Chemin♪お菓子の小径(シュマン♪おかしのこみち)

スウイーツ&ティー・ラボ 少人数のお菓子レッスン、さまざまなお茶、ティータイムの楽しみ方、シュガークラフト

練り切り「むべなるかな」

2024年11月09日 | 和菓子

11月。昼間はさわやかに朝晩は冷え込んで・・・これから神戸も紅葉が進んでまいります。

さて今日ご紹介するのは10月にお作りした練り切りです。

菓名「むべなるかな」

この言葉の語源は、その昔、天智天皇が琵琶湖南部の蒲生野(かもうの)(現滋賀県東近江市一帯)へ狩りに出かけた際、立ち寄られた奥島山で出会われた大変元気な老夫婦に健勝の理由をお聞きになられました。

その老夫婦は「この地で採れる無病長寿の果物を、毎年秋に食べているからです」と答え、果物を献上した。それを賞味された天皇が「むべなるかな(もっともだな)」と言われたことから、その果物が「むべ」と呼ばれるようになったと言われているそうです。

 

その後宮廷に毎年献上するように命じられた・・という記述を見ましたが、今はごく一部でしか収穫されない幻の果物とか・・。

「むべ」はアケビの仲間とか。

芦屋光風庵の近藤宗紀先生から、神無月に初めての茶事を行うので主菓子として「むべ」の練りきりをお願いしますとご依頼をいただきお作りしました。

写真を拝見するのみで、むべの実物もお味もわかりませんが、天智天皇が思わずつぶやかれた御言葉が名前の由来とは。なんとめでたい長寿の果物。

漉し餡を白い練りきりとむべのイメージの練りきりで包むように作りました。

「むべ」と聞くと

吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を 嵐といふらむ   文屋康秀 古今集

この一首を思い出します。

山から秋風が吹き降りてくると、たちまち草木がしおれ枯れ始める。なるほど、だから山風を草木をあらす「荒らし」「嵐」というのだなぁ・・

面白い歌だなぁと印象に残っていただけですが、まさかこの歌のなかの「むべ」という言葉から名前がついた果物があったとは。

ひとは初めて見たものに「名」をつけてきましたが、この名の由来もわかると面白いものだなぁと秋の空を眺めながら思いました。

近藤宗紀先生、光風庵にて初めての茶事、おめでとうございます。

大切な会のお菓子をお任せいただきありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

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練り切り「菊花」☆秋ですね~(*^-^*)

2024年10月14日 | 和菓子

10月。昔の!?体育の日も過ぎて秋らしさはぐっと増しましたが昼間は暑さが残ります。

とはいえ「秋ですね~!」

この言葉がうれしい気候となりました。

写真は先月作った菊の練り切り。

へらで模様をつけるので「へら菊」と呼んでいます。

1年に一回しか作らない、しかも今回はたった1個、自分のお茶時間のために作りました(*^-^*)

信楽の大西左朗さん作の小さな小さな急須で淹れたのは「恩賜玉露」

我が家の「姫」💓この小さな急須は穴窯で何日も炎にさらされていたとは思えない美しさ。(お菓子にピントが合ってしまってごめんなさい)

こちらは喫茶去裏の皆様の重陽お茶会にお作りした練り切り「ハサミ菊」。

文字通り、製菓用のハサミで花びらを1枚1枚切って形作ります。

なんちゃって練り切りなので完成度の低さはご容赦を(;^_^A

10日、11日は四日市、甲賀、信楽、大津・・・お茶と陶器、茶器三昧の贅沢な2日間。

写真は山本広巳さんのアトリエで奥さまが淹れてくださったお茶。

美しい瑠璃色の茶杯にうっとり。

こちらは信楽の大西左朗さんが穴窯の窯入れ作業の合間に淹れてくださった黄山毛峰。

彼岸花が美しく咲いている信楽の里でいただくお茶も格別でした。

伺った11日はまだ窯の中にはこれからたくさんの作品が入るそう。

入れ終わったらこの周りの松の薪がくべられ、その炎が約5日間燃え続けるそうです。

炎と土との格闘のようです。

甲賀、土山の茶農家さんの工場ではお茶と向き合う真剣な作業を見守らせていただきました。

これから気温が下がるごとにお茶の香味も変わってゆくのかもしれません。

あぁ~秋ですね~(*^-^*)

