古面を蒐集し始めたきっかけは、能です。が、少しずつ集めていくうちに、能面以外にも、日本には、多種多様な面があることに気づきました。しかも、そのほとんどが、用途、時代などが不明のばかりでした(今も不明)。このような品が自分の性にあっているのか、気がついてみれば、90枚ほどの面に囲まれていました(笑)。
初期の獅子面
以下の3枚は、そのうちでも、時代が遡る品で、獅子頭の原型ではないかと、勝手に思っています。
縦38cm、横34cm とても大きな面です。一般の面(縦22cmほど)と較べてみると、大きさ(面積)の違いは、想像以上です。それに、木が枯れていて、びっくりするほど軽い。目はあいていないので、奉納された面でしょう。
湯布院空想の森美術館の高見乾司氏は、この類の面を王面とよんでいます。
標準的な大きさの面ですが、角がある分だけ、少し大きき見えます。堅くて重い木からできている。顎は彫り込まれているが動きません。裏面には、細木が横に渡されていて、掛けられるようになっているので、やはり、奉納面でしょう。
通常の大きさの面で、軽い。上部左右に二つの穴、真ん中下部に二つの切れ込みがあり、元は、二本の角と下顎がついていたと思われますが、今は失われています。特筆すべきは、目があいていること。実際に使われていた獅子面だと思います。非常に古格のある面です。