日々茫然

猫・本・アート・日常生活などを、つれづれと思いつくままに記録

2月に読んだ本

2011-03-01 | 本と漫画の話

2月はそこそこ読んだ感じでしょうか。
1月に読みすぎたのか(笑)、後半、文字を読むモチベーションが急激にダウンし、漫画ばっかりになっちゃいました。


2月の読書メーター
読んだ本の数:16冊
読んだページ数:3869ページ

見仏記 ゴールデンガイド篇見仏記 ゴールデンガイド篇
★★★☆☆ 久々の見仏記。ご本人達も自覚してるけど、「ゴールデンガイド」とは名ばかりの、マニアックなお寺&仏様だらけ。メジャーどころの仏像をお二人ならどう見るのか、というのも読んでみたいけど、そうならないのもお二方らしい。茶化したような話もするけど、基本お寺や仏像に敬意を払っているのが分かるので、砕け過ぎず堅苦し過ぎずなのがいい。 いとうさんの文には出てくるのに、イラストも図版も付いてない仏像が結構あって、どんな姿なのか分からないから気になった。
読了日:02月02日 著者:いとう せいこう,みうら じゅん


怪談実話 黒い百物語 叫び (幽BOOKS 怪談実話)怪談実話 黒い百物語 叫び (幽BOOKS 怪談実話)
★★★★☆ 新耳袋が好きなので、それに近い語り口で、好みに合っていた。怖がらそうとやたらに過剰な装飾をしないで、淡々とシンプルに描いてある。そういう話の方が、ジワジワ来て面白い。この作者さんの実話系怪談、もうちょっと追ってみたくなった。
読了日:02月04日 著者:福澤徹三


ミステリ作家の自分でガイドミステリ作家の自分でガイド
★★★☆☆ 拾い読み。人によって、真面目に自著を解説してたり、作品の背景や書いた時の心情を綴っていたり、特に制約がないらしく、自由に書いてる印象。自分の趣味に合った作品を探したい読者のニーズからすると、独りよがりな内容で疑問を感じる作家さんもいたような。すでにファンの人が読む分には、嬉しい内容だったりするんだろうけど・・・。好みに合った作品が明快という点で、イエス・ノーを選んでいって、オススメの作品にたどり着く、というのが、ふざけてるようで、一番「ガイド」として分かりやすかった(笑)
読了日:02月04日 著者:本格ミステリ作家クラブ


まねぶ美術史まねぶ美術史
★★★☆☆ 先人の作品を「まねぶ」ことで、自分の表現法を模索してきた森村さん自身の「美術史」。初めてのデッサンから最近の作品まで、時代時代の様々な芸術家の作品と、それに影響を受けた森村さんの作品を並べ、短いコメントがついている。合間には当時を振り返るエッセイも。 「まね」とは言え、森村さんの作品には、ただの真似ではない力が宿っていたり、声にならない叫びが聞こえて来そうだったり、まさに一人の美術家の苦闘の歴史。文章も、平易で詩的で言葉が美しい。芸術家を目指す若い人にもオススメ。真似から入ったっていいんだ。
読了日:02月04日 著者:森村泰昌


文藝別冊 伊坂幸太郎 (KAWADE夢ムック)文藝別冊 伊坂幸太郎 (KAWADE夢ムック)
★★★★☆ 伊坂幸太郎の作品の魅力がギュギュっと濃縮されたような1冊。ムック本って、面白そうな所だけ拾い読みしちゃうものだけど、最初から最後まで、じっくり味わいました。お腹いっぱい。…と満足感に包まれて本を閉じようとしたら、目に入った編集後記を読んでガックリ来た。何じゃこの派手な間違いはっ!
読了日:02月07日 著者:


おくりぶたおくりぶた
★★★★★ 深い。漫画と思って軽く見たら怪我する深さ。 書店で見かけ、「やさぐれぱんだ」の山賊さんの本だ、と何気なく手に取ってパラパラ読みしたら、なんか凄く深い匂いがして、柄になく「これは買わなきゃ!」と衝動買い。「命」「生と死」「天国と地獄」など哲学的なことを、ユーモアも交えてライトに描いていながら、結構衝撃を受けた。「ああ、そうなのかも」としみじみ。折々に読み返しそう。
読了日:02月08日 著者:山賊