 

 

 

 

 

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練り切り「菖蒲」☆喫茶去裏 時々和菓子

2024年05月29日 | 和菓子

台風一過。さわやかな神戸です。

なんだかもうずっと前のような気がしますが・・・5月喫茶去裏のみなさまのお稽古にお作りした和菓子。

練り切り「菖蒲」

今回もYouTubeをいろいろ参考にさせていただきお作りしました。

「菖蒲」を「しょうぶ」と読むか「あやめ」と読むか・・はみなさまにお任せ。

実際作っていて「あやめ」と「しょうぶ」の違いがよく分からなかったのでした(^^ゞ

家での撮影はギャラリー風来さんで買い求めたガラス作家山口未来さんのガラスの器で♪

ポチポチと入れられた模様が雨や水を思わせる。

本当は「運針」のイメージだそうです」(*^-^*)

お稽古時にはこんな風に盛り付けてくださいました。

涼しげです(*^-^*)

毎回、なんちゃって主菓子で申し訳ないのですが、みなさん美味しいよ!と喜んで下さるのがうれしくてついついまた来月も・・・頑張ります♪

喫茶去裏のみなさま、ありがとうございました。

 

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喫茶去お茶会3月のお菓子☆時々和菓子

2024年03月29日 | 和菓子

3月も末。

今日の神戸は午後から春らしい陽気になりました(*^-^*)

昨日、藍hanaさんで行われた喫茶去お茶会。

今月は主菓子、御干菓子の両方をおつくりさせていただきました。

主菓子は「春の里」

外郎(ういろう)、白あん

若草、菜の花、桃の花・・・

温かくなった外に出た幼子が嬉しそうに見ている春の色

初めて作る外郎生地。

固くならないようしっとり作るのはむつかしいですね~

御干菓子は「州浜」

関西は旧暦のお雛様を祝う家も多いので我が家もまだお雛様を飾っています。

求肥入りの州浜。

写真では大きく見えますがおちょぼ口がぴったりの大きさです(笑)

みなさま、楽しくお茶とお菓子を楽しまれたご様子です。

つたないお菓子ですが喜んでいただけてとても嬉しいです。

ありがとうございました(*^-^*)

 

 

 

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練り切り 福梅☆如月のお菓子

2024年02月10日 | 和菓子

「無事」

節分、立春を迎えると感謝とともにこの二文字を思います。

暦の上では春ですね!

2月最初の投稿は「和菓子」です。

喫茶去・表「節分御茶会」の主菓子をお作りいたしました。

如月のお菓子はいろいろあるけれど、やっぱり「梅の花」

ぷっくり可愛い「福梅」

白梅と紅梅

生地は練り切りです。

福梅のぷっくりは「外郎」のほうが雰囲気出るなぁと思ったのですが

外郎生地をしっとり柔らかく作る自信がなく、作り慣れた練り切りにしました。

福梅の中餡は梅と赤紫蘇風味のこし餡です。

今回御茶会には所用があり参加できなかったので・・・

たまにはお自服(*^-^*)

お福さんもふくふくにっこり(*^-^*)

お玄関には「お福さん」と「姥鬼」

姥鬼は、神戸の長田神社で毎年行われる古式追儺式に登場する鬼の一匹です。

長田神社、長田さんの追儺式の鬼は7匹いて、松明と太刀で禍を払ってくれる神様のお使いです。

なので我が家の豆まきは「鬼は外~」とは言いません(*^-^*)

今年も無事に春を迎えられました。

本格的に温かくなるまではまだまだ要注意。

インフルエンザ、コロナも流行っています。

みなさまもご自愛ください。

 

 

 

