日々茫然

猫・本・アート・日常生活などを、つれづれと思いつくままに記録

原爆の日

2006-08-06 | 雑記

今日は広島の原爆の日です。
広島で生まれ育ったので、この日はずーっと登校日で、教室でテレビの原爆記念式典の中継を見ながら、8:15には黙祷をするのが普通でした。
大学で初めて県外に出た時、他県ではそんなことしてない、というのにショックを受けました。
今はどうやら広島でもそこまでする学校は減っているのか、原爆の日や投下時刻を言えない子が増えているのだとか。
確か長崎では、8月9日(長崎原爆の日)の登校日が義務付けされていると聞きました。
私は全国的に登校日にして、その日くらいは平和について学習したらいいと思うんですけど…
8月6日と8月9日を1年交代にするとかして。

今もイスラエルがレバノンを攻撃してますね。
他の人の命を簡単に奪っていいのか、と悲しくなります。
武力行使を決める前に、何とかできないのか。

今の子って、「なぜ人を殺してはいけないのか」と聞いてくるそうですけど、そんなこと聞かないとわからないの?と思います。
「なぜ人を殺してはいけないのか」なんて、親にも学校にもあらためて教えてもらうことなんかなかったはず。
そんなこと聞かなくても、身近な人の死とか、ペットの死とか、テレビで見る戦争や殺人事件などの報道もそうです。そういう色んな体験を通して、生きていくうちに自然と「命の重さ」とか「死は恐ろしい」とかって身にしみて学習するものです。
むしろ理屈で教えられたら、極端な話、その理屈に当てはまらない時は、殺していい、と思わないだろうか…

子供の頃、戦争や原爆について色々学習しましたが、強烈に記憶しているのは、残酷で生々しい被爆者のケロイドの写真や、体験者の絵、物語、映画などでした。
保健室の前に夏になると毎年掲示される被爆者の写真の前を通るのが怖かった。
原爆資料館の投下直後の様子を再現した立体模型も、トラウマになりそうなくらい怖かった。
その時はただただ怖かったけれど、そのおかげで、平和がどれだけ大事かとか、命の尊さとか、身にしみています。理屈じゃないです。

なぜ彼らはあんな惨い目にあったのだろう。
なぜ死ななければならなかったのか、生き残った人達は、一生の苦しみを負わされなければならなかったのか。
毎年1日くらいは、原爆で犠牲になった方達のことを考えてみませんか。


生々しい絵はないけれど、原爆についてちょっと考えてみるきっかけになる漫画↓
 こうの史代『夕凪の街 桜の国

コメント (6)
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『ゆめつげ』 畠中恵

2006-08-04 | 本と漫画の話

畠中恵さんは「しゃばけ」シリーズでブレイクして、普段時代小説を読まない人までファンに取り込んでいるようです。
私も「しゃばけ」シリーズは好きで、最新刊「うそうそ」も図書館でまだかまだかと予約待ちしています。(31人待ち…)
この本は、「しゃばけ」シリーズ以外の時代小説(他に現代ものもあるらしい)で、たまたま書棚に並んでいたので、さっそく借りてみました。

黒船が来航し、不穏な時代に入った江戸末期、「清鏡神社」という小さな神社の神官兄弟が巻き込まれた騒動が描かれます。
兄・弓月(ゆづき)には、「夢告(ゆめつげ)」という能力があります。
これは、依頼者の探し物や知りたいことを夢に見て、それを読み解いて結果を告げる、という能力です。
ただし、弓月の「夢告」は、ちょっと的外れだったりして役に立たないと氏子の間では有名でした。
そんな評判もあまり気にせずのんびり屋の兄と、兄をフォローするしっかり者の弟・信行。
ある日、「清鏡神社」とは比べ物にならないくらい大きくて立派な神社「白加巳神社」の若く有能な権宮司、彰彦が訪れ、8年前、安政の地震で迷子になった大店の一人息子の行方を占ってほしいと頼まれます。
弓月の能力は当てにならないから、と最初は断ろうとしますが、雨漏りする屋根の修繕費にも困っている父の様子を思い、結局は引き受けます。
ところが「白加巳神社」へ向かう道すがら、いきなり辻斬りに襲われるなど波乱の予感。
事態はどんどん複雑に、そして危険な方向に…


