容でした。

 試験はマークシートと小論文。聴解試験もあります。

 前日、家にあった「過去問」を取り出してみたら、なんと20年前のもの。

 妻が私より一足早く韓国から帰国したとき、日本語教師も面白そうといって購入したものでした。

(20年前のをやっても意味ないか…)

 結局「対策本」のまとめの問題と、そこにあった聴解の模擬テストだけやって、当日に臨みました。

 会場は、渋谷にある実践女子大学キャンパス。

 中学から大学まで10年間、渋谷を乗換駅として通学し、下車することも多かった渋谷は、庭のようなものでした。その後、就職してからは縁がなくなり、今回も久々に降りてみると、様変わりしていました。

 駅そのものが大きく変わっているだけでなく、新しい高層ビルが林立していました。

 青山大学の隣にある実践女子大学も、近代的な建物。

 9時50分試験開始で、9時30分に指定の教室に着席しました。

 受験者は女性が多く、男性は私のようにけっこう年配の人が多い。

 正面のホワイトボードに、

「スマホの電源を切って、かばんにしまってください」

と大書されていました。

(ん? じゃ時間はどうやって知るの?)

 教室には時計がありません。

 受験票を見返すと、衝撃の事実が。

「必ず持参してください」というリストに、「腕時計」が入っているではありませんか。

 私はふだん、時刻はスマホで見ていて、腕時計は使っていない。もちろん、このときも持っていませんでした。

(まずいな。斜め前の人の時計をチラ見するか…)

 試験前に、受験者はめいめいに「対策本」を開いています。

(あれ、表紙の色がちょっと違うぞ)

 実は私の対策本は「第4版」。ほかの人がもっているのは「第5版」

(ぼくのは古かったんだ!)

 時計の件と合わせ、焦りの気持ちが膨れ上がります。

 試験時間は、

試験Ⅰ 9:50~11:40
試験Ⅱ(聴解) 12:50~13:45
試験Ⅲ 14:25~16:40


 拘束時間7時間、試験時間4時間の長丁場です。

 試験Ⅰは、すべて選択問題ですが、問題数がきわめて多い。じっくり考えているひまはありません。

 終了10分前に、係員が「あと10分です」と告知してくれたのは幸いでした。

(こんなの、対策本に出ていなかったけどなあ…)

 古い本で予習したことが、多少影響したようです。

 終了時間までになんとか全問解答しましたが、自信はありません。

 昼休み、コンビニで買ったお握りを食べながら、妻にLINEをしました。

「ワールドシリーズ、どうなってる?」

 妻は試合経過をLINEで刻々と伝えてくれました。

「なんか、大谷が怪我したみたい。盗塁に失敗して退場した」

「ウソッ!」


 午後は聴解に続いて、小論文。

 なんとか時間内に書き上げましたが、疲れ切りました。

 帰宅したのは19時前。

 総選挙の投票は、時間ギリギリで済ませることができました。

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