コトバヲツグムモノ

「口を噤む」のか「言葉を紡ぐ」のか…さてどちらの転がっていくのか、リスタートしてみましょう。

ミニカン2回目 エスカレータに思う

2013-05-16 01:18:12 | ミニカウンセリング

 

世話役が一名欠席があったが、参加者は全員そろった2回目。
いよいよミニカウンセリングの実習を体験していただいた。

今までの先生は、「手探りで不安でもまず体感」していただく形で進めていたが、私はちょっとだけおせっかいして「意識して欲しいこと」を先に少し話して実践していただいた。
それが良いことかどうかは、いずれ結果として現れるかもしれない。

2回のセッションを行い、初めてミニカンに参加された方をおふたり組ませていただいた。
技法としては当然ぎこちないが、カウンセリングを学ぼうという気持ちはひしひしと伝わってきた。
今後のために、いくつかの課題も提示させていただけたので、再び組むことができたときが楽しみだ。

で、片方の方にクライエント役としてお話したことが「今日感じたことをブログにしたいので、ここで話しさえてもらいます」ということで、それをついでにブログの話題にしておく。

 

ミニカンやエンカウンターの場面でしばしば話題にする「エスカレーターの使い方」について、この日電車で出張に行く際にいろいろ考えていた。

エスカレーターは立ち止まって乗るもの
これがまず基本である。
数年前までは「右側はお急ぎの方のためにお空けください」などのアナウンスも流れていたが、数年前より事故防止のためにこのアナウンスはなくなった。
また「手すりを持ってお乗りください」などと、じっと乗ることを推奨してきている。
しかし、「歩くな」という積極的な働きはない。

長年刷り込まれた意識は強く、今でもエスカレーターに乗る人は片側を開けている。
そのために、とまって乗りたい人の側には長蛇の列ができ、片側は誰も使っていないという状況が起きている
駅のエスカレータなど、電車が着いていっぱいの人が利用しようとしているのに。

仮に20段あるとして、両方にちゃんと乗れば20人が利用できる。
しかし、何煮に遠慮してか10人片側に乗り、その後ろに10人並んで待っているという具合だ。

という状況に対していろいろ考えていた。

まず、PTAという立場で。
子どもには正しいことは正しいと教えることは大事である。
マナー・モラル・ルールをちゃんと知って、守る。
もちろん、大人がその規範を示す必要がある。
だから「エスカレーターは立ち止まって乗るもの」という公共のルールを教え、それを守ることを示す。
遠慮なく、子どもと並んで横に広がって乗る。
駆け上がってくる輩が居ようとも、こちらは間違っていないから引かない。
時折「ちっ」といわれることもあるが、正しくない使い方で事故に巻き込まれたら溜まったものではない。

でも、子どもからしたらみんなが片側空けてるのにそれをふさいでるのは心配らしく「お父さん、空けなくていいの?」と言ってくる。
正しいことは伝えながらも、社会で敵を作る必要がないのでそこは子どもの気持ちを汲んで諍いは避ける。
でも、正しいことは何かはしっかり示したい。

次にカウンセラーの立場として。
カウンセリングで学んでいることは「相手の気持ちを大事にする」ということだ。
こちらの思いは置いておいて、「あなたはこう思うんですね」ということを重視する。
それは正しい・正しくないの価値基準じゃなく、相手の価値観をも認めるというもの。
そうすると、エスカレーターを駆け上がってでも早く移動したい方の気持ちは…
乗り換えのために、ここで走れば間に合うのに…
もちろん、そういう方は階段が横にある。
しかし、階段を上がるスピードにエスカレータの移動速度が加われば…
となると、私はモラル違反だと思っても、その方の「急ぎたい」気持ちを受け止めるべきなのか。

さらに思いは仏教(真宗)的な思考に入っていく。
ようは、自分が正しいということを示したいがために、周りとの協調を損ねてしまう考え方に支配されている私の姿…
自分中心の考え方はおそろしいものだ。
ではどういう風に動いていくか…
「あなたがエスカレーターを駆け上がることで、いらいらする私が居る。
私の中にこんな怒りや苛立ちの心があることを教えてくれてありがとう」
そう、外の世界を通じて内省の世界へと飛躍する。
そして…
「こんな私なのに、そんなものをこそお目当てだと願ってくださる。
あぁ、南無阿弥陀仏」
と。

別に宗教的なトランスではなく、内省ということは自分のありのままの姿を直視することで、そんな過酷なことをできるだけの「赦し」と出会うことであったりする。


などと、いろいろ考えていった先に、もうひとつの境地が訪れる。

私の心・思いはコロコロ変わって、いかにもそれらしい理屈をつけて回る。
でも、「今はどの立場」なんて割り切るものじゃなく、全部が私を構成している思いだ。

そして結論。
健康のために階段使えばいいじゃん。


最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
関連記事がありました (MANU.)
2013-06-07 00:09:56
Yahooニュース見てたらこんな記事が

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130606-00000041-mai-soci
返信する

コメントを投稿