8月は暑くて参りました。
夜ベッドに入って、寝付くまで本を読むことが多いのですが、連日の熱帯夜・・・。
なかなか読む気になれませんでした。
それでも図書館の予約順は回ってくるし、いつもどおり絵本や漫画が多いので、数はそこそこ読んでるように見えます(^_^;)
2013年8月の読書メーター
読んだ本の数:28冊
読んだページ数:4228ページ
ナイス数:780ナイス
GBパーク (バンブーコミックス )
★4 つつじがはら公園でゲートボールをする人々の日常。特別派手な展開はなく、ほのぼのした小さなエピソードが綴られていく。でも、ワイルドな歯医者のタクゾー、お節介焼きの主婦マツコ、飄々とした酒屋のヤスシの同級生トリオや、リーダーの瀬田さんと可愛らしい孫の空ちゃん、世話焼きの小栗さん、乙女キャラの早乙女さんetc. 登場人物が魅力的で楽しい。オノさんの作品の中でも『LA QUINTA CAMERA』や『COPPERS』『つらつらわらじ』みたいな群像劇に近くて、よりまったりほのぼの。安心して読めるなぁ。
読了日:8月2日 著者:オノ・ナツメ
図書館の主 1 (芳文社コミックス)
★4 舞台は児童図書館! 普通の図書館とは一味違った面白さ。《無愛想で毒舌な司書の御子柴君、でも本への愛は筋金入り。図書館を訪れる人々は、彼の薦める本を通して心がほどけ、成長していく》 私自身、絵本にハマってるから分かる分かる! 大人が児童書読むのもいいんだよね! 面白い本に出会った時のワクワク感は、大人も子どもも一般書も児童書も関係ない! 本に引き込まれていく表情に、こちらまで嬉しくなる。宮本さんの存在がいいアクセントになってるし、御子柴君が司書を目指したきっかけ、図書館ができた理由なども良かった。
読了日:8月3日 著者:篠原ウミハル
でるでるでるぞガマでるぞ
★3.5 高谷まちこさんの絵本2冊目。《おじいさんおばあさん、猫のマツが住む家はお化け屋敷。夜になると、でるでるでるぞ。ある日おじいさんが綺麗な石を拾ってきたけど…》怖いはずのお化けが可愛らしく思えてくる話。でもガマは結構手強くて怖いなぁ(^_^;) ユーモラスな絵とユニークな展開が楽しい絵本。多分前作の『でるでるでるぞ』と話が繋がってるんだろうな、先にそっちを読めばよかったかも。
読了日:8月3日 著者:高谷まちこ
くらやみ こわいよ
★3.5 クラッセンの新刊。文はレモニー・スニケット、訳は蜂飼耳。《ラズロは暗闇が怖い。たいていの場合、暗闇は地下室にいる。夜になると暗闇は地下室を出て、ラズロの家、そして外へと広がっていく…》ラズロは思い切って自分から地下室へ …って、最初からラズロがあまり暗闇を怖れてないように見えるんだけどなぁ。暗闇を際立たせるコントラストのきいた絵もかっこいいけど、『どこいったん』などの動物の方が素敵だし…。でも一歩間違えればホラーなヒヤッとする感じや、ラストの展開は悪くない。ちょっと期待値を高め過ぎたかな。
読了日:8月3日 著者:レモニースニケット
死神さんとアヒルさん
★4 これは、感想が難しい。表紙のスラリとシャープでちょっとユーモラスにも見えるアヒルに惹かれて手に取った。死神さんの造形といい、コラージュを使った表現といい、アートでかっこいい絵本。問題はストーリーで、死を正面から扱っていて、うまく感想を言葉で表せない。 アヒルさんと死神さんの関係性は、『死神の精度』の千葉と対象者の関係性に近いかも。ただ、側にいるだけ、でもドライ過ぎてもいない。当然ストーリー的には全然違うんだけど。最後はすごく切なくて、無常感が漂う。この作者の本が、もっと読んでみたい。
