日々茫然

猫・本・アート・日常生活などを、つれづれと思いつくままに記録

2024年9月に読んだ本

2024-11-25 | 本と漫画の話
9月に読んだ本、上げるの忘れてた。
9月を上げていなかったのに、「10月のまとめ上げないと、もう11月が終わる!!」って焦ってた。
それくらいあっという間に月日が過ぎているのだ…。

 恐ろしい。

日付を修正すれば誤魔化せるけど、自戒も込めてこのまま上げることにします。


9月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:2020
ナイス数:91

狐花 葉不見冥府路行狐花 葉不見冥府路行
★4 歌舞伎のために書き下ろされた作品。そのため、話もあまり複雑ではなく、厚みも比較的薄くて、読後の実感としては短編を読んだ時くらい(当社比ならぬ京極比で笑)。妖怪は出ないけど、巷説シリーズの中編一本分くらいかな。読みやすかった。京極堂の曾祖父・中禪寺洲齋登場。事件とは無関係の謎解き役ではなく、登場人物と関連性があるのが意外性があって驚いた。 
【あらすじ】作事奉行・上月監物の娘・雪乃は、墓参の際に見かける、真紅の彼岸花を染め付けた着物を纏う美しい顔の男に興味を惹かれていた。一方雪乃付きの女中・お葉は、男を見て顔色を変え、病みついてしまう。衰弱したお葉は、近江屋の娘・登紀と辰巳屋の娘・実祢に会いたいと願う。これを知った監物は、過去の悪行と何か関わりがあるのではと疑う。監物の側近・的場は、謎の解明のため武蔵晴明神社の宮守・中禪寺洲齋を招く。彼らの周囲に度々姿を現す謎の男、萩之介は、“この世に居るはずのない男”だったー。
読了日:09月03日 著者:京極 夏彦

 
猫と紳士のティールーム (4) (ゼノンコミックス)猫と紳士のティールーム (4) (ゼノンコミックス)
★3.5 男性客来店!常連さんの上司だったか。仕事以外で職場の人と会うのは確かにしんどい。気を使ってくれる良い上司だな。カップル(未満)客も、2人の関係性と会話が面白かった。ツッコミのような言葉は棘になることもあるので、受け取り手が全く意に介してなさそうなのが絶妙なバランス。アフタヌーンティー回では、瀧さんのお兄さんの会社にパワハラ疑惑?!きっちり厳しく報告、監査依頼をするところ、会社役員としても仕事のできる人だったんだろうな。姪っ子さんも登場。二人して蘊蓄語りを始めて、戸惑うキームン君が可愛かった。
眼鏡なし&厳しい表情の瀧さんの破壊力!(ちょっとインド映画の推しの面影を見た笑)
読了日:09月03日 著者:モリコロス


了巷説百物語了巷説百物語
★4 思ってた以上に重かった(物理)。1149ページ、約1kg。腕や肩、首をやられた笑。でも巷説シリーズオールスター総出演って感じで面白かった。ただ、馴染みのキャラが何人かやられて、しんどかった。序盤は藤兵衛が又市一味を探るため過去の事件にゆかりの場所や人物を辿っていて、この流れで又市を追い詰めちゃうのかと思いきや、疑念は解けて手を引く。しかし一旦関わってしまったために、大きな争いに巻き込まれてしまう。さらに中禅寺洲斎まで登場。アベンジャーズ状態。
敵はあまりにも強大で、悪人の背後や周りにも悪人がゾロゾロ。さぞかし悪い奴らだろうと思えば、思想や理想があり必ずしも悪事を目論んでいるとは限らない者もいる。しかし目的のためには犠牲を厭わない。黒幕も、辿り着いてみれば大して悪人然ともしていなかった。でもやってきたことは悪魔の所業でしかなく、あまりにも犠牲が多すぎた。やるせない。そして推しは今回もラストにチラッとだけ。シリーズ最終作でこれはちょっと寂しかったかな。
【あらすじ】下総国に暮らす狐狩りの名人・稲荷藤兵衛には、裏の渡世がある。嘘を見破り旧悪醜聞を暴き出すことから“洞観屋”と呼ばれていた。ある日、藤兵衛に依頼が持ち込まれる。老中首座・水野忠邦による大改革を妨害する者どもを炙り出してくれというのだ。敵は、妖物を操り衆生を惑わし、人心を恣にする者たちー。依頼を引き受け江戸に出た藤兵衛は、化け物遣い一味と遭遇する。やがて武蔵晴明神社の陰陽師・中禪寺洲齋と出会い、とある商家の憑き物落としに立ち会うこととなるがー。化け物遣い、最大にして最後の大仕事が幕を開ける!
読了日:09月12日 著者:京極 夏彦