赤いヤッケの男 山の霊異記 (幽BOOKS)赤いヤッケの男 山の霊異記 (幽BOOKS)
★★★☆☆ 場所が山に限定されているのに、どれも怪談としてのクオリティが高い。あんなに恐ろしい体験を重ねながら、それでも山に登る作者は、どんだけ肝が据わってるんだ。 たまにいい話もあってホッとするけど(最後の話は特に感動)、やっぱり怖い話に完全に圧倒される。「みなさんが日本の山を、いまよりもっと好きになってくれれば幸いである」(前書きより)・・・無理ですっ。 あと、読み終わって改めて表紙見たら・・・怖ーっっっ!!
読了日:02月10日 著者:安曇潤平


女たちの怪談百物語 (幽BOOKS)女たちの怪談百物語 (幽BOOKS)
★★★★☆ 面白かった。1話1話が短いし、語り手が交代するので、飽きずに読める。幽霊、神仏、不思議な現象、生きてる人間・・・バリエーションも豊か。「小さいサラリーマン」の話だけは、ちょっと笑っちゃって和んだ。
読了日:02月12日 著者:加門七海、立原透耶、伊藤三巳華、岩井志麻子、宇佐美まこと、勝山海百合、神狛しず、宍戸レイ、長島槇子、三輪チサ、東雅夫編


まさかジープで来るとはまさかジープで来るとは
★★★☆☆ 「カキフライ」の方がクスッと笑えるものが多かった気がする。ハードルが上がっちゃったのだろうか。でもポツリと呟いた何気ない一言のような短い言葉の中に、何とも言えない味わい深いおかしみを含ませている「自由律俳句」は、やっぱりツボ。又吉のエッセイは、虚実が曖昧な感じから、虚の割合が増えた。「創作」の方へシフトしてるのかな。
読了日:02月12日 著者:せきしろ,又吉 直樹


もののけ物語 (幽BOOKS)もののけ物語 (幽BOOKS)
★★★☆☆ 骨董や人形など、器物との不思議な縁・因縁を記した「もののけ物語」、日々の怪異を淡々と記録した日記「怪談徒然日記」、怪談エッセイ「ほんとだよ」の、別々の媒体に掲載した3章からなる。器物にも魂が宿るというのか、何となく相性とかはあるかも。カメラの話は、神域に限らず、撮影に夢中になって周囲へのマナーを欠く行動が問題なんだろうな。「怪談徒然日記」は、ツイッターのようなごく短い呟きだけど、一番怪談らしくて濃くて面白かった。「ほんとだよ」は、ちょっと弾けすぎな気がした。媒体が若者向きだったのだろうか。
読了日:02月13日 著者:加門七海


終電車ならとっくに行ってしまった終電車ならとっくに行ってしまった
★★★★☆ 何か好き。静かで、淡々として、フワフワした感じ。文章も漫画も魅力的で、ちょっぴり悲しげで優しい。ちょっと現実から逃避しちゃっているような、孤独なナマケモノが、何とも愛しい。
読了日:02月17日 著者:フジモト マサル


モダンタイムス (Morning NOVELS)モダンタイムス (Morning NOVELS)
★★★★☆ 再読。「文藝別冊 伊坂幸太郎」で著作リストを見たら「読んだっけ?」というくらい内容を思い出せなかったので。確かに読んでた(苦笑)。しかも面白かった!何で忘れてたかな?「文藝別冊〜」で「風呂敷を畳まない」方向に挑戦し始めたのが「ゴールデンスランバー」やこの本、とあったけど、全然気にならなかった。最後に解決しないモヤッとする話は大嫌いだけど、2作品とも読後感はスッキリしてて好き。根本的な問題は解決してないのに。「文藝別冊〜」での「登場人物たちの心はきれいに閉じてる」という取材者の指摘に大いに納得。
読了日:02月20日 著者:伊坂 幸太郎


言いまつがい (新潮文庫)言いまつがい (新潮文庫)
★★★★★ 再読。図書館で単行本を読んで面白かったので、文庫の古本を見つけ、手元に置きたくなって購入。何年ぶりかで読んだので、また爆笑してしまった。本当に人前で読むのは危険! 金と銀も文庫にならないかな。 もっと読みたくなったので、「ほぼ日」携帯サイトを訪問して笑ってます。日課になりそう。
読了日:02月23日 著者:糸井 重里,ほぼ日刊イトイ新聞