読了日:8月3日 著者:ヴォルフエァルブルッフ
うまそうだな、ねこ―しんかしたさかなのおはなし
★4 《池に住む小さな魚は、毎晩眠れない。意地悪な猫が夜になると池に来て、魚をもてあそぶから。ある夜、猫が池にやってくると、魚が水から出ていて…》小さな魚の逆襲。猫が本当は魚が好きなあたり、不器用というか何というか。でもやられる方はたまったもんじゃないよね。ラストページにはホッとした(*^^*)
読了日:8月3日 著者:松山美砂子
トスカのおくりもの (講談社の翻訳絵本)
★4 猫好きにはたまらん(><*)アン・モーティマーの猫絵本。《静かで、暖かくて、誰にも邪魔されない場所を探して回るトスカ。見つけたと思ったら、邪魔が入ったり騒がしかったりで…》写真のように細密に描かれた可愛らしいトスカに目尻を下げながら読み進めると、何とまあ、そうだったの!? とびっくり。めちゃくちゃ癒された♪
読了日:8月3日 著者:マシュー=スタージス
ぞくぞくぞぞぞ (きゅーはくの絵本―化物絵巻)
★4 九州国立博物館所蔵の狩野宗信「化物絵巻」を絵本にしたもの。ストーリーはなく、絵巻の場面に擬音を足しているだけ。絵本としてはシンプルだけど、絵がいいので面白い。出てくる化物達は、動物が化けているものが多く、怖いようで、どこかユーモラス。一見人のようで「何の化物?」と分からないのもいたけど、巻末に解説があるので大丈夫。水木さんのインタビューも良かった。子どもは単純に「きゃー!」って感じで怖がりそうだし、大人は絵巻物としての背景なども含めて図録的に楽しめる。
読了日:8月3日 著者:九州国立博物館
増補版 誤植読本 (ちくま文庫)
★3.5 作家、編集者、校正者などが書いた誤植にまつわるエッセイを集めた本。どれだけ目を皿のようにしてチェックしたはずでも見つかる誤植。笑えるもの、シャレにならないもの、時には怪我の功名も。昔は活版印刷による植字ミス、著者の癖字が誘発するミスなど、近年はタイプミスや変換ミスと、誤植の性質も変遷。特に、漱石全集に関わった内田百けんら三人の話は、同じ仕事について三者三様に述懐していて面白かった。全部誤植話なので被る話題もあるけど、活字好きには興味深い話ばかりで楽しめた。
少し携わった経験があるので、度々出てくる「校正おそるべし」という言葉に大いに共感。
*山田宗睦「校正のレファレンス」に出てきた用語統一に関する話は、目から鱗だった。「みる」と「見る」など、混用を避けるのが当たり前だと思いこんでいたけど、言葉のニュアンスや前後との関係で臨機応変に変わるのが生きた文章。それを画一的に揃えてしまっては、確かに味気ない。
*林真理子は誤植について編集者の責任と嘆いているけど、著者校正はなかったのかなぁ?他の作家の多くが「著者校正でも見落とす」と自嘲気味なのでちょっと浮いていた。
読了日:8月7日 著者:高橋輝次
夜明けの図書館 (ジュールコミックス)
★4 図書館で地元出身の漫画家さん特集をしていて発見。なんと図書館マンガ! 《新米司書のひなこが、利用者の探している本を見つけようと奮闘する連作短編》本を探す人の人生に触れながら、司書として成長していくひなこ。図書館のレファレンスってすごく興味があったのでドンピシャ。探し求める本って、その人の心にとって今必要なものなんだな。 ひなこに触発されて、市から配属された一般職の大野が徐々に図書館の魅力に気付いていくところも楽しみ。 *絵が勝田文さんとよく似てるけど、偶然かな?アシスタントとかの繋がりがあるのかな?
