コトバヲツグムモノ

「口を噤む」のか「言葉を紡ぐ」のか…さてどちらの転がっていくのか、リスタートしてみましょう。

感じ方はひとつじゃない ~日本PTA近畿ブロック研究大会 in 福知山 1

2011-10-17 20:39:07 | PTA

 

 

 

16日、近Pの研究大会に参加してきました。

8月にあった広島での全国大会も参加したかったんですが、単Pの重要行事「夏祭り」と日程が重なり断念しています。

 

こういう形の大会には初参加です。

結果として、とても充実した日となりました。

 

午前は分科会で、私は「人権」をテーマとした分科会に参加。

パンフの研究課題には

「子どもの『いのち』を脅かす事件が多数起こっている現代社会において、ひとりひとりの尊厳と人権が尊重される社会の実現に向け、あらゆる人権問題の解決に向けた学習活動を促進し、人権尊重を日常の習慣として身につける人権教育の在り方を考える」

と記されています。

 

その分科会わけのシステムはよく分かっていないのですが、それぞれの分科会に担当している地区PTAがあります。

この第3分科会は和歌山県と神戸市。

それぞれの発表と質疑応対があるのですが、大まかなテーマとしての「人権」よりも、発表する地区PTAにある程度内容は任されているようで、最初の発表担当の和歌山県は「人権」という部分へは踏み込んでいない感じでした。

ただ、「地域との連携」という、私の学校や、先のエントリーで話題にした南P連でも重要課題として挙げられている部分に関わるところで、非常に興味もって聞かせてもらいました。

 

しかし、2番目に発表のあった神戸市のものは、私の期待していた「人権」に関わる試みについての話題で、食指の動くものです。

(まぁ突っ込んだところでは「人権」を正面から受け止めるところからは少しズレがありましたが)

 

神戸市のH小学校が、同地域の養護学校(支援学校)の協力を受け、4年生の授業を一こま使って「ハートフルワーク」という活動を行っているというものです。

ものの見え方や聞こえ方が、その人の個別な要素によって、誰もが当たり前と思っている感じかただとは限らない…そういうことを、体験的に学ぼうというもの。

4年生を対象にしているのは、「福祉」ということを学ぶ学年だから。

 

研究発表の内容は、その実現に向けてPTAが苦心している部分と、その達成感を中心に話されますが、私としてはその試みが関心の中心になります。

(もつろん、実現に向けてのPTAの動きも大きな関心ですが)

 

視界を狭めての見え方を体験し、そういう状態の人にはどういうアプローチを心がければよいのか…

そう、まず自分の五感の感じ方が当たり前じゃなく、そうじゃない感じ方もあるということをまず知るのはとても大事なことです。

このあたりは先日の「発達障害」の学びでも感じたところです。

 

こういう自分基準という枠を取っ払うことは、頭で理解していても(それすらしない人も多いのが現状ですが)体感的にわかりません。

それを少し実感的に知っている養護学校の方との交流で、そのきっかけをもらい、少しでも児童らに体験してほしいという願いには心が打たれます。

 

私自身、こういうブログを通じて、すこしでも違った見方があることを伝えようとしていますが、こういう実践的な試みの効果は見習いたいものです。

 

 

今回の研究発表では、いつまでも養護学校の協力負担をかけずに、自分たちで工夫して継続しているという話につながって行きます。

この部分では、確かに負担への配慮は大事かもしれませんが、自分たちの工夫で「養護学校の親やや職員たちが知ってほしいこと、訴えたいこと」が薄まってしまう危険さを感じていました。

時々は、この「知ってほしい、訴えたい」という根っこに立ち返ることも、継続していく上で大事なことだなと。

 

カウンセリングなんかでもそうなんですが、手法や効率にシフトしていくと、大元の理念が薄れてしまう場合がありますから。

 

と、これは批判ではなく、H小学校の試みを受け止めた上で、自分ならどうして行くかということまで思いをはせた上での自戒になってくると思います。

 

 

質疑応答で、この試みに対しての保護者の関心の具合を尋ねてみました。

こういう人権・差別意識の問題は、いくら学校で子どもに伝えていっても、家にいる親が違う考え・行動をもっていては子どもは混乱するだけですし、やはり”親”の影響力は強く、しらずしらず他を貶め、差別し、思いやる心から離れていく結果になります。

だから、実は親にこそこういうワークに参加してもらいたいですし、意識化してもらいたいという願いが私にはあります。

質問の答えとしては、継続していくことで関心を持つ(ワークに参加する)保護者は増えてきているというものでした。

その数字としてはまだまだ満足いくものではないでしょうが、一度に理解してもらうことは当然無理でしょうし、その数字だけで「意味がある・ない」ということを問うことは出来ません。

 

しかし、まず一歩を踏み出さないと何も始まりませんし、継続していくことはさらに大変なことです。

そういう意味で、H小学校のPTAさんにはとても敬意を感じています。

 

「このことを、ぜひ各校の方に伝えてほしい」という言葉が心に残ります。

そう、まずは伝えることからですね。

 

 

不思議なもので、私がこのPTA活動を始めてから、パズルのピースのようにいろんな出会いが生まれています。

そのピースをはめ込んでいくことで、つながりが生まれ、作品になっていくことでしょう。

ちょっと期待をしてしまってる私がいます。

 

 

京都の小P連で何度かご一緒し、ふとした話題からつながりを持った会長さんもこの分科会に参加されていて、名刺交換と言葉を交わさせてもらいました。

不思議なつながりでご縁が出来た支援学校の会長さんとも、行き返りのバスでご一緒し、帰り際に声を掛け合っています。

 

私一人で一歩を踏み出すのは大変ですが、無理せず足場を固めるところから…理想の到達点もイメージしながら動いてみたいなと。

 

 

 

午後のプログラムもいろいろ刺激がありましたが、まずはここまで。

 

追記:神戸市PTA協議会のサイトにこの分科会の様子がアップされていました。

http://www.pta-kobe.jp/cgi-bin/news/index.cgi?mode=preview&select=1318819691