おすしが あるひ たびにでた (MOEのえほん)おすしが あるひ たびにでた (MOEのえほん)
★4 『おすしがふくをかいにきた』の第2弾。おすしが、ふるさとの「おすシティ」を目指して旅に出て、道中山登りをしたり海に行ったり、雪山でスノボしたり、砂漠で探検したり、色々な場所で色々な体験をする。ミニチュアで“見立て”た情景が面白い。今回も、おじさんと芝犬に注目!だった。
読了日:09月16日 著者:田中達也


呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校 (ジャンプコミックス)呪術廻戦 0 東京都立呪術高等専門学校 (ジャンプコミックス)
★3.5 完結間近で、本編が最新話まで数十話ずつ段階的に無料開放されていた。この作品は、中盤から登場する乙骨憂太が主人公の、本編の前日譚。本編で言及されていた「百鬼夜行」を描いたエピソード。乙骨の過去が気になり電子版を購入した。本編で、この時五条先生が夏油を殺したとあったけど、ほとんど乙骨が倒したようなものでビックリした。里香ちゃん凄いな。本編の強敵・夏油は器だけで中身は別人だから、本物はこんな感じだったのか。 
《幼馴染の「里香」の呪霊に取り憑かれた乙骨が、呪術高専に編入し、戦い方や呪霊との向き合い方を学んで成長していく。一方高専を追放された呪詛師・夏油が不穏な動きを見せ…》本編では虎杖の先輩になる、真希、狗巻、パンダが同級生。まだ3人ともそこまで強者感がなくて高校生らしいし、友情が育まれていく様子が良かった。本編は虎杖が早々に離脱して単独行動になり、学校生活がほぼ描かれずに戦いに明け暮れていったから、こういうの欲しかったな。
読了日:09月17日 著者:芥見 下々


馬刺しが食べたい (ジャンプコミックス)馬刺しが食べたい (ジャンプコミックス)
★4 食べ物の絵を描く女子と強面偏食男子の友情?ストーリー。馬刺しが食べたくなった笑。1冊で完結なので展開に駆け足感はあったけど、その分まとまりも良く、面白かった《何気なく描いた「馬刺し」の絵が絵画展で大賞を取ってしまい、校内に飾られ「馬刺しの人」として知れ渡ってしまったかえで。その絵を周囲から恐れられている強面の竹内が見つめていた。後日竹内に呼び出されビビりながら会いにいくと、意外な依頼を受ける》 
恥ずかしい、もっとちゃんとした絵でバズりたかった、と後ろ向きだったかえでが、絵を褒められ感謝される体験を通して、自信をつけ、目標も見つける。家族思いで努力家な竹内も好感が持てる。2人の関係性を、安易に恋愛で落とさないのも良かった。/作画もユニーク。かえでは可愛い顔なのに、頻繁に二重顎の変顔になる。電子版だとかえでの作品が要所でカラーになっているのもインパクトがあった(紙の本もそうなっているかは不明)。
読了日:09月22日 著者:桜井 さよる