読了日:8月7日 著者:埜納タオ
テルマエ・ロマエVI (ビームコミックス)
★3 大団円…なんだけど、個人的には消化不良。最終巻に関しては、もはやギャグ要素ほぼ0だし、発掘調査の必然性も感じられなかったし(そんなことしなくてもルシウスやお祖父ちゃんは現代日本←→古代ローマ行き来してる)、ご都合主義っぽい展開が多かったような。 何よりさつきはこれで良かっただろうけど、現代の方の後始末はどうなる…。私がお祖父ちゃんっ子だったから、さつきのお祖父ちゃんが心配という私情も多分に入ってますが。 後日談的な新連載の予告が入ってたけど、どうなるのかなぁ、納得のいく始末をつけてくれるのか…
読了日:8月8日 著者:ヤマザキマリ
夜明けの図書館(2) (ジュールコミックス)
★4 子どもの頃読んだ絵本と姉妹の絆、男子校料理部の存続をかけたアイデア探し、元芸妓の老婦人がライバルのために探す思い出の小唄、新しい学校に馴染めない東京からの転校生の少女に自らを重ねるひなこ。本と人との出会い、そこから人と人を繋ぐ本の力。あとがきにもあるように、レファレンスって何となく敷居が高くて、実際頼むのは勇気がいるんだけど、ひなこみたいに親身になってくれる司書さんがいるなら、お願いしてみたくなっちゃうなぁ。
読了日:8月8日 著者:埜納タオ
泣き童子 三島屋変調百物語参之続
★4.5 シリーズ3冊目。今作は特にゾッとする話が多かった気がする。特に『泣き童子』『まぐる笛』は凄かった。前者は心理ホラー、後者はスプラッタホラー的な怖さ。『小雪舞う日の…』も『青蛙堂鬼談』や『沙高楼綺譚』などの大好きな百物語ものを思わす普段と違った趣向が良かったし、中でも半吉親分の話は迫力があった。そしてラストの『節気顔』は少し切なくて優しい話で、読後感も良く大満足。 2作目は新聞の連載で読んだので、くろすけが可愛かったな、くらいしか覚えてなかった(^_^;) もう1回本でちゃんと読み返そう。
『魂取の池』『くりから御殿』『泣き童子』『小雪舞う日の怪談語り』『まぐる笛』『節気顔』の6編。
読了日:8月10日 著者:宮部みゆき
死神の浮力
★4 死神・千葉が帰ってきた!《娘を殺された山野辺夫妻。犯人に無罪判決が下ったその日、千葉と名乗る男が訪ねてきて…》
飄々としてどこかズレた受け答えをする千葉に、そうそう、こうだった、と懐かしさを覚える。仕事にはわりと真面目だけど、基本人間のする事に興味はなく、助けてくれるわけじゃない。だから山野辺夫妻に肩入れして読んでいると、そりゃないよ千葉さん、という場面もあり。「良心を持たない人間」に何度も本気で怒りを覚えつつ(伊坂さんは本当に残酷な人間を描くのか上手い)、でも最後はきっと、と期待して読み進める。途中一度落胆したので、それを逆手にとったラストには、そうきたか!とニヤリ。凄く残酷なのにどこか滑稽で、胸がすく。上手い落とし所だなぁ。誰もが手放しで喜べるようなハッピーエンドとまではいかないのに、不思議と読後感は良い、という伊坂節、堪能しました。また近いうちに、ぜひ千葉に再会したい!
読了日:8月12日 著者:伊坂幸太郎
たまたま続けて図書館漫画2種類を読みました。
個人的には『夜明けの図書館』が好きかなー。『図書館の主』も面白いので、続けて読んでます。
『死神さんとアヒルさん』は、とにかく印象深い本でした。感想で『死神の精度』の千葉と対象者っぽいと書いてたら、同じ月に続編の『死神の浮力』が発売されて読むことができた、というのも不思議です。
猫好きさんには、『トスカのおくりもの』ほかアン・モーティマーさんの絵本オススメです
後半へ続く