あずまんが大王1年生 (少年サンデーコミックススペシャル)あずまんが大王1年生 (少年サンデーコミックススペシャル)
★★★★☆ かなり修正が入ってて書き下ろしもあるということだったので、こっちも古本で入手。確かに前半は細かい所までかなり変えてるし、ネタそのものも丸々書き換えてあったりして、単行本と比較するのも楽しかった。けど後半になるにつれて、ほとんどそのままに・・・。最初の方はヘアスタイルや服なども時代に合わせて細かく手が入ってたのに、後半はスルー。直すなら直すで、ちゃんと基準を統一して!とツッコミ入れたい。書き下ろしが思ったより多くて(数Pのおまけ程度かと思ったら16Pあった)面白かったのでいいけど。
読了日:02月24日 著者:あずま きよひこ


あずまんが大王 2年生 (少年サンデーコミックススペシャル)あずまんが大王 2年生 (少年サンデーコミックススペシャル)
★★★★☆ 1年生同様、やっぱり加筆修正の基準にムラがあるけど(髪のツヤが消してあったりなかったりとか)、いっそ間違い探しみたいに楽しんだ。コマ割りとかセリフまで変えてある大幅な修正も見所だけど、やっぱり「補習」が一番うれしい。トモのお父さんっ!?見てみたい!!ちよちゃんのお父さんも素敵だし・・・(笑)
読了日:02月26日 著者:あずま きよひこ


百器徒然袋 鳴釜   薔薇十字探偵の憂鬱   (怪COMIC)百器徒然袋 鳴釜   薔薇十字探偵の憂鬱   (怪COMIC)
★★★★☆ 安心して買える志水さんのコミカライズ。今作も原作に忠実!期待値が高かっただけに、ちょっと残念だったのが、益田君が軽薄過ぎることかなぁ、と思ったけど、原作読み返してみたら、結構軽薄でした(笑)。警察を辞める前の、初期のイメージが残ってたみたいで、この頃の益田君はすっかり軽薄キャラに・・・やはり志水さんはきちんと忠実でした! という訳で、唯一の残念は、榎さんが赤ちゃんに「天骨の匂いを嗅いであげよう」というセリフ、残して欲しかったなぁ、と。(マニアックなツボですみません)
読了日:02月28日 著者:志水 アキ

読書メーター


 伊坂幸太郎のムックの編集後記での間違いとは、「ラッシュライフ」など複数の伊坂作品に登場する人気キャラ黒澤と、「死神の精度」に出てくる千葉(他の作品にもチラッと登場、こちらも人気)の登場作品と名前を、取り違えていたことです。伊坂ファンならありえない凡ミス!!このムック、ちょくちょくあれ?と思うような小さな間違いや印刷のズレがあったので、編集時の詰めが甘かったんでしょうね。すごく良くまとまっている、内容的には100点に近いムックだっただけに、残念。
ネタバレ多数なので、これから伊坂幸太郎を読んでみよう、という人には不向きです。作品を読んだ人(ファン)向け。

 「あずまんが大王」は、「よつばと!」と同じ作者の、4コマ漫画です。女子高生が主人公なので、萌え系漫画だと思って読まず嫌いしてたけど、面白かった!単行本で揃えてたけど、大幅な加筆修正や書き下ろしがあると聞いて、新装版も入手しちゃいました(笑)。
天才少女で10歳で高校に通うちよちゃん、迷惑なくらいにやたら元気なとも、ツッコミキャラのよみ、大阪からの転校生で天然ボケの大阪、クールキャラだけど本当は猫好き、でもなぜか猫には嫌われる榊さん、スポーツ万能で自称榊のライバル神楽・・・先生などのサブキャラも個性的で楽しいです。個人的には、大阪の天然ぶりと、おっとりした関西弁が好き 猫にしょっちゅう噛まれちゃう榊さんも好きです。ちよちゃんのお父さん(榊さんの想像上の・・・)も!
ちょうど3年間の高校生活が描かれているので、新装版は「1年生」「2年生」「3年生」の3冊にまとまってます。「3年生」は古本で在庫がなかったので、買っちゃおうかと思案中。「よつばと!」とはまた違った面白さ。オススメですよ~

コメント (2)
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