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亥の子餅と雲平・吹き寄せ☆炉開きのお菓子

2023年11月20日 | 和菓子

あんなに暖かだったけれど11月も半ばを過ぎるとコートや暖房が必要になってきました。

立冬を過ぎたので季節の上では「冬」ですね~。

さて11月はお茶、茶道の世界では「炉開き」「口切り」とおめでたい行事が続きます。

藍hanaさんの「喫茶去裏」さんのお茶会も炉開き。

主菓子は「亥の子餅」、干菓子は「雲平」で吹き寄せをお作りしました。

11月の最初の亥の日、亥の刻にイノシシの子供のような形をした「亥の子餅」を食べると万病から逃れられるといわれていました。

また「亥」は中国の陰陽五行では「水」にあたることから「火災を逃れる」と言われていることから、火を使う炉開きには縁起のよいお菓子です。

亥の子なのでぷっくり可愛いフォルムを目指して・・・

控えめなシナモンの香りと黒ゴマ風味の求肥には亥の子模様を焼き付けました。

中の漉し餡には、栗の渋皮煮とドライ無花果を入れて風味と食感を豊かに。

餡子にいろいろ入れるのは子孫繁栄の願いも込めているそうです。

干菓子には雲平を鮮やかな色で作って錦秋を表現してみました。

味は甘い・・・だけですが(笑)

小さいけれど鮮やかなお菓子を指でつまむとなんだかウキウキいたします(*^-^*)

お茶会のお菓子を作るようになって半年。

毎回、手探りでお作りしていますが季節感を大切にすることがとても楽しいです。

次回は2月。

新しい年、春のお菓子だなぁ。

1年、早いものですね。

今年もあと1か月と少し♪大切に過ごしたいです。

 

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中秋の名月☆ウサギの干菓子・菊の練り切り

2023年09月29日 | 和菓子

今夜は中秋の名月(*^-^*)

さきほど友人から「今夜は中秋の名月で牡羊座の満月ですよ」と♪

すると別の友人からも「18:56頃満月になって21時までが見頃!」との情報が(*^-^*)

うっかり見損ねなくてよかった~!

東の窓をあけてスタンバイしながらブログを更新しています。

今日は先日21日にお作りした「喫茶去裏」のみなさまの主菓子と干菓子です。

9月、重陽の節句の月でもあるので主菓子は「菊花」の練り切り

ピンク色の菊の花

三角棒という器具を使うのですが、持っていない(早く買おうよ!)ので

マジパンスティックでの細工(;^_^A

撮影のため、お皿に移すときにうっかり花びらを傷つけてしまいました💦

和菓子は柔らかく繊細なので移すのも慎重にせねばなりません(猛反省)

お干菓子は初めての試み「押しもの」

和三盆糖の月うさぎ

まだ和菓子を作るなんて夢にも思っていなかった6年ほど前にお店で見かけた陶器の型。

あまりの可愛さに使い道も知らぬままに買ったものが役に立ちました(*^-^*)

固すぎてもダメ、柔らかすぎてもダメ

でも作り出すと面白くてたくさん作っちゃいました\(^o^)/

撮影用の練りきりはお茶とともに美味しく試食いたしました♪

こうしてブログを書いていると東の空から大きな金色のお月様が山の端からお顔を出されました。

リビングでパソコンを打ちながら中秋の名月を見られるのがちょっと自慢(笑)

写真はむつかしくてうまく撮れません。

ではみなさまもどうぞよいお月見をなさってくださいませ♪

 

 

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時々和菓子☆水無月「紫陽花」

2023年06月16日 | 和菓子

水無月も半分過ぎ、湿気と蒸し暑い日が交互に続きます。

お茶の復習会 喫茶去「表」の主菓子を作らせていただきました。

「紫陽花」

涼しい気持ちでお茶を楽しんでいただけますように♪

最初はピンチヒッターで作り始めた茶事のお菓子も6月で3か月目

少々不格好でもみなさん、喜んで下さることに励まされています。

昨年、夏に藍で染めたランナーがいい感じとお菓子教室にお越しになられた生徒さんたちに好評~(*^-^*)

嬉しい~💓

白でランダムに抜いたところが清流を泳ぐお魚に見えませんか・・・!?(*^-^*)

 

 

 

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