犬鍋のヨロマル漫談

ヨロマルとは韓国語で諸言語の意。日本語、韓国語、英語、ロシア語などの言葉と酒・食・歴史にまつわるエッセー。

グリーンカード

2014-04-21 23:10:03 | 日々の暮らし(帰任以後、~2015.4)

 久しぶりに、以前働いていた会社の同期たちと飲みました。

 転職して以来、20年以上の間、一年に数回会っていたのが、このところみなそれぞれ忙しく、1年以上、間があいてしまいました。

 約束時間より遅れて銀座の居酒屋についたとき、すでに3人はできあがっていました。ある話題で盛り上がっていたようですが、途中から話に加わる私はついていけない。

「だからさ、グリーンカードに当たってさ」

「えっ、あの環境保護の?」


「ちがうよ」


 よくビジネスホテルにある、連泊の場合にシーツ取り替えなくていいっていうカードかと思ったのです。

「アメリカの永住権だよ」

 なんでも、米国の永住権(通称グリーンカード)は、毎年一定数、抽選で発行するんだそうです。彼は、5年ぐらいまえにその制度を知り、冗談半分で毎年応募していたら、今年、当たってしまった。

「でも、英語、できたっけ?」

「それがさ、一応面接があるっていうから、聞かれそうなことを一生懸命英作文して覚えて行ったの。そしたら、面接のときに、『英語にしますか、日本語にしますか』って聞くからさ、もちろん日本語にしたよ」


 ようするに、英語ができることは条件ではないのだそうです。さすが移民国家。民族の多様性を高めるために、これまでの移民数が少ない国から、だれでもいいから毎年抽選で移民を受け入れるとのこと。これもまた、アメリカの強さの秘密かもしれません。

「で、移民するの?」

「それがさあ、迷ってるんだよね」


 私と同じ53歳。子供がいないから身軽です。

「住んでいいっていわれても、友だちがいるわけじゃなし、仕事もさがさないとならないし。なんか仕事ないかな、アメリカで」

「そんなもん、あるわけないだろ」


 3人は異口同音に答えます。

「場所は決まってるの?」

「いや、どこでも好きなところに住めるらしい。いちおう、ロスあたりにするかな、日本人多そうだし」


 韓国人なんかと違って、在米日本人はコロニーを作ってないと聞いたことがありますが、ロスには集住地域があるんだろうか。

 実は私もリタイヤしたあと、外国暮らしもいいかなあと思っています。でも、アメリカは考えたことがありませんでした。私が行きたいのは東南アジア。

 少し前に、タイのチェンマイが人気と聞きましたが、日本人の移民が増えたために、不動産価格が高騰して、今ではうま味がなくなっているとか。ミャンマーも興味あるけれど、ちゃんとした病院があるかどうかが不安。

 今年あたりから、候補地の下見旅行をしようかと計画しています。

「ちょっと今回はあきすぎたね」

「半年に一回ぐらいは会おうよ」


「次はロスっていうのはどう?」


「いいね!」


 酔った勢いで、次の同期会はロスということになりましたが、まず実現しないでしょう。


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