呪術廻戦 コミック 1-28巻セット呪術廻戦 コミック 1-28巻セット
★3.5 連載が完結間近となり、無料開放キャンペーンで読んだ。以前読んだ時は序盤で脱落したけど、再チャレンジ。無料にならない245話以降は課金して(定期購読1ヶ月分)最終話まで読了。「術式」やら「領域」やらの理屈が難解で直感的に理解できないのがちょっと苦痛だけど、スピード感がある展開なので、ややこしい所は気にしないで雰囲気だけ掴んで読み進めるようにして、なんとか付いていけた。以下ざっくりとした感想(ネタバレ注意) →
脹相が好きだな。やっぱりお兄ちゃんキャラに弱い/羂索の最期そんなんでいいんか?(困惑)/宿儺の最期≒無惨様/シリアス展開中にブッ込まれるギャグ展開(相撲とか漫才とか)の高低差がエグい。「一体何を読まされているんだ?」って宇宙猫になる。バトル漫画でもコミカルな展開はあるけど、基本日常回であって、戦いの真っ只中、しかもキャラが劇的な成長を遂げる場面や、強敵を倒す場面など、普通なら格好よく痺れる展開にするであろう、とんでもないタイミングで投入される。急にシュールな夢でも見始めたのかと思う。
→術式だの領域だの難解な世界観を構築し、エグいほどの鬱展開を見せつけておいて、突然重要な場面でアホみたいに外してくる。キャラによっては術式や存在自体がギャグ漫画みたいな、場違いでふざけてるとしか思えないようなのもいる。でもそれが効果的に使われてたりする。このセンスは唯一無二かもしれない。(好みは分かれそうだけど、ハマると癖になるのかも)

読了日:09月24日 著者:芥見下々

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2024年10月に読んだ本

2024-11-24 | 本と漫画の話

これをまとめている現在、すでに11月も後半に突入していて、もはや年末の雰囲気。
1年が早い早すぎる。


10月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1074
ナイス数:70

もののけdiaryもののけdiary
★4 京極夏彦(文)石黒亜矢子(絵)で、『稲生物怪録』をベースにした物語絵本。次々と怪異が起きる家で30日を過ごした平太郎の話。何が起きても全く動じない豪胆な平太郎が、キリッとした美少年に描かれていて、なんか良い。怖がるでもなく、退治しようと意気がるでもなく、ただ迷惑してる感じが面白い。無視して寝てしまったりする。本の作りも凝っていて、右ページがさらに開いて、3ページ分の横長画面になるので、絵巻物の雰囲気が味わえる。漢字にはふりがながふってあるけど、文章自体は長めで文字も小さめ。 
3年生の姪っ子に見せると、1人で読めたし面白かったらしいです。
読了日:10月03日 著者:京極夏彦

 
病葉草紙病葉草紙
★3.5 真実を表沙汰にするには差し障りのある事件を『針聞書』(病は体の中で虫が悪さをすると考えられ、その治療法を記した書物)に出てくる虫になぞらえて解決する連作短編。京極堂でいう妖怪の役割を虫に置き換えた筋立て。
《隠居した父の代わりに長屋の差配をする藤介。店子の1人、本草学者の久瀬棠庵は、ほとんど外に出ず書物机の前から動かない。棠庵の生存確認のため様子を見に行くのが藤介の日課。長屋や周辺で起きた事件や厄介事について話すと、棠庵は原因は虫だと言いーー》 
長屋が舞台だからか、比較的ライトな話が多かった。棠庵は京極堂に似たところがあるけど、人の心の機微に疎い。心の動きを知識として知ってはいるが理解はしていない、まるでロボットのよう。言葉も額面通りにしか受け取らない。藤介は逆に人の顔色を読んで波風を立てないよう立ち回るタイプ。徐々に藤介が棠庵の癖のある人柄を理解していくのが分かって面白い。最終話はなんと藤介が問題を解決する。これは斬新だった。
読了日:10月15日 著者:京極 夏彦