「夢告」は、体に負担のかかる仕事らしく、本来めったには行わないものなのですが、必要に迫られて「夢告」を重ねる弓月はどんどん弱っていきます。
それに反比例するかのように、能力の方はどんどん強くなり、「夢告」をする気がなくても唐突に夢の世界へ引き込まれるようになり、戻ってこられなくなる危険や、衰弱から命を落とす危険も感じ始めます。
一方では複数の辻斬り(浪人)が横行し、関係者が殺される事件が続き、どこへ行くにも死の不安がつきまといます。
弓月は無事事件を解決して、生きて帰れるのか
ずーっとハラハラし通しでした。
最後話が大きくなりすぎて駆け足で纏めたような気はしますが、面白く読めました。
表紙の見返し?に入っている白加巳神社の見取り図のおかげで、主人公達がどう動いているかも理解しやすかったです。

時代小説ビギナーでもたぶん読めますが、興味を持たれた方は、まずは病弱な若旦那と過保護なお目付け役2人(実は妖怪)が活躍する「しゃばけ」シリーズからいかが?
オチャメな妖怪が色々出てきて楽しいですよ。
鳴家(やなり)の「きゅわわ~」がカワイイです

コメント (2)
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かもめ食堂

2006-08-02 | 映画の話
今日は映画がレディースデーで1,000円なので、「パイレーツ・オブ・カリビアン」を見に行こうと思って、出かける前に近くの映画館の上映スケジュールを検索しました。
そしたら映画の一覧に「かもめ食堂」を発見。
そういえば、小林聡美さんやもたいまさこさんが出てて、面白そうだと思ってたんだよなぁ…
と、上映予定を見ると、今週金曜までで日中の上映はなくなって、以降夜19時からの1回のみ、来週には上映終了となっていました。

わが町の映画館は、運営会社は一緒ですが3ヶ所に分かれていて、主に超メジャー映画(パイレーツ・オブ・カリビアンとか)をするところ、メジャーな映画(ゲド戦記とか)をするところ、マイナー映画をするところ、の3館があります。
「かもめ食堂」は当然3つ目…ここ、私が幼少の頃は確か成人映画専門の劇場でした。
今は「マイナーだけどいい映画を扱う映画マニア向けの映画館」になってますが、場所は変わらず、周囲がいわゆる“夜の繁華街”に近いので、チャリで5分程度の近さとはいえ、来週夜の上映に一人で行くのは少々怖い
どうしようかなぁ…と何気なくブログ検索してみると、「良かった!」の声多数。

「パイレーツオブカリビアン」は来週もまだまだ続くからいつでも見れるし、たまたま上映終了間近で目に留まったのも縁かな、と「かもめ食堂」に鞍替えしました



さて、感想は …良かった

フィンランドのヘルシンキの街角に、小さな日本食堂を開いたサチエ(小林聡美)。
道行く人がふらりと入ってきて、思い思いに自由な楽しい時間を過ごしてくれればいい、そう思って、メニューもおにぎりをメインに、シンプルで美味しいものばかり。 
でも1ヶ月経ってもお客様はゼロ。
それでも毎日まじめにやっていれば、いつかお客さんは来てくれる、と淡々と過ごす毎日。
そこへ、記念すべき第1号のお客さん、日本かぶれの青年トンミがやってきます。
「ガッチャマンの歌詞を教えてほしい」と頼まれますが、出だししか思い出せません。
その日の帰り道、書店のカフェで「ムーミン谷の夏祭り」を真剣な顔で読んでいる日本人女性ミドリ(片桐はいり)を見つけ、思い切ってガッチャマンの歌詞を聞いてみます。
唐突な質問に、怪訝に思いながらも完璧な歌詞を教えてくれたミドリ。
フィンランドへ来た事情、特に帰る日も決めていないということを聞き、お礼としてうちへ泊まるようにすすめます。
やがてミドリは食堂を手伝うように。
そんなある日、また訳ありげな女性マサコ(もたいまさこ)がふらりと現れます。
ヘルシンキの空港へ荷物が到着しない、というマサコも、そのうち食堂を手伝うように。
他にも訳ありのフィンランド人男性や女性がお話に絡んできます。
そうこうするうち、食堂にも徐々に人が入るように…

特に大きな事件は起きないけれど、凛として芯の通ったサチエを演じる小林さんがかっこいい。とても綺麗に見えました。
それに、普通じゃなさそうなのにいたって普通っぽい女性ミドリを演じた片桐さん、妙な存在感と味がある女性マサコを演じたもたいさん、3人ともとても素敵です。
この女優さんたちだからこそ醸し出せる、スコーンと抜けたようなおおらかさ。

フィンランドの人達もいい味出してます。
突然現れ、美味しいコーヒーの入れ方を伝授して去っていったおじさん。なんか無頼ないい雰囲気の人だなぁ、と思っていたら…
毎日現れては、表からガラス越しに睨み付けるような目線で中を凝視して去っていくおばさん。このおばさんと、もたいさんの絡みが面白い。

そして、時々画面に登場し、最後にナゾの絡み方をして印象的な効果を出していた猫
この猫ちゃん、エンドクレジットで「SPECIAL THANKS ビー」と出ていたので、もしかして原作者の群ようこさんのエッセイに出てきたビーのこと?と思って帰ってきてネットで調べてみたら、ビーちゃんはエッセイでは群さんの友人の猫なんですけど、つまりもたいさんの愛猫だったらしいです。
でも、高齢で最近亡くなったらしいので、本物がフィンランドまで撮影に行ったのかどうかまではわかりませんでした。

映画はところどころに笑いがちりばめられています。
トンミの着ているTシャツの柄、初対面でガッチャマンの歌につい盛り上がるサチエとミドリ、トンミに「漢字で僕の名前を書いてくれ」と言われてミドリが書いてあげた名前、マサコが初めてかもめ食堂に現れる瞬間、マサコが着替えがないので町で買ってきた服、何気ない瞬間のもたいさんの表情。(もたいさんがらみが多いですねホントもたいさんがいいんです。)
ついついニヤリ、思わず噴き出す。
平日の昼間なのに、小さな映画館とはいえ半分以上の席が埋まっていて、館内は度々クスクス笑いで妙に和やかに…。
ほとんどが20~40代くらいまでの女性でした。

最後に、ほとんどのブログで「買いました」と写真が載っていたパンフレットを私も購入。

 旅行かばんの形です。

中には、映画の写真(オシャレ)の他、ミドリが手書きで作っていたかもめ食堂のメニューや、人気メニュー2品のレシピなど…これで600円なら、なかなかいいでしょう?ビーちゃんのアップも載ってました

美味しそうなごはんがいっぱい出てくるので空腹で行っちゃダメ、という感想も見ていたのですが、時間がなくて空腹で行ってしまったため、おじさんがおにぎりにお腹を鳴らす場面で、私も鳴りそうになってしまいました

とにかく何だかリラックスできる映画でした。
心がほぐれる感じかな。

「やっぱり猫が好き」が好きだった人には特にオススメです
コメント (10)
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意外な好物

2006-08-01 | ひなの話

 母がとうもろこしを茹でてくれました。

食べていると、ひなが「何食べてるの?ちょうだい~」とやってきました。
ひなは食いしん坊で、人間の食べている物を欲しがります。
本当は良くないのですが、やっても差し支えなさそうなものは、少し分けてやっています。

「とうもろこしだよ、食べれないでしょう?」
と言いつつ、匂いを嗅がせてやりました。
何でも一応匂いを嗅いでみて、欲しくなければすぐ興味を失って去って行きます。

が、なんと「パクッ


ええっ食べたよ

しかも「もっとちょーだい」とねだってきます。
結局、結構な量を(お尻の方の小さめの粒を10~20粒)食べてしまいました。

意外な好物なのかなぁ…

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