 
折り紙キャッツ&ドッグス プレミアム折り紙キャッツ&ドッグス プレミアム
★4 Xで見かけた「つままれる猫」を作ってみたくて、図書館で借りた。どれもリアルで難易度高め。手始めに最初に出てくる「おすわりネコ」(難易度2)にチャレンジしたけど、これですら四苦八苦して、なんとか完成。目当ての「つままれにゃんこ」は難易度4なので怯んで、もう1つ難易度2の「白黒ネコ」にチャレンジするも、仕上げの手足の先でギブアップ。返却期限が来たので、つままれ猫はチャレンジすらできず終わった。いつかリベンジしたい。 
失敗の敗因は、一般的な折り紙(15×15cm)でやったことかな。折り方のページに、それぞれ推奨サイズが書いてあり、小さいものでも25cm四方、大きいものだと45cmの紙推奨だった。次は大きい紙を用意して挑みます。
読了日:10月20日 著者:山口 真

 
女の園の星 4 (フィールコミックス)女の園の星 4 (フィールコミックス)
★4 今回も笑った!特に先生たちが卒業アルバム用の写真を撮る話。真珠と肩パッドwww数学科の3人並んだところwwwあと眼鏡を買いに行く話。酔って買っちゃった星先生の予備の眼鏡、よくこれで出歩く気になったなwww、眼鏡店員として有能な古森さんのお兄さん(通りすがり)。お兄さん、仕事はちゃんとできそうなのに、なぜ無職なのだろうか。この話では中村先生が一番常識人に見えてくる。そういえば星先生は眼鏡買いそびれてたけど、買い直すまで、あの眼鏡で過ごしたのだろうか。
読了日:10月21日 著者:和山やま

 
葉っぱ切り絵いきものずかん葉っぱ切り絵いきものずかん
★4 葉っぱ切り絵の作品集。図鑑のように、海や森、水辺、空などのジャンルに分けて動物をモチーフにした物語風の葉っぱ切り絵を掲載している。まるで絵本の場面のような、可愛らしくてほっこりする絵柄で、癒される。細部は驚くほど緻密で繊細。繊細な細工の部分と葉っぱとして残された部分、大きく切り取られた空間などの構成やバランスがセンスあるなぁと思う。
先日念願の作品展にも行ってきたけど、やっぱり実物はさらに凄みがあった。簡単にポロッと折れちゃいそうな極細の線で繋がっていたりする。どれだけ集中力のいる作業だろうか。気が遠くなりそう。超絶技巧。
読了日:10月26日 著者:リト@葉っぱ切り絵

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2024年8月に読んだ本

2024-09-13 | 本と漫画の話

8月も漫画しか読んでなかった…

暑かった(現在進行形)ことしか記憶にないくらい暑さにやられてました。
夏を乗り切れれば万々歳。


8月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:1268
ナイス数:98

税金で買った本(12) (ヤングマガジンKC)税金で買った本(12) (ヤングマガジンKC)
★3.5 読書感想文とパン神にまつわる話の続きから。ぱーんちゃんの中の人は、特に何か因縁があるわけではなく、単に横の繋がりで石平君を知ってただけの、高校の司書さんだった。石平君が見てた夢?幻覚?のぱーんちゃんが不穏なだけだったのか。突然のエログロな表現に驚く。なんで幻覚?なんだろうなぁ。その件含めて最後はサラッと済まされてしまった。長く続いたエピソードだけに、ちょっと消化不良。/ここの図書館はレシートが出るんだなぁ。借りた本と期限とか印字されてるのかな。スクラップしたら読書記録として使えそうでいいな/凝った装丁の本のブッカーかけ、確かに難儀だ。工夫してカバー裏とかが見えるようにしてあると、すごく嬉しい。大体帯は外されてるけど、最近は帯もデザインの一部になってたりするから難しそうだな/休日の白井さんの一日。私も基本月曜日休みだからめちゃくちゃ共感した。 
《学校図書館第234号/かんたんリサイクル工作/調査と分析がわかる本/泊まりたい人気の宿BEST100/戦後日本の出版史第一巻/第二巻/私の顔は誰も知らない/週休二日制と公立図書館職員/高校の図書室と白井くん》タイトルが実在の書名になってるけど、最近はその本が登場しない話も結構あるな。
読了日:08月10日 著者:系山 冏
 

ミステリと言う勿れ (14) (フラワーコミックスα)ミステリと言う勿れ (14) (フラワーコミックスα)
★3.5 妻の実家へ向かっていた池本はトンネルの崩落事故に遭遇。中に人が残っていないか確認に入り、入口側も土砂で埋まって閉じ込められてしまう。中には数名の生存者。さらに射殺された死体を発見。生存者の中に、銃を持った殺人犯が?整君ならどう見るか?と思考を巡らせる池本。エア整が案外効果的/「幕の内」刑事の乙部さんの話。いるよね悪気なく言っちゃダメなこと言う人。そんな日常回かと思いきや、結構重要な絡みが。乙部さんが鳴子と接触!さらに整君とも!そして喜和さんと姉弟という衝撃の事実。さらにガロ君まで!情報量!/整君が誕生日と知ったライカさんの提案で、ケーキを買って、整の大学へ。そこで過去に起きた事件が話題に。当時を知る守衛さんから話を聞き、さらに詳しい話は、天達先生(死んだ2人の同期)が知っているという。/気になるところで次巻へ。鳴子は天達先生の教え子だというし、色々繋がってきた?
読了日:08月14日 著者:田村 由美

 
三島屋変調百物語 1 (BRIDGE COMICS)三島屋変調百物語 1 (BRIDGE COMICS)
★4 宮部みゆきの三島屋シリーズのコミカライズ。原作が好きで、漫画化してると知り読んでみた。絵も綺麗で、ストーリーもうまく纏めてあって、読みやすい。1作目を読んだのは随分昔(2009年に再読したらしいので、初読みはもっと前)で、内容はほとんど覚えていなかったため、初めて読んだくらいの新鮮さで読んだ。
《事情があって叔父の店「三島屋」で暮らすおちか。ある時叔父の名代として客人をもてなすことに。その客は庭に咲く彼岸花を見て顔色をなくし…。彼岸花にまつわる身の上話を聞くことになるおちか》
1件目のあと、叔父は黒白の間で不思議な体験談を聞き集めるという趣向を思いつく。聞き手はおちか。過去につらい経験をしたおちかが、似たような体験をした人達の話を聞くことで、過去と向き合い、心の整理をつけ、立ち直るきっかけになるのではないか、という叔父の計らい。こうして百物語収集は始まった。2人目は怪しい屋敷と鍵に関わることになった錠前屋一家の話。/この一大シリーズをコミカライズとは、果てしないなと思ったけど、1冊目でおちかの過去は確か一区切りするし、そこまでで終わるのかもな。
読了日:08月16日 著者:宮本 福助

 
三島屋変調百物語 2 (BRIDGE COMICS)三島屋変調百物語 2 (BRIDGE COMICS)
★4 錠前屋一家の話の続きから。《屋敷に1年住めば百両やると言われ、一家はその屋敷に移り住むことに。何事もなく無事1年が過ぎた、と語り終えた女。お化け屋敷なのに何もない?不審がるおちかに、女は怪しく笑いながらその屋敷へ来いと誘う。そこへ…》錠前屋の親方の孫から聞く一家の話は、女とは違う結末だった。結局真相は分からずじまい。しかも屋敷は焼けてなくなったのに、まだ人を誘い込もうとしている。恐ろしい。
《おしまを聞き手に、おちかは過去を語る。旅籠を営む実家で、松太郎という男の子を助け、引き取って一緒に育ったこと。波之家の息子・良助との縁談が来たが、放蕩息子を理由に断って揉めたこと。腹いせの陰口に対し「松太郎と所帯を持てばいい」と吹聴する両親や兄。結局心を入れ替えた良助と再び縁談がまとまり…》家族同然と言いながら、恩をたてにした飼い殺し状態だった松太郎。自立することも叶わず、都合のいい時だけ“家族”扱い。一家に悪意がないのもたちが悪い。鬱屈していくのも分かる。そして悲劇が起きた。
読了日:08月16日 著者:宮本 福助

 
三島屋変調百物語 3 (BRIDGE COMICS)三島屋変調百物語 3 (BRIDGE COMICS)
★4 おしまの紹介で4人目の語り手・福が鏡にまつわる話を語る。《療養のため17まで離れて暮らしていた7つ上の姉が帰ってきた。初めて会った姉は美しく優しい人。そして道を踏み外した姉と兄。露見して自殺した姉の形見の鏡が、更なる悲劇を招く》話を聞いた叔母さんの感想が良かった。濡れ衣を着せられ死んだ奉公人の宗助や、鏡に囚われた嫁のお吉、彼らのことは誰も気にかけないのか。確かに、何の罪もなく巻き込まれて、本当の悲劇はこの2人だ。
《兄・喜一がおちかを訪ねてくる。久しぶりの再会を喜ぶ2人だったが、変わり百物語のことを聞いて顔色を変える喜一。兄がおちかの様子を見にきたのは、実家で異変が起きていたからだった。松太郎の亡霊が姿を現すようになったのだ》
読了日:08月16日 著者:宮本 福助
 

トラとミケ: たのしい日々 (6)トラとミケ: たのしい日々 (6)
★4 町内会&敬老会会長の健一郎とカツ子は鴛鴦夫婦。亭主関白な健一郎に常に寄り添うカツ子。人助けが好きな健一郎は、行方不明の男の子探しに町内の仲間と奔走したことをきっかけに、トラとミケの店を拠点にしたよろず困りごと承り所を開設する。子どもを預かったり、仲間内の家庭の問題を解決したり、悩み相談を受けたりと、活動は盛り上がっていた。ところがある日健一郎がオレオレ詐欺に引っかかってしまう。息子と喧嘩になり、止めに入ったカツ子が倒れてしまい…》切ないなぁ。人助けばかりで家族を後回しにしてきた健一郎。でも奥さんのことが家族との関係を見直すきっかけになって、これからは家族第一に。手遅れにならなくて良かった。/合間に挟まれたレイちゃんの話も良かった。
《喫茶店で働くレイは、28才の今でも父親と月に数回映画を見に行く。お見合いの話が来て、気がすすまないながらも両親のすすめで一度会うことに》幸せな家庭を築いてほしいが寂しい、という複雑な父親の心境。相手は良さそうな人だけど、仕事人間。父も娘も、ちゃんと人を見ている。いいお父さんだ。
読了日:08月18日 著者:ねこまき (ミューズワーク)

 
矢野くんの普通の日々(8) (モーニングKC)矢野くんの普通の日々(8) (モーニングKC)
★3.5 バレンタインの一件からギクシャクする泉さんと羽柴君。羽柴君自分の恋愛には鈍いな/塾で絆創膏をくれた子、同じ学校だった!寺井さんも矢野君と似た体質なのが判明し、盛り上がる2人。これは清子ちゃん嫉妬する?と思いきや、まさかの寺井→清子!矢野君が嫉妬することになるとは/ホワイトデー、お返しの袋がサンタみたいな羽柴君さすが。泉さん、先回りしちゃって、うやむやに。/進路について。どの親も子どもの意思を尊重してていいな、と思ったら、寺井さんち…/意外にも人気者の寺井さんに矢野君困惑。周りに人がたくさんいても、満たされていないんだな/ついに2年生も終わり。そしてクラス替え。矢野君と清子が別々に!
読了日:08月19日 著者:田村 結衣

 
おじさまと猫(13) (ガンガンコミックスpixiv)おじさまと猫(13) (ガンガンコミックスpixiv)
★3.5 おじさまから辛辣なセリフが出てくるようになってきた。我を出せるようになってきたってことかな《妻のためにピアノを弾きたいという小林に特訓/日比野からマリンを預かる。おやつのあげすぎで超肥満体のマリンを少しでも痩せさせたいが/森山のバンドメンバーが2人辞退し、契約解除の危機。神田も奔走するが…/神田の前に現れたのは、ライブ当日舞台に森山を置き去りにしたメンバーの一人、伊吹/顔合わせに集まった、森山、伊吹、星鳴が見つけた花野。森山が見つけた残る一人は、九重輝明だった。顔色を変える星鳴》
読了日:08月20日 著者:桜井海

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2024年7月に読んだ本

2024-08-22 | 本と漫画の話

なんと7月は1冊しか読メに登録していませんでした。
電子書籍の漫画は色々読んでいたのですが、記録しきれていません。
猛暑で図書館にも足が遠のきがちで、紙の本は全く読めませんでした。
活字の本自体、読む数が激減しています。
面白い本はたくさん出ているんだろうけど、なかなか食指が動かなく・・・


7月の読書メーター
読んだ本の数:1
読んだページ数:192
ナイス数:87

葬送のフリーレン (13) (少年サンデーコミックス)葬送のフリーレン (13) (少年サンデーコミックス)
★4 グラオザームの精神魔法にかかってしまったヒンメルとフリーレン。ヒンメルの願望〰〰〰!!しかしこんな場面でも冷静に状況を把握する二人、さすがだ。ヒンメルの凄さ(ハイターやアイゼンも)を実感した。そりゃこのパーティなら魔王倒せるわ。フリーレンの思い出の中じゃない生きた三人の姿が拝めて感動した。/「お陰でとても良い夢が見れた」のヒンメルの表情…/元に戻って旅の続き。ヒンメルが石碑に魔法の名前を記しに来た時のことを知る人に話を聞くことができたのが嬉しい/別人のようなヒンメル像。英雄の姿や逸話が変容していく。寂しいけど、魔王を倒した事実は変わらない/城砦跡で出会った上半身裸の男は、城主の末裔で、城の隠し財産探しに協力する。アルメーさん、いいキャラだ/シュタルクの誕生日。本当シュタルクはいい奴だ。勇者の振る舞いだよ/影なる戦士。なぜフリーレンが狙われるんだ恐ろしい。彼の存在も任務も、もはや忘れられたのでは/一級魔法使いの任務でゼーリエの護衛に駆り出されるフェルン。別動隊でラントとユーベルが再登場。帝国と大陸魔法協会、それぞれの思惑で色々な動きがあって不穏。
読了日:07月22日 著者:

読書メーター

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2024年6月に読んだ本

2024-07-12 | 本と漫画の話
瞬く間に1年がもう半分過ぎてしまっていたことに慄きます。
漫然と日々過ごしてしまって、これでいいのかとも思いますが、推し活とか大体楽しく過ごせてはいるので、この年になってくると、身の回りに大きな問題がなく無事過ごせていればヨシ!と思うようにしてます。

 


6月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:1115
ナイス数:60

夜は猫といっしょ 6夜は猫といっしょ 6
★4 今回もキュルちゃんが可愛くて良かった。猫の動きやポーズの描写が、かなりデフォルメされてるのに、再現性が高くて好き。あっという間に読み終わってしまって、それが物足りないくらい。先輩の猫さん達がまた可愛かった!特に人懐っこい三毛ちゃん!腕に巻きついてくる描写が好き!本当に巻きついてるwのに、実際確かにそんな感じになるの、めっちゃ分かる!すごいw
表紙の書影と、実際の本で、魚の蹴りぐるみの色が違うの(青と赤)、なんでだろう?
読了日:06月03日 著者:キュルZ


向ヒ兎堂日記 (1) (BUNCH COMICS)向ヒ兎堂日記 (1) (BUNCH COMICS)
★4 全話無料期間に最終話まで読了。
《文明開化を迎えた明治時代、『違式怪異条例』が施行され、怪談や妖怪にまつわるものは厳しく取締られていた。妖怪が見える兎崎伊織は、それらの本を密かに収集する貸本屋「向ヒ兎堂」を営み、化狸の千代や猫又の銀らと暮らしていた。そこへ妖怪達が悩み相談に訪れ始め…》
最初はほのぼの妖怪ものかと思っていたら、伊織の赤い目の謎とか、陰陽師とか鬼とか、怪異取締局内での陰謀や対立があったり、ちょっと不穏な感じも孕みつつ、それほどダークすぎる展開にはならずに大団円。キャラも可愛くて面白かった。
読了日:06月11日 著者:鷹野 久


3月のライオン 17 (ヤングアニマルコミックス)3月のライオン 17 (ヤングアニマルコミックス)
★4 二階堂戦続きから。誰もが驚く奇策に出た零に対し、振り回されまいと堅実に自分の将棋をさす二階堂。意図が読めず周りが戸惑う中、盤上で跳ね回るような手を次々繰り出す零を「ジャックラッセル」は言い得て妙。ジャックラッセルの出番多すぎて面白いw そしてこの熱戦からの「心友」は今さら?!って感じで驚く。友情がここにきてこんな盛り上がり方をw
あかりさんの食に対する愛情と熱意がすごいwおやつの出前が出張販売になり周りもどんどん巻き込んで凄い展開に!さらに叔母さんのバーでも電気圧力鍋導入→各種煮込み料理が炸裂!
島田さんは後輩に慕われて振り回されてるけど、そのおかげで暗い方へ引っ張られないでいるんだろうな。苦労人だから報われてほしい。手放したものが気にならなくなるくらい、幸せを掴んでほしい。この世界の棋士達は、みんな重くて暗いものを背負っていて、不幸でなければ強くなれない縛りでもあるのかって感じだけど、零君しかり、強いまま幸せになってもいいはずだ!
読了日:06月21日 著者:羽海野チカ


バッタを倒すぜ アフリカで (光文社新書 1305)バッタを倒すぜ アフリカで (光文社新書 1305)
★4.5 『バッタを倒しにアフリカへ』の続編!前作では論文発表前のため書かれていなかった、研究の全貌も明らかに。軽やかな文体で、専門的な研究の内容も分かりやすく理解できたし、拠点とするモーリタニアや、モロッコ、アメリカ、フランスとあちこち飛び回る先々での研究や交流の日々、さらにはお馴染みの運転手兼サポート役のティジャニに関する単独の章まで笑。面白すぎる!
一方、有名税に関する話では、この著者ですらメンタルをやられるほどなのかと心配し、メインの論文が発表されるまでの苦心惨憺の日々が語られる章では、なかなか出口の見えない状況に息苦しくなるほど。そんな10年にわたる研究がやっと結実し、認められて、名誉ある賞もいくつか受賞し、本当に報われて良かった。
それにしても、お金(主に印税)の使い方が太っ腹というか丼勘定というか軽率というか、人のためにと差し出した数十万数百万の大金が、浪費されたり盗まれたりよく分からないものに使われたりで消えて行ってしまう。著者もお金には苦労しているのに、気前が良すぎないかと不思議だったけど、「良いお金の使い方をすると、巡り巡って戻ってくる」とあって、確かに著者が大金を出すのは全て信頼する人やこれまで助けてくれた人達のためで、彼らに喜ばれて、もっと強い絆に繋がるのはプライスレスだし、受賞したり印税が入ってくるのもそういう人の縁で得たもののおかげということなんだな、と納得。徳を積んでいたんだ。この先研究が順調に進んで、素晴らしい成果を上げられるよう、大事な場面でたくさん彼のもとに幸運が返ってきますように。
読了日:06月22日 著者:前野ウルド浩